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インド洋の涙スリランカ、オッサン心の旅(ダンブッラ洞窟寺院、その1…聖水)

2016年03月19日 | インド洋の涙スリランカ、オッサン心の旅
(ド田舎でも、へんぴな道端でも、ココナッツだけは売られている。)

ダンブッラの黄金寺院(洞窟寺院)入り口でトゥクトゥクをおりた。
そこから、宿まで5分のはずなのだが、なかなか見つからなかった。
そのへんのオバチャンに聞きながら歩いた。

途中、小さな公園をすり抜けたが、猿だらけでちょっと怖かった。
木々にも、草叢にも沢山のサルがいて、猿の聖地に侵入した俺を皆、何物だっ!、とみているからだ。


宿は、大きな看板が出ておらず、森の中の個人の家のように見えた。

中に入ると、下のテラスで宿の家族が楽しそうに話をしていた。

実は、この宿は、今回の旅で一番安い。
$18(朝食付き)である。
だから、普通の家の感覚の宿である。
エアコンはない。
(エアコンだと体調が悪くなるので、なるべく天井の扇風機を利用していた。
 だから、エアコンなしの部屋でまったく構わない。)

着いて早々、夕飯をお願いしたのだが、急なので用意できないという。

ここは日本じゃないから、そりゃ、そうかもしれない。
寺院のあたりのレストランを利用してくれ、ということであった。


娘さん、奥さん、御主人、みな優しく接してくれる。
英語が下手な俺の会話にも我慢づよくニコニコ対応してくれた。
話しているだけで嬉しくなった。
見知らぬ土地に来て、暖かく迎えてくれるのは砂漠の中のオアシスのようである。


御主人と俺

俺の部屋は、その1階のテラス脇の部屋である。

早速、冷たいシャワーを浴びた。
暖かいお湯なんて全く不要である。
本当に気持ち良かった。

すべて着替えてサッパリしたところで、洞窟寺院(黄金寺院)に向かった。
時刻は13時くらいだったかと思う。

ダンブッラの黄金寺院(ウィキペディアより)
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ダンブッラの黄金寺院とは、1991年にUNESCOの世界遺産に登録された石窟寺院である。コロンボの148キロメートル東方、キャンディの72キロメートル北方のダンブッラに位置する。スリランカにおいて、最も保存状態がよい石窟寺院として知られている。黄金寺院の周辺には、確認されているだけで80以上の洞窟がある。

黄金寺院において重要な寺院は5つであり、そのそれぞれに聖像や絵画がある。これらの聖像や絵画は、釈迦とその生涯に関連したものである。153の釈迦像、3つのスリランカ王の像、4つのヒンドゥー教の神像が祀られている。壁画の面積は2,100平方メートルに達し、絵画には、釈迦が最初に説教を行ったマーラへの説教も含まれている。
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洞窟寺院はガイドブックによるとRs.1500の入場料が必要なのであった。

だから、当然、チケットを買うつもりでいた。
だが、ガイドブックで説明しているチケット売り場がないのだ。
守衛に聞いたが、訛りがひどくて全く英語がわからない。

英語がうまそうな観光客らしき紳士に聞いてみた。
そうしたら、なんと無料だという。

世界遺産なのに無料?
そんなバカな。

無料といわれても、洞窟寺院に行くのは躊躇われた。
何故なら、ここから、洞窟寺院までは階段の連続であり、上にあがったは良いが、入れずにチケットを買いに再び下まで降りるのは勘弁だからである。
このクソ暑く照りつける日差しの中、長い階段を登るのは、まさに苦行なのだ。



念のため、今度はスリランカのチャラ男風の若者に聞いてみた。
それでも、やっぱり、無料だというのだ。

おい、おい、最新版の「地球の歩き方」も誤りがあるのかよ?
汗がダラダラながれ、歩く以外の別の動きはしたくないのだが、面倒だと思いつつザックをおろし、ガイドブックを取り出し、ジイッと目を見開いて再確認してみた。
俺の見間違いかもしれないと思ったからである。

