5月最後の週末、京都北部のとある山にお花をベニバナヤマシャクヤクを見に行ってきました。
ベニバナヤマシャクヤクはボタン科ボタン属。
よくご存じのヤマシャクヤクのピンクバージョンです。
白の方は環境省の準絶滅危惧種ですが、ピンクの方は園芸用に採取され今や危急種。
ここ京都でも絶滅寸前種に指定されています。
自生地では懸命な保護活動が行われており、南丹市美山で、4500本のベニバナヤマシャクヤクが育てられているのは有名。
・・・と書いたら、そこに行ったのかと思われるでしょうが、今回は別の場所。
京都府道1号線沿いに標識があり、そこから細い橋を渡って自生地に向かいます。
山の入り口に小さい駐車場があるので、そこに車を停め、渓流沿いの林道を進みます。
杉林の間に落葉樹が点在する比較的明るい森です。
山乃神様の祠があったので、まずは手を合わせました。
オオヤマヅミノカミとカタカナで書かれていました。
しばらく歩くと、ネットで保護された場所に到着です。
人というより、シカ除けでしょうか。
その隙間から見ると、まず蕾発見!
蕾でも可愛いです。
そして花も一輪。
去年わち山野草の森で一輪咲いているのを見たことがありましたが、自然の中で見るのは初めて。
嬉しいです。
あれ、これだけしかない?
と思い少し先に進むと、結構な本数咲いている場所がありました。
ネットも何もない場所です。
ヤマシャクヤクは種が発芽するまで2年、咲くまで3~4年以上かかるそうです。
そんな貴重な花をこうやって見られるなんて感動です。
育てるのは難しいでしょうから、どうか野山からお持ち帰りだけはしないでほしいです。
花のアップ。
雌蕊は5本、雄蕊は多数。
あれれ、虫が沢山いました。
上から見てみました。
四姉妹~
同じ場所にエビネもありました。花は終わりかけでしたが・・・
似たような環境で育つのでしょうね。
シャガも沢山ありましたが、全部花が終わっていました。
ベニバナヤマシャクヤクを堪能し、さらに先に進みます。
マツカゼソウの葉っぱが沢山みられました。
そこに止まっていたのはフタホシシロエダシャク?という蛾
渓流沿いの林道をさらに進みます。
クリンソウ(サクラソウ科サクラソウ属)が咲いていました!!
こちらは京都府の準絶滅危惧種です。
シカが食べないので、最近増えているそうです。
それを聞いてちょっと安心。
でも持ち帰ったらダメなのは同じ・・・
見回すと、他にも点々と咲いています。
下から輪状に付いた花が咲き上ります。
ほとんどの株で一番上の花が咲いており、もう終盤のようでした。
さらに進むと、さらに沢山咲いている場所がありました。
1、2、3・・数えてみると、九輪ではなく、最大で六輪でした。
九輪は、お寺の塔の上に乗っている「九輪」に似ていることから付けられたそうです。
興福寺の五重塔の九輪 →
花があざやかなピンク色なのでよく目立ちます。
この場所には、少し紫がかった花もありました。
並んで咲いているところ。
花の中を覗いてみました。雄蕊が見えていますね。
それにしても、ベニバナヤマシャクヤクとは違い、まさにショッキングピンク・・・
シカが食べないって、何が気に入らないのでしょうか。
ひょっとして毒がある??
ということで、クリンソウも堪能しました。
明日は、このほかに見た花や木々をご覧くださいませ。
【撮影:2022/5/28 森の京都】