上映時間、3時間22分(インターミッション・・・休憩10分を含む)。新宿の映画館は平日にも関わらず、満員だった。僕が原作を読んだのは単行本が出た時。映像で観たいとは思ったが、民放で「御巣鷹山」は描けない。JALは大きなスポンサーだった。しかし、角川映画がついに映画化。JALからの強い圧力があったと風の噂で聞いた。
いつもは、映画館が暗くなると、仕事の疲れで寝てしまう事の多い僕が全く寝なかった。強い映像、演技・・・スクリーンに映し出されたもの、音響・・・それらは僕の心を鷲掴みにして離さなかった。
原作者の山崎豊子さんの映画化の条件として、前編・後編の2本にせず、必ず1本の映画にして欲しいという事があったと聞いた。
映画は「御巣鷹山」のシーンから始まる。そして、1962年、組合の委員長として、会社経営陣と闘う恩地(渡辺謙)、副委員長・行天(三浦友和)、組合員で恩地の左遷後、委員長になる八木(香川照之)に戻る。
共同テレビの若松監督は、この大作をちゃんと「人間ドラマ」として描いた。映画を観ているうちに涙が溢れ、スクリーンに「インターミッション(休憩)10分」と出て、駆け出す様にしてトイレに小便に行く。そして、何の音も無く、館内は暗くなり、後半部分に入っていった。脚本・演出・役者・・・すべてがいい。何かを伝えたい強い意思が僕にぶつかって来る。
本当にこんな大作で素晴らしい日本映画を観た。「砂の器」や「八甲田山」「新幹線大爆破」以来だと思う。
この映画は観て欲しい。渡辺謙さんが舞台挨拶で号泣したとニュースで聞いていたが、それも分かる気がした。
かつて、ドラマで一緒に仕事をしたキャストやスタッフも参加していた。恩田の妻を演じた鈴木京香さん、大杉漣さん、小島聖さん、スタッフではこれだけの役者をキャスティングした山口正志さん・・・この映画に参加して苦しい事もあったかもしれないけれど、羨ましい。
JAL123便が御巣鷹山に落ちた日、大阪は晴れだった。夕陽を見ながら、大阪・天神橋商店街の飲み屋のテレビで「日航機、レーダーから消滅」というニュース速報をボーっと見ていた記憶がある。入社三年目の1985年8月12日の事である。
JR西日本が報告書を会社が有利になる様に改竄しようとした事が発覚したのは先週の事だったか。大企業の体質は変わらないのだろうか?そんな事まで考えてしまった。
「秘密のケンミンSHOW」にも、ゲストで何度も出て頂いた山田辰夫さんの遺作がこの映画になった。以前に比べて痩せられたとはおもっていたのだが。山田さんのご冥福とJAL123便で命を落とされた方々のご冥福をお祈りすると共に、遺族の方の深い悲しみに言葉も無い。忘れられてはならない事故の映画化をここまで掘り下げて実現したキャスト・スタッフの方々、お疲れ様でした。
◆映画『沈まぬ太陽』劇中曲収録!










