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インド洋の涙スリランカ、オッサン心の旅(キャンディ・・・ブッダの歯)

2016年03月11日 | インド洋の涙スリランカ、オッサン心の旅
苦行林で修行するブッダ(仏教博物館にて)

軽く昼食を食べたのち、キャンディ湖と仏歯寺の見学にいった。

cf. キャンディ( Kandy)はシンハラ人のキャンディ王国(1469年~1815年)の最後の都であり、ユネスコ世界遺産である。現在でもスリランカ中部における中心的な都市だ。




キャンディのメインストリートである。
だが、コロンボに比べるとずっと田舎だ。
トゥクトゥクも俺からみると比較的しつこくないように思われ、ノンビリしている感じがした。


こんな田舎で、人々の往来は結構、激しい。
今日は日曜日なのだが、いったい何をしているんだろうか?


キャンディ湖だ。
この湖と仏歯寺(ブッダの犬歯が納められた寺、仏歯はシンハラ王国の王権の象徴でもあった。)を中心に町はできている。
物乞いは勿論だが、ポップコーン、アイスクリーム売りなどの屋台が仏歯寺の観光客を湖の周りで待っていた。
太陽の日差しは強烈だが、湖の冷たい水が風を誘い、涼しい。




仏歯寺への道


ココで靴を脱ぎ、奥のゲートでチェックを受ける。
スリランカでは神聖なる寺、遺跡では必ず靴を脱がなければならない。
(だから、スリランカを歩き回るときはサンダルが便利である。
俺も現地でRs.200でゴムサンダルを買った。)
俺はザックの中身を全部見せろと言われた。
スリランカで一番厳しいチェックであった。

その奥で入場料を払う。


世界遺産維持のため、外国人は高い料金設定になっている。
(左が仏歯寺 Rs.1000、右が仏歯寺の奥にある仏教博物館 Rs.500)
これは、当然だと思うから、気持ちよく払った。
(こういう場所では、不思議に「お前は日本人だろう。」とよく言われる。
日本人は皆、仏教徒だと思っているから、親しみを感じるようだ。
これは、なんとなく嬉しいのである。)


壁画のトンネルを潜り抜ける。
ここは、象が通り抜けるらしい。


立派である。
こちらは拝殿のようだ。


2階に上がってみた。
どうも此方の奥の金庫のようなところに仏歯が納められているようで、本殿というわけだ。

スリランカ人が座ってこの前で拝んでいたから多分そうだろう。

とにかく、厳重に保管されているのがわかる。

キャンディでは、年に一度大きなお祭りがあって、この仏歯を象が運んで市内を練り歩くらしい。
エサラ・ペラヘラ祭


では、ブッダの歯は実際に見られるのかというと、たまに公開される時があるらしい。
キャンディ仏歯寺 「仏歯公開」の壮絶な一日

歯は1本の大きな?真っ白な歯とのこと。

ところで、ネットで調べているうちに、このお寺の大事な大事な仏歯が1985年に日本の小豆島の寺に分骨されたらしい、ということがわかった。→小豆島大観音佛歯寺

ということは、ブッダの犬歯は2本以上(Max.4本しかないはず)あって、そのうちの貴重な1本が、はるか日本の小豆島の限られた一寺に贈られたということになる?
それとも、その歯を一部砕いたのか?
いや、それは絶対にないはず。

そもそも、そんなスリランカの国宝ともいえるものを簡単に国外流出し贈っちゃうのか???

でも、スリランカ仏歯寺姉妹結縁証明書というのがあるらしく、・・・だから、本当か?

証明書の英文を読むとハッキリと歯を贈ったとは書いてない?ように思えてしまうが・・・

よくわからない。

余計なことを考えてしまうのは俺の悪い癖である。
(小豆島大観音佛歯寺の信者の方、すみませんでした。)


どちらにしても、
一番大事なことは、仏歯ではなくブッダの教えなのだと思う。
だから、まあ、そんなことは、どうでもいいことなのだ。


拝殿の奥の部屋に、ブッダの歴史や像が飾られた部屋があった。
ブッダの周りに並んでいるのは舎利子を含めた釈迦十大弟子か?
でも数えてみたら11人だったような?

