例年初夏になると、あちこちの植物園でササユリを見るのを楽しみにしています。
ササユリはユリの中でも一番気になるユリ。なぜかというと・・・
時をもどそう!(しつこい?笑)
もう何十年も前、よく滋賀県に自然観察に出かけていた時は、普通にササユリが山に咲いているのを見かけました。
その時はそんなもんと思って、「ああまた咲いてるな」という感じでした。
ところが、それからまた時がたち、琵琶湖博物館に出かけたとき、「ササユリを保護するための柵」の展示を見て衝撃をうけました。
なんと、シカの食害のため自生のササユリは絶滅の危機に瀕していたのです。
それを保護するための「柵」というわけです。
まあ、野生シカの問題は難しいのでここで論じる気は毛頭ありませんが、見られないとなると見たくなるのが人情。
特にあの淡いピンクのユリには特別な魅力があります。
そこでお世話になったのが植物園です。
近場では、六甲高山植物園、大阪市大理学部附属植物園、京都府立植物園で見ることができます。
ところが、今年は緊急事態宣言延長でいずれも行くことができなさそうです。
(その後、京都府立植物園は開園することが分かりましたが・・・)
そこで思いついたのがこちら。「わち山野草の森」
「京都 ササユリ」で検索したら一番に出てきて、思わずラッキー!
前置き長っ。というわけで、梅雨の中休み、勇んで山野草の森にでかけました。
今年はどの花も開花が早いから、きっと咲いているはず。
(他にも何か咲いていて、ネタが拾えるはずというのも本音・・・)
家からは高速で1時間ちょい。実にお手軽です。おまけに京都府内~
でどうだったでしょうか。
「おいでやす~」
きゃー♡
いきなり淡いピンクのササユリちゃんのお出迎え~
「あ、あの、アップで撮らせてもらっていいですか・・」
「どうぞどうぞ」
山野草の森にはいくつかのエリアでササユリが自然な感じで咲いていて、花を探すのも楽しみのひとつ。
このエリアは、白(かごく淡いピンク)の花が主流のようでした。
少し暗い林内に白い花がよく映えます。
ちなみに、葉がササににているから「笹百合」です。
別のエリアに咲いていたササユリ。こちらは少し濃いピンク色。
とっても可愛いです。
少しアップで。まだ若い花のようで雌蕊に花粉は付いていないようです
赤褐色の雄蕊が堂々としていますね。
ササユリは本州中部以西に分布する日本固有のユリで、古事記に「山由理草」とあるのはササユリだそうです。
ササユリは各地で減少しているらしく、保護活動が活発に行われいてるようですね。
このような植物園での保護もその一つです。
ところで、山野草の森にはもう一種類、少し小型のユリが咲いていました。
「オトメユリ」という名札があります。
ササユリに似ていますが、より小型で、「ヒメサユリ」の名前でよく知られています。
日本特産で、東北の山中のほんの一部にしか生息しない超貴重な種類だそうです。
当然レッドデータブックに載っているそうです。
自生地でみることは到底かなわないので、こちらで愛でましょう。
濃いピンクの株もありました。
自生は減っていますが、栽培は結構されているようです。
ということで、思いがけなくササユリ、ヒメサユリどちらも堪能。
ちなみに、場所によってはまだまだ蕾なので、6月中旬まで楽しめるそうです。
こちらは園内が自然に近く、ほとんど散策している人に出会わないので、NO密で楽しめます。
アップダウンが結構あるので、健康増進にも持ってこいです。
こちらを庭にしている方、お元気かな~
【撮影:2021/5下旬 わち山野草の森】