内容(「Oricon」データベースより)
モスクワ国際映画祭審査員特別賞、ゴールデンアロー賞作品賞などを受賞した松本清張原作のサスペンス作品。迷官入りといわれる殺人事件を捜査する二人の刑事の熱い闘いと、重い過去を背負う殺人犯の宿命を描く。出演は丹波哲郎、加藤剛、森田健作ほか。デジタルリマスター版。
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日露戦争前夜、徳島大尉(高倉健)率いる弘前第三十一連隊と神田大尉(北大路欣也)率いる青森第五連隊は、八甲田山を雪中行軍することに。少数編成で自然に逆らわず行軍する三十一連隊。一方、大編成で真っ向から八甲田に挑んだ五連隊は、目的地を見失い吹雪の中を彷徨し、遭難する。
新田次郎の『八甲田山死の彷徨』を、黒澤明の愛弟子で東宝青春映画の旗手として知られた森谷司郎監督が完全映画化。出演者の中に脱走者が出たとも伝えられる極寒の八甲田で長期撮影を敢行し、正に本物の雪の恐怖が観る者に襲いかかる。また、傲慢な上司(三國連太郎が熱演)の采配ミスで部下が四苦八苦する五連隊の構図は、現代サラリーマン社会とも共通するものがあり、当時「洋高邦低」と呼ばれて久しかった日本映画界で未曾有の大ヒットを記録。日本映画の底力を見せつけるとともに、森谷監督は以後超大作監督として大いに名を馳せることになった。(的田也寸志)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『日本沈没』の森谷司郎監督、『七人の侍』の橋本忍脚本により、人間と自然の相克を壮大なスケールで描いた日本映画屈指の名作。日露戦争を目前にした明治34年、寒地装備、寒地教育の不足を痛感した日本陸軍は、厳冬期の八甲田にて雪中訓練を行うが…。
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東京発博多行き新幹線ひかり号に爆弾が仕掛けられた。この爆弾、新幹線の速度が時速キロ以下になると自動的に爆発する仕掛けになっているため、車を止めることも出来ない……。
佐藤純彌監督の最高傑作との誉れも高いパニック映画の大傑作、その海外公開版。オリジナル版は152分だが、ここではフランス版102分、アメリカ版118分の2ヴァージョンを収録。どちらも犯人(高倉健、他)グループの犯行動機など回想シーンを思い切りカットし、現在進行形でドラマを進める再構成であり、それは西洋の観客の嗜好に合っていたようだ。特にフランスでは驚異的大ヒットを記録。後の『スピード』にも本作の影響は間違いなくうかがわれよう。ただし、社会に虐げられた主人公たちの過去にこそこだわった佐藤監督は、この再編集に直接タッチしておらず、やはり「まずはオリジナル版を観てほしい」と語っている。(増當竜也)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
新幹線に爆弾を仕掛けた犯人と警察、国鉄の息づまる駆け引きをテンポ良く見せる一級サスペンス。ひかり109号に爆弾がセットされた。その爆弾は時速80キロ以下になると自動的に爆発する。犯人は500万ドルを要求し警察は取引に応じるが逮捕に失敗…。
いつもは、映画館が暗くなると、仕事の疲れで寝てしまう事の多い僕が全く寝なかった。強い映像、演技・・・スクリーンに映し出されたもの、音響・・・それらは僕の心を鷲掴みにして離さなかった。
原作者の山崎豊子さんの映画化の条件として、前編・後編の2本にせず、必ず1本の映画にして欲しいという事があったと聞いた。
映画は「御巣鷹山」のシーンから始まる。そして、1962年、組合の委員長として、会社経営陣と闘う恩地(渡辺謙)、副委員長・行天(三浦友和)、組合員で恩地の左遷後、委員長になる八木(香川照之)に戻る。
共同テレビの若松監督は、この大作をちゃんと「人間ドラマ」として描いた。映画を観ているうちに涙が溢れ、スクリーンに「インターミッション(休憩)10分」と出て、駆け出す様にしてトイレに小便に行く。そして、何の音も無く、館内は暗くなり、後半部分に入っていった。脚本・演出・役者・・・すべてがいい。何かを伝えたい強い意思が僕にぶつかって来る。
本当にこんな大作で素晴らしい日本映画を観た。「砂の器」や「八甲田山」「新幹線大爆破」以来だと思う。
この映画は観て欲しい。渡辺謙さんが舞台挨拶で号泣したとニュースで聞いていたが、それも分かる気がした。
かつて、ドラマで一緒に仕事をしたキャストやスタッフも参加していた。恩田の妻を演じた鈴木京香さん、大杉漣さん、小島聖さん、スタッフではこれだけの役者をキャスティングした山口正志さん・・・この映画に参加して苦しい事もあったかもしれないけれど、羨ましい。
JAL123便が御巣鷹山に落ちた日、大阪は晴れだった。夕陽を見ながら、大阪・天神橋商店街の飲み屋のテレビで「日航機、レーダーから消滅」というニュース速報をボーっと見ていた記憶がある。入社三年目の1985年8月12日の事である。
JR西日本が報告書を会社が有利になる様に改竄しようとした事が発覚したのは先週の事だったか。大企業の体質は変わらないのだろうか?そんな事まで考えてしまった。
「秘密のケンミンSHOW」にも、ゲストで何度も出て頂いた山田辰夫さんの遺作がこの映画になった。以前に比べて痩せられたとはおもっていたのだが。山田さんのご冥福とJAL123便で命を落とされた方々のご冥福をお祈りすると共に、遺族の方の深い悲しみに言葉も無い。忘れられてはならない事故の映画化をここまで掘り下げて実現したキャスト・スタッフの方々、お疲れ様でした。
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◆映画『沈まぬ太陽』劇中曲収録!










