発熱してから一週間が経過しましたが、あいかわらず微熱が続いています。
夏風邪はしつこいので、まだしばらくかかるかもしれない。
でも、いずれは治るので辛抱強く待つしかないでしょう。こう暑いと外に出るのも恐ろしくてね。
集中力も途切れがちで、映画も3回くらいに分けて見ています。昨日見終えたのは、
「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」(滝田洋二郎監督 2017年)
なかなか重厚な映画で面白かった。
二宮和也、綾野剛、西島秀俊、宮崎あおい・・という豪華な顔ぶれです。
二宮和也扮するところの佐々木充は「麒麟の舌」を持つ男と称されています。
一度食べたものの味を決して忘れることなく、再現できる稀有な料理人です。
音楽でいう絶対音感のような味覚を持つ男。
その彼が、天職である料理人に見切りをつけようとしているところから、物語は始まります。
相棒の健(綾野剛・・孤児院で一緒に育った仲間)は何とか彼を引き留めようとしますが充は聞き入れません。
その時、中国料理界の重鎮、楊晴明からとんでもない依頼が飛び込んできます。
1930年代、日本が満州国を支配していた時代に、同じく「麒麟の舌」を持つ男と称された料理人山形直太朗(西島秀俊)と楊晴明たち料理人仲間が勅命を受けて考案したレシピ「大日本帝国食菜全席」、しかし、戦時下に失われてしまったこの幻のレシピを探し出し、再現してほしいというのです。
そして、話は1930年代の満州国へ。
「麒麟の舌」を持つ男、山形直太朗(西島秀俊)とその料理人たちの物語へと場面は移っていきます。
現代の佐々木充のいる世界と、満州国時代の山形直太朗一家の物語がリンクしていき、
最後は、思いがけない結末へと導かれていく。
山形直太朗は当時、軍部が掲げた満州国の理想「五族協和」を信じていた。
日本、中国、ロシアの各民族が融和して平和な社会を作り上げるという理念なのですが、
日本の軍部はそんな山形の理想を軽くあしらい踏みにじり、仲間である料理人への裏切りを強要するのでした。
料理という軸を中心に、当時の戦時下の人々の想いを交差させ、
民族融和とは一体何だったのか、単なる絵に描いた餅にすぎなかったのか、と問いかけます。
山形直太朗たちは「大日本帝国食菜全席」に情熱を傾け、百種類を超えるレシピを考案するのですが、そのレシピ考案にかける彼の情熱がこれでもかと描かれます。
私自身は美味しいものはもちろん好きだけど、ここまで食にこだわる気持ちがよくわからないので、
人にはそれぞれ得手不得手があるのだなあ、
食が好きな人にはたまらない物語だろうなあ、
と勝手に想像しながら見ていましたが、物語自体は非常に面白かった。
重厚長大な物語で、当時の満州国の様子も細かく描かれています。
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さて、
風邪っぴきで公園にも一週間行ってません。
この酷暑の中、池のカイツブリたちは元気でいるだろうか?
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