透水の 『俳句ワールド』

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石田波郷・「波郷句自解」(四)(五)       高橋透水

2014年07月22日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
スケートの渦のゆるめり楽やすめり   波郷

昭和九年芝浦スケートリンクに木元将康と出かけた八句の連作中の作。ワルツが一曲了るとスケートの人渦がゆるぶやうに思はれた。何でもないといへば何でもないが、これで随分苦労したし、その苦労が亦愉しくてならなかった。

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雪降れり月食の汽車山に入り    波郷

スキーの全盛時代、作者も亦之に熱狂し蔵書を売つてまで出かけた。上野十
一時五十五分のスキー列車に乗ると翌未明越後湯沢、石打等に着いた。「月
食は駅の時計に違はざる」
  

「波郷句自解―無用のことながら―」(有)梁塵社 より

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