先月はプチ観劇強化月間でした(久しぶりだわこの感じ)
そして予定していた公演を全て観劇出来ました
最後が劇団少年社中さんの「すいせいむし」でした。
近鉄アート館リベンジ成功~!前回はコロナで大阪公演中止になってしまったので
日曜日に大千秋楽でした。全公演完走おめでとうございます
ネタバレありますよ。
“すいせいむし”って何だろう?虫?
虫は嫌いだけど、ニャッキみたいなちょっととぼけた可愛い尺取虫を想像してしまいました
とか思ってたらどうやら“酔生夢死”だったようで
タイトルがひらがなになることで、堅苦しさが取れ、不思議で柔らかい感じになりますね。
都会の片隅の本屋が舞台。そこに世界を終わらせることのできる「すいせいむし」という本があるという。
人生に絶望した青年(桜井くん)が、世界を終わらせようとやってくるところから始まります。
でもその本を求めていたのは青年だけではなくて、
宇宙飛行士、シェフ、作家、勇者、IT企業家、ロボット、漂流者。
青年は個性的な彼ら彼女らと、トーナメント方式のディベートで争うことに。
「すいせいむし」は勝者の手に、でも負けたら本にされてしまう
彼ら彼女らの夢はそれぞれ違っていて、切実だけれど観てる側としては面白くて
それで勝者によって「すいせいむし」の内容が変わる、というのがスゴイ
人生の意味とか夢、人のために死ねるかとか、希望と絶望とか、取り上げられるテーマが難しいというか厳しい
ぐーたら生きてきた身としては、グサグサ刺さってきます
トロッコ問題も出て来て、スリラー作家がどちらも選べないから逃げる、と言ったかと思うと、
勇者は旅の連れの、カモメを犠牲にして彼の銅像を建てる、なんて言い出すし
他人のために死ねる、と言っていた勇者なのに?と驚きましたが、
勇者って戦う人、つまり武人だから犠牲の少ない方を選ぶのが最適解、って思考なのか?って思いました
青年は初戦であっさり敗退してしまいますが、敗者復活があり、助けてくれる人がいたりしてなんとか勝ち上がっていきます。
そして対戦相手やその場にいる人たちは、彼と何らかのかかわりがあったことがわかってくるんですよね。
毎度のことながら、役者さんってホント凄いなって思いました
カモメ役の納谷くんは身体能力に仰天させられました。刀ステの小夜ちゃんを観てたので知ってはいたんですが、
鯛ちゃんと張るのではないでしょうか
ロボット役の竹内さん、マジでロボット近未来の感じの。顔は見えないんですけどね~
羊飼いから宇宙飛行士になった松田さんと、青年との関係性にはキュンとさせられました。
トーナメントが進み、ディベートを重ねるうちにこれまでの自分や、本当にやりたかったことを思い出す青年。
そして優勝した青年が手にした「すいせいむし」に書かれていたこととは。
観てる側も出演者たちと一緒に、自分の人生を考える切っ掛けになったかな。
そして前を向ける終わり方でした。
決して説教臭くないのがさすがですそして優しい。
脚本・演出の毛利さんと社中の皆さんの温かさが伝わってくる舞台でした。
もう一回観たかったなぁ、見落としてるところが沢山あると思います
円盤になりますよね?社中さんは配信が無くても円盤は出してくれるので。
次の公演も大阪に来てくれると嬉しいです。その時円盤買いますから(脅しか?)