たしかに、その本のP.302には遺跡入場券Rs.1500と堂々と書いてあるのだ。

もう考えるのは面倒になった。



ただ、目の前の霊山に向かって登ればいいのだ。
無念無想の境地である。



シギリヤで足はダメージを受けていたが、さらに追い打ちをかける登りの厳しさであった。
ひたすら、長い、長い登りである。



そして、寺の入り口では実際に無料なのであった。

さらには、下足番でもお金は不要なのである。
また、ガイドが待機していると本に書いてあったので、覚悟していたが皆無であった。

俺には、なんだかありがたい、気持ち良い世界遺産なのであった。

入り口では当然、脱帽、脱靴である。
ただし、猛暑のため下の石が熱い。
俺は、そのための厚い靴下を用意していたからよかったが、なければ火傷しそうだ。


各、洞窟寺院は隣接していてオーバーハングした岩の中に刻み込まれている。

第1窟(Dava Raja Vihara)…神々の王の寺

この寺院最大14mの涅槃仏が横たわっている。
洞窟はかなり狭いのだが、仏がデーンとしていた。

大きすぎて画面に入らず。





スリランカの釈迦の足の裏は何故か赤い。

これには理由があるのだ。
足裏が赤いのは、釈迦が赤土のスリランカに来たことを表すらしい。
たしかに、スリランカの土は赤土である。

それと、偏平足だ。

これも、調べると理由があった。

仏像(仏)には32の人間離れした特徴があって、偏平足はその一つらしい。…仏像ガイドより

足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう、そっかあんぺいりつそう)といい、「足の裏が凹凸がなく平らで、地面を歩くとき足裏と地面とが密着する。→(意味) 慈悲の平等」ということらしい。

ということは、偏平足の人は自慢できる。

君は仏に近いのだ!



この同じ窟内にヒンドゥー教のビシュヌ神が祭られている。
神仏習合寺院なのだ。


ビシュヌ神

俺の前にいた外人さんがビシュヌ神を見学してきたので、俺も見学を、と思ったら、そこには坊さんがいて、
「コレコレ、そこの人、こちらへお出でなさい。」
というので、坊さんのところへいくと、おもむろに俺の手をグっと取り、祈り始めたのだった。

なんだか、訳の分からない祈祷をする。
さらには、俺の手首に白い糸を束ねたものを俺の手首に巻くのだった。

これは、ヒンドゥー教の幸運のお守りである。

結局、お布施をしなければならないはめになった。
なんとなく、Rs.100のお布施をした。
ここだけ、インド風なのである。

坊さんの前にはRs.100札の山ができていた。
(まあ、払わなくてもいいのだが、坊さんの顔をみると払っちゃうよね。)

よくよく見ると、外人観光客は皆、白い糸を巻いていたのだ。
「おまえもかぁ~!」
そう思うと笑えてきたのだった。


なお、ここでウンチク「薀蓄」を一つ傾ける。

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ヒンドゥー教のビシュヌ神は、俺が56年前に憧れた「七色仮面」のように10の姿に変身するのだ。
その変身の一つがブッダということになっている。


(よくみると、七色仮面もインドの神っぽいかな。)

仮面ライダーもそうだが、変身ヒーローは古代の昔からあるのだよ、諸君!



(笑)
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第2窟(Maha Raja Vihara)…偉大な王の寺
最も大きな洞窟寺院である。







この洞窟の天井画は凄い。
細かく、仏の表情がみな違っていてビックリするぐらいよく書かれている。
 

 

この金網の中の壺には天井から落ちた水が溜まっていて、聖水だそうだ。


聖水で思い浮かべるのは「インディ・ジョーンズの最後の聖戦」だ。
あの聖水は飲むと不老不死になる。


ここの聖水は「水だけで何日も過ごせる」という水らしい。
だが、金網で飲むことはできなかった。

なお、 ダンブッラとは「水の湧き出る岩」の意でこの地の由来となっているのだ。


第3窟(Maha Alut Vihara)…偉大な新しい寺
18世紀後半の王、キルティ・スリ・ラージャーハーによって造られたというから、最近のものだ。


これ、皆、釈迦だろうか?
それとも弟子達?
わけがわからなくなった。




左のオジサンは多分、王様だと思う。


ちょっと目が怖いブッダ。
周りの飾りがド派手だ。


目がパッチリでちょっとビックリの釈迦の涅槃像である。
いや、この釈迦はどうみても元気そうだ。
涅槃姿ではなく、昼寝していた釈迦かもしれない。

もう、この辺でブッダ、ブッダの連続により、何をみても同じに見えてしまっていた。
ここまで、何体のブッダがあったのか?
もう、なにがなんだか…、疲れがたまった。


こんなに仏像はあるけれど、生前、ブッダ自身は拝まれる対象となることは望んでいなかったはずだ。
以前、NHKだったか?、TVで釈迦についての解説があり、俺はそう記憶している。

その時の記憶では以下のとおりである。
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ブッダが入滅して暫くは、ブッダの像はなく、遺骨を納めた仏塔(墓)があるだけだった。
釈迦が偶像を否定したからだ。
菩提樹(ゴータマ・ブッダの菩提樹)や足跡などが代わりをしていたようである。

だが、500年経ってから、仏教の地ガンダーラはイランあたりの凶暴な騎馬民族の侵入にみまわれた。
そのとき、人々は、恐怖の中から、実際に見える釈迦像に安堵を見出したのである。
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というようなことをボーっと考えながら、あとまだ2窟残っているんだなぁ、
フ~ッ
と大きく熱い息を吐いた。

外に出て、蓮池を眺めながら水を飲んだ。



頭の芯まで、水が染み渡る感じで、徐々にスーッと冴えてきたのだった。

今の俺には、これが聖水なのだった。

(つづく)



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