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芸術のスペイン、オッサンの一人旅…バルセロナ その2(ホッとしました)

2017年07月12日 | 芸術大国スペイン、オッサン心のひとり旅
ホアン・ミロ



地下鉄の入り口あたりに黒人の行商(鞄売り…たぶん、違法業者)がいました。

紐で鞄の下に敷いたシートの四隅を紐で引っ張っています。
まるで、投網の紐を引っ張っているかのようですね。

実は、この紐を引っ張ると、すぐ鞄がシートに包まれて、違法露天商の取り締まりにあっても、すばやく逃げることができるんです。

あとで、見て知ったのですが、彼らは地下鉄の開札も荷物を抱えてヒラリと飛び越え違法乗車してました。
(スペインの地下鉄には殆ど駅員がいないので、注意する人もいません。)


(出口の柵を飛び越えて地下鉄に無賃乗車する4人組の黒人行商人)




今日の一番の目的地、ホアン・ミロ美術館へ地下鉄で向かいました。


美術館は、あのバルセロナ市西側にある小高い丘(モンジュイックの丘)の上にあります。

地下鉄はParal・lel駅で乗り換えて、直通の登山電車(フニクラ)になってます。





モンジュイックの丘といえば、あのバルセロナオリンピックのマラソン銀メダリストの有森裕子と森下広一がゴール近くで頑張った丘。

その丘の100mくらいある急坂の途中に美術館はあります。




モンジュイックの丘からの景色1



モンジュイックの丘からの景色2
(鍾乳石を逆さにしたような未完の石塔群、サグラダファミリア)




開館して、すぐの空いてる時間帯に入りました。
静かにゆっくり見たいからです。


立体風船のような作品


石に刻み込まれた絵画


巨大なタペストリー


黄色い宇宙って感じでしょうか?





なんだか、ホッとした気分でした。

ミロの絵画に救われた気分だったんです。

いままで、プラド美術館、サンタ・クルス美術館、カテドラル、等々で伝統的なスペイン・カトリック美術を見てきたのですが、・・・
なんだか暗くて、心がギュッと鎖りで拘束されたような苦しい世界のように思えたんです。

たしかに荘厳で迫力があり素晴らしい!とは思いつつも、自分の心には言い難い辛さがありました。

聖なる宗教画ですから、当然なのでしょうが、神や聖人の目玉が天を向いて、何とも言えない恍惚の表情
自分には「いっちゃった」ようにみえました…あくまでも、そう見えたというだけで、神を冒涜するつもりはありません。スミマセン
だったり、キリストがあまりにも無残で痛々しかったり、また昔の絵の具ですから、発色が悪くて暗かったり、でもうマイナスのオーラが出まくりです・・・
それらが俺にはイケマセン。

描く対象が神なのですから、人間らしく描かないのも当然なんでしょうね。
(ですが、同じ人間らしくない作品でも「ミケランジェロの最後の審判のような超肉体美のキリスト」には安堵感を感じますけど…?)

自分でも、その心の有様がよくわかりません。




ミロは、遊び心があり、そして人間の心のうちを微妙に描いた「俺的に安堵感満載」の作品ですね。
音楽で言ったら「エリック・サティ」の様に自由です。

ミロの絵+サティの音楽、はピッタリの組み合わせだと思っている)


(これを聞きながら、以下のミロの作品をどうぞ!)

いくらでも、見ていられます。
精神の開放感を感じます。



まるで、都会の高層ビル群の中にある、鬱蒼とした森のある公園に入ったような、そんな感じです。


アラビア書道のような作品


美術館の中は、プラドとは違い、いくらでも写真がとれました。
最近のデジカメはフラッシュは室内ぐらいは不要です。
スペイン・カトリック美術の時代とは異なり、画材も進歩していましたし、絵画も痛みにくくなっているんでしょう。



日本の書道のような作品ですね。
もしかすると、ミロは日本の書道を見たのではないだろうかと思いました。



中央の絵の具をぶっけた時の快感が想像できます。
これも、よく書道でやられる手法です。
いや、逆かな。
現代書家がミロやピカソの影響を受けたのか?


切り絵のような作品




紙に絵の具を垂らしたり(ドロッピング)、燃やしたりした作品
表現の自由が素晴らしい。
ジャクソン・ポロックに影響与えたような作品でしょうか?



ついでに、ミロじゃないけど、美術館の地下で特別展示があったんで見てきました。




鏡があったんで変顔してきました。
それだけ、心が解れたってことです。


ミロ、バンザイ!

(つづく)



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