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内容(「Oricon」データベースより)
モスクワ国際映画祭審査員特別賞、ゴールデンアロー賞作品賞などを受賞した松本清張原作のサスペンス作品。迷官入りといわれる殺人事件を捜査する二人の刑事の熱い闘いと、重い過去を背負う殺人犯の宿命を描く。出演は丹波哲郎、加藤剛、森田健作ほか。デジタルリマスター版。
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日露戦争前夜、徳島大尉(高倉健)率いる弘前第三十一連隊と神田大尉(北大路欣也)率いる青森第五連隊は、八甲田山を雪中行軍することに。少数編成で自然に逆らわず行軍する三十一連隊。一方、大編成で真っ向から八甲田に挑んだ五連隊は、目的地を見失い吹雪の中を彷徨し、遭難する。
新田次郎の『八甲田山死の彷徨』を、黒澤明の愛弟子で東宝青春映画の旗手として知られた森谷司郎監督が完全映画化。出演者の中に脱走者が出たとも伝えられる極寒の八甲田で長期撮影を敢行し、正に本物の雪の恐怖が観る者に襲いかかる。また、傲慢な上司(三國連太郎が熱演)の采配ミスで部下が四苦八苦する五連隊の構図は、現代サラリーマン社会とも共通するものがあり、当時「洋高邦低」と呼ばれて久しかった日本映画界で未曾有の大ヒットを記録。日本映画の底力を見せつけるとともに、森谷監督は以後超大作監督として大いに名を馳せることになった。(的田也寸志)
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『日本沈没』の森谷司郎監督、『七人の侍』の橋本忍脚本により、人間と自然の相克を壮大なスケールで描いた日本映画屈指の名作。日露戦争を目前にした明治34年、寒地装備、寒地教育の不足を痛感した日本陸軍は、厳冬期の八甲田にて雪中訓練を行うが…。
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東京発博多行き新幹線ひかり号に爆弾が仕掛けられた。この爆弾、新幹線の速度が時速キロ以下になると自動的に爆発する仕掛けになっているため、車を止めることも出来ない……。
佐藤純彌監督の最高傑作との誉れも高いパニック映画の大傑作、その海外公開版。オリジナル版は152分だが、ここではフランス版102分、アメリカ版118分の2ヴァージョンを収録。どちらも犯人(高倉健、他)グループの犯行動機など回想シーンを思い切りカットし、現在進行形でドラマを進める再構成であり、それは西洋の観客の嗜好に合っていたようだ。特にフランスでは驚異的大ヒットを記録。後の『スピード』にも本作の影響は間違いなくうかがわれよう。ただし、社会に虐げられた主人公たちの過去にこそこだわった佐藤監督は、この再編集に直接タッチしておらず、やはり「まずはオリジナル版を観てほしい」と語っている。(増當竜也)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
新幹線に爆弾を仕掛けた犯人と警察、国鉄の息づまる駆け引きをテンポ良く見せる一級サスペンス。ひかり109号に爆弾がセットされた。その爆弾は時速80キロ以下になると自動的に爆発する。犯人は500万ドルを要求し警察は取引に応じるが逮捕に失敗…。