週末になると、近所の公園にはバードウォッチングをする人たちがやって来ます。
大きな望遠レンズ付きカメラを持った常連の男性二人が話していたので、私も仲間に入れてもらいました。
彼らの話では、ここら辺のカワセミはけっこう人に慣れていて、どうも人間をバカにしてるところがあるのだとか。
人間のすぐそばまで来てフェンスに止まってピュッと糞をしたり、
水上でホバリングをしながら、今がシャッターチャンスだぜ、と言わんばかりにカメラを向けた人の方を見ていたり、
「ぼくを見て、見て」と目の前を飛び去ったり・・
そういうパフォーマンスをするカワセミは他の場所にはいない、というのです。
また、去年生まれたカワセミの家族の中で長女、長男、次男、三男・・とそれぞれ名付けたカワセミたちの動向もつぶさに話してくれました。この近辺のテリトリーや家族関係についても実に詳しい。
というのも、大きな望遠レンズ付きカメラで撮っていると、個体差も識別できるし、年ごとの家族の変遷などもわかるというのですね。
また、嘴の下が赤いのはメスだけど、実は嘴自体に色はなくて光を当てることで口の中の色が反射して赤く見えるのだとか・・
へえ、そんなことまでわかるのか・・
望遠レンズつきカメラ、欲しいなあ・・と思った。
また、カワセミの巣は崖のようなところに穴を掘って作るのですが、出入り口が二つあったりして、こっちからもぐりこんで向こうの穴から顔を出す、なんてこともあるそうです。モグラみたい。
カワセミの寿命は1年ちょっと、と短く、そんな短い命のなかで縄張り争いをしたり、つがいになったりとけっこう忙しい毎日を送っているようです。
ちなみに、つがいを決めるのはオスではなくメスだそうです。
メスが主導権を持っている、
というのは、実は人間の世界でも(本当のところは)そうなんじゃないか・・
オスは生まれた子どもたちに餌を運ぶ係り。でも、卵を産んだあとメスの姿が見えなくなる・・
ということはメスの寿命はオスより短いのかもしれない。
この世に子孫を残して、あとはオスにまかせて去っていく、というのがカワセミの人生(鳥生)なのかもしれない。
雛も6羽くらい生まれても、残るのはせいぜい2羽程度。
カラスに襲われたり、アクシデントに見舞われたりと、野生の生き物はそう簡単には繁殖できないようです。
こんな小さな池の中でもいろんなドラマがあるのですね。
この池は、彼らにとっては貴重な餌場であり、繁殖の場でもあるわけで、
人間はできるだけ邪魔をしないようにお手伝いする、そして、そっと観察させてもらう、
そんなところがせいぜいなのでしょう。
今年の初めには池の水がかなり低下したり、公園管理の人たちが時々池の底を浚ったりしています。
小さな池だけど、できるだけ鳥たちにいい環境を残してあげたいものです。
そんなことを、池の端で思いました。
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