昨日書いた記事の反響が大きくてびっくりしています。
来訪者が一気に1700人を超え、閲覧数も2000PV近くまでいったのですから。当弱小ブログには非常に珍しいことです。
それだけ関心があるということでしょう。
昨日はこの本の著者に言及しなかったので、今日はそれを書いておきたいと思います。
著者である齋藤彩氏は弱冠27歳でこの本を上梓しました。
すごい才能だと思います。
それだけではなく、彼女の熱意を隅々まで感じました。
何としてもこれを世に出すのだ、という使命感のようなものを随処で感じました。
齋藤氏がこの本を書くと決めてから2年の間に、高崎あかり氏との間に30通を超える書簡のやり取りがあったことが「謝辞」に書いてあります。
彼女は2年という時間をかけて、入念にこの本を書きあげたのです。
その功績は非常に大きく、世の女性たち、女性のみならず家族問題に苦しんでいる多くの人たちに救いの手をさしのべることになるのは間違いないと思います。
ともすれば、こうした猟奇的な殺人事件の話は、一過性の興味本位の話題として人々の関心を呼びますが、やがて過ぎ去り忘れられていきます。
でも、決して忘れてはいけない、これは一人高崎あかりだけの問題ではなく、私たち自身の問題でもあるのだ、という強い思いがこの本にはこめられていると感じました。
齋藤彩氏は共同通信の記者でしたが、この本を書くにあたって会社を辞めています。
興味深いのが、彼女の経歴です。
北海道大学理学部地球惑星科学科卒
北海道大学のサイトにはこんな説明が載っていました。
「地球惑星科学部門は、3つの研究分野から成ります。地球惑星ダイナミクス分野では、地球深部の構造やダイナミクス、地震や火山活動、地殻変動、表層および地下水、そして大気海洋循環について、地球物理学的な手法を通じて研究し、地球惑星システム科学分野では、火山や化石、岩石・鉱物学、隕石の同位体、地球の生物圏—地圏の進化、プレートテクトニクスなどの研究を行います。また宇宙惑星科学分野では、地球や惑星大気のダイナミクスや、太陽系や惑星の進化について研究します。このように地球惑星科学部門における研究領域は、分子レベルから太陽系の規模にまで渡る広範な空間スケールを、また、ミリ秒から数10億年にまで渡る時間スケールを対象としています。」
彼女の専攻がこのうちのどれだったのかはわかりませんが、とにかく地球及び宇宙規模のダイナミックな学問を学んできた人が、猟奇殺人事件の犯人の実像に迫るノンフィクションを書いた、というだけでも非常に興味深いことです。
一度お会いしてみたい(まあ無理だけど)。
齋藤氏はまだとても若く、今後も著述家として活躍されることと思います。
これからも応援したいと思っていますし、あまり気負わずにご自身の追及したいテーマを追いかけてほしいと思っています。あえて私が言うまでもないことですが。
今後も注目の若手作家です。