ドラマや映画では「××待ち」というのがある。雨が止むのを待ったり、近くで工事をしていたら、「本番中だけ、作業を止めて頂けませんか」と「音」が止まるのを待ったり、いろいろある。
だいぶ前の事だが、琵琶湖でロケをした。大阪のホテルに泊まっている女優さんも午後に出演シーンがある。
「後から、電車で来られますか。駅まで迎えに行きますから」と訊いたら、ロケバスに乗って行く方が楽だから、朝一番の出発のロケ隊と一緒に大阪を出た。早朝である。
彼女の撮影は、確か午後1時過ぎからだったと思う。この日の琵琶湖は雨が降ったり、時代もののドラマなのに沖でウインド・サーフィンをしている人がいて、移動して貰ったり、スケジュールが「押していた(元々のスケジュールより遅れる事)」。
監督も粘って撮影していたので、当時アシスタント・プロデューサーの僕は、女優さんの待機している「海の家」の小部屋で、彼女の話し相手になっていた。
彼女が「日劇ミュージックホール」に出演していた戦後の話から始まって、黒澤明監督の作品の時の話。7時間くらい、人の人生を聞いてしまった。結局、彼女の出番は4時間遅れの午後5時。もう日が沈みかかっていた。
お聞きした話はとても面白く、やはり長い間、映画をやってこられているので、愚痴一つこぼさない。忘れられない一日だった。
年配の俳優さんで、映画の長い人は、一つのシーンが終わっても、控室に帰らない。イスに座って、撮影の準備ができるのをじっと待っている。
テレビ中心にやってこられた俳優さんはすぐ控室に帰る。
映画の撮影所では、スタジオと控室の距離が遠いというのもある。
それ以上に、多分、映画関係者の「ものを作る熱」が出演者にも伝わっていたのだろう。昔はクーラーもヒーターも無い。物凄く暑かったり、凍えるほど寒かったりする。それはスタジオの中でも一緒。そこで、黙々と一つの作品の為に頑張っているスタッフを見ていると、「自分もいつでも準備が出来たら、テストや本番にいける気持ち」を保っておきたかったに違いない。
テレビ局のスタジオは「適温」に保たれているし、控室はすぐそば。テレビもあるし、ソファーや畳の上で休む事もできる。飲み物の自販機もある。
その辺りが「撮影所」と「テレビ局」の違いなのかも。時代も違っているのだけれど・・・。
だいぶ前の事だが、琵琶湖でロケをした。大阪のホテルに泊まっている女優さんも午後に出演シーンがある。
「後から、電車で来られますか。駅まで迎えに行きますから」と訊いたら、ロケバスに乗って行く方が楽だから、朝一番の出発のロケ隊と一緒に大阪を出た。早朝である。
彼女の撮影は、確か午後1時過ぎからだったと思う。この日の琵琶湖は雨が降ったり、時代もののドラマなのに沖でウインド・サーフィンをしている人がいて、移動して貰ったり、スケジュールが「押していた(元々のスケジュールより遅れる事)」。
監督も粘って撮影していたので、当時アシスタント・プロデューサーの僕は、女優さんの待機している「海の家」の小部屋で、彼女の話し相手になっていた。
彼女が「日劇ミュージックホール」に出演していた戦後の話から始まって、黒澤明監督の作品の時の話。7時間くらい、人の人生を聞いてしまった。結局、彼女の出番は4時間遅れの午後5時。もう日が沈みかかっていた。
お聞きした話はとても面白く、やはり長い間、映画をやってこられているので、愚痴一つこぼさない。忘れられない一日だった。
年配の俳優さんで、映画の長い人は、一つのシーンが終わっても、控室に帰らない。イスに座って、撮影の準備ができるのをじっと待っている。
テレビ中心にやってこられた俳優さんはすぐ控室に帰る。
映画の撮影所では、スタジオと控室の距離が遠いというのもある。
それ以上に、多分、映画関係者の「ものを作る熱」が出演者にも伝わっていたのだろう。昔はクーラーもヒーターも無い。物凄く暑かったり、凍えるほど寒かったりする。それはスタジオの中でも一緒。そこで、黙々と一つの作品の為に頑張っているスタッフを見ていると、「自分もいつでも準備が出来たら、テストや本番にいける気持ち」を保っておきたかったに違いない。
テレビ局のスタジオは「適温」に保たれているし、控室はすぐそば。テレビもあるし、ソファーや畳の上で休む事もできる。飲み物の自販機もある。
その辺りが「撮影所」と「テレビ局」の違いなのかも。時代も違っているのだけれど・・・。