釈迦の弟子では「レレレのおじさん」こと、掃除で悟りを開いた仏陀の弟子の周利槃特(しゅりはんどく、チューダ・パンタカ)が結構好きである。



寺の背面である。
結構、立派だった。
こんなところを見ている人は誰もいない。


寺を抜け、その奥に仏教博物館があったので、見学してみた。
日本を含め、世界中の仏教が展示されている。

その、展示されているものの一部の写真を載せる。
仏像が沢山ならんでいるが、正直、釈迦なのか、菩薩なのか、シヴァなのか、よくわからない。



スリランカは小乗仏教(正しくは上座部仏教といい、保守的な正統派仏教である。)の国で、この国では珍しい大乗仏教でいうところの観自在菩薩らしい。これから俺が行くことになっているアヌラーダープラで発見されたもので、レプリカだと書いてあった。
(bodhisattva avalokiteshvara と書いてあったから調べてみたのだ。見た感じ、あきらかに男だが、艶めかしい。)

 
右側は明らかにヒンドゥー教の影響を受けていると思う。
インドで沢山、このような多面多手の像をみた。
日本でいうところの千手観音はヒンドゥー教の影響を受けて成立した観音菩薩の変化身(へんげしん)と考えられている。

 

 
左のオジサンは誰だろうか?
タイの国旗がある。
調べてみたら、タイのお土産の雑貨でタイ・ブッダ ソムレットというのがあって、次のようなものだ。
とても似ている。

これはブッダではなく、タイの高僧のようである。



この像はブッダだと思うが、背面に7匹の一角蛇がいる。
こんな蛇いるのかと思って調べたら、いろいろいるんだねぇ。

それが、これだ。

(写真はアトエクサより)

2本の角が生えた蛇もいると知った。

(写真はカラパイアより)

どちらも毒蛇である。


寺の本堂の脇に小さな堂があって象が祭られていた。
お祭りのときに仏歯を乗せてパレードした神聖なる象の様である。
左に仏歯を入れるガラスの容器があって、これを象の背に乗せた。



寺の出口は脇にあったが、そこには花屋さんが沢山出店している。
ブッダにお供えするための花である。
日本のお寺の門前と変わらない。


その後、市内をぶらついた。

そろそろ、食事をと思い、市内でも大きいと思われるレストランに入る。
写真は消えてしまったが、百人以上は入るであろうと思われる立派なレストランだ。

その片隅で、「とりあえずビール!」と英語で注文する。
だが、ビールは置いてないというのだ。
こんな大きなレストランでビールがないなんて!

「では、ワインはありませんか?」と聞くと、
アルコール類は一切置いてないのだという。

「でも、アルコールは入っていませんが、ジンジャービールというのがあって、とても美味しいですよ。」

というので、
「じゃぁ、それを飲んでみます。」
といったのだった。

食事は、メニューをみても写真がないので、よくわからなかったから、
エイッ、ヤッ
で指さしたものにしてみたのだった。

それが、これである。


ジンジャービールは要するにジンジャーエードみたいなものだ。
結構うまくて、こののち食事のときはよく注文した。

問題は黄色っぽいライスである。
とても細長いライスを、お店なりの味付けをして少なめの油で炒めたフライドライス(スリランカ風チャーハン)である。

これが、俺のスリランカライス生活の始まりだった。
ここから、ハマってしまったと言っていい。
絶妙な旨さなのだ。
本当に旨い!

だから、この後、スリランカライスばかり食べたのである。
スリランカなのに、カレーはあまり食べなかったのだ。



お客は、欧米人とスリランカ人ばかりだが、珍しく日本の若い男の子の集団がやってきた。
8人ぐらいかと思う。

彼らは、注文した後、トランプを始めたようだった。
どうもババ抜きらしい。
だが、集団だと自分たちだけの世界になってしまうようで、大変騒がしかった。
静かに皆食事をしているから、とても目立ってしまう。

周りの人の冷たい視線も、仲間の誰一人として気づかなかったようで、俺は恥ずかしかった。
「中国人は騒がしい」とスリランカ人でも思っているのだが、あれでは日本人も同様だった。
静かな店では、静かに食べてほしかった。
(周りの雰囲気を楽しんでほしかった。)

俺は、食事の後に、ラッシーとスリランカのケーキでも食べてみようかと思っていたが、とても居たたまれずにすぐ店を後にした。


ホテルまでの帰り道、自分が若い時もあんな感じだったのかな?、などと反省しながら歩いた。

町のシンボルである時計台と、とても大きな木が
「早くおやすみなさい」
と俺に語り掛けているようだった。

明日は、路線バスで象の孤児院のあるピンナワラへ日帰りピストンの旅に行くつもりである。

(つづく)


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