1920年代のNY、ポーランド移民女性の苦難を描くジェームズ・グレイ監督作。黙して憂うマリオン・コティヤールの薄幸さがハマったメロドラマは古典的過ぎるが、グレイのその頑なまでのオールドスタイルが映画に得難い渋味と輝きをもたらしている。純真なヒロインをラース・フォン・トリアー映画のような愚鈍さに貶めないコティヤールの知性が映画を支え、彼女に入れ込むポン引き役でグレイの盟友ホアキン・フェニックスが熱演。俗物かと思いきや、映画の最後で愚鈍な男の悲恋を浮かび上がらせる。その不器用さ、頑なこそ我が道を貫くジェームズ・グレイそのものではないか。
『エヴァの告白』13・米、仏
監督 ジェームズ・グレイ
出演 マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナー
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