暑さでちょっとヘタリ気味です梅雨明け、ってウソでしょ~まだ6月なんですが
と、言いつつ先週末には観劇強化月間を無事にスタート出来て、ホッとしています
今回はちょっと長丁場なので、体調に十分気を付けて乗り切ろうと思います
まずは「バクマン。」以来8か月ぶりの拡樹くんの舞台「死神遣いの事件帖」から。
東映が2019年に始めた映画と舞台の連動企画の2作目で、2年前に公開された映画・舞台の続編になります。
東映と言えば映画、そしてTVドラマのイメージで、そう言えば舞台は手掛けてこなかったのかな?
上演劇場も大阪はドラマシティで、東映の作品を東宝系の劇場で観るとは、とちょっと笑っちゃいました
以下、ネタバレ少しありますよ。
「死神遣いの事件帖」は江戸前期を舞台に、死神と契約して悪と戦う死神遣いが主人公。
乱世が終わって平和な時代になり、何でも屋(探偵業含む)をやって暮らしている久坂幻士郎。
拡樹くんが、チャランポランでいい加減でだらしなくてという、ちょっと珍しい役をやってるのが面白いです
そんな幻士郎が事件に巻き込まれ、女の子を救うために本気出し過ぎちゃって最後は死んでしまったというのが前作の映画でした。
え、死んじゃったら続きは無いやんか~と凹んでたんですが
今回の舞台は演出の毛利さん曰く「幻士郎を生き返らせるのがミッションだった」そうです
この世ともあの世とも知れない世界から不思議な声!に導かれ現世に戻って来たはいいけど、幻士郎は幽霊に
そしてそこで出会った同じく幽霊の左十朗と左十朗を迎えに来た死神亞門の三人で、芝居小屋で左十朗を殺した犯人を捜すことに。
でも幽霊と死神では誰にも見えない聞こえない、困っているところに現れたインチキくさくてお金に汚い霊媒師と手を組むことに・・・
という感じで初めはかなりコメディ色が強いです。
出て来るキャラがみんな濃いそして上手い。
謎解きミステリーとしても面白くて、段々と登場人物の裏が見えてくるのが、なかなか凄いというか驚かされました
人間の色んな面を見せてくれるのが、さすがだなと思います。
二組の父子の話が軸になっていて、笑いも泣き所も、殺陣もふんだんにあって、熱量が凄かったです。
客席降りも客席登場もありませんでしたが、客席に話しかけたりリアクションしてくれる場面がいくつかあって楽しかったです。
生ならではですよね
そして、なんだろう、さすが東映、というか溢れ出るニチアサ感?
幻士郎だけに語り掛けてくる“声”が鳥海浩輔さんで。
鳥海さんの声の出演は発表されていて、W三日月~とテンション上がってたんですが、導入部分の語りとかかな~なんて思ってたら、
どっこいそんなもんじゃなかったです天下の鳥海さんをわざわざ使うのにそんな軽いわけないやろ~、でした
もうさすがです鳥海さんと拡樹くんの共演、たっぷり楽しませてもらいました。
最後に出て来る、その鳥海さんのラスボスの造形がまさにそれ、ニチアサっぽくてニヤニヤしてしまいましたよ
時代劇が地上波から消えて久しくて、今では大河ドラマくらいになってしまい、ちょっと残念に思ってました。
コロナもあって、太秦の映画村も無くなるのでは、なんて噂もあったりして
でも漫画やアニメ、ゲームの世界では、武将や剣豪が出て来るバトル物とかが随分前から沢山ありましたし、
2.5次元舞台でもめちゃくちゃ殺陣のある作品が多いので、絶対需要はあるはずなのになぁ、と思ってたんですよ。
大河ドラマは史実や時代考証にかなり忠実ですけど、昔の時代劇には結構突拍子もない設定とか、
史実から外れてる作品なんていくらでもありましたからね
東映と言えば時代劇、そして特撮ヒーロー物。どちらも東映の得意分野じゃないですか
そういう意味で、映画村があって、時代劇のノウハウの蓄積がある東映が、こういう作品に目を向けるのは当然の流れ、
いやちょっと遅かったくらいじゃないでしょうか?
原作のアニメやゲームがあるわけではなくオリジナルなので、コロナもあって集客が難しいところもあるとは思いますが、
定着していってほしいなと思います。
今年の冬には舞台の続きである映画「死神遣いの事件帖-月花奇譚」が上映されます。
今回の舞台で幻士郎の過去が描かれ、父親に対する葛藤を乗り越えて成長し、
そして生き返った幻士郎さんが映画でどんな顔を見せてくれるのか楽しみです。