ヘリコプター射撃まですることになった経緯のみならず、その後に大々的に行われた真実を隠し歪曲した工作の実状まで、すべて糾明されなければならない」と明らかにした。

2020-05-18 09:54:39 | 韓国文化

「和解・統合の道を進むには、

5・18の真実を必ず明らかにしなければ」

登録:2020-05-17 20:32 修正:2020-05-18 07:24
 
文大統領、光州MBCインタビュー 
 
発砲命令・隠蔽・歪曲工作など 
「5月光州」真相究明の意志を強調 
「真相調査委活動、政府も後押し」 
 
「私たちが指向し継承しなければならない歴史」 
5・18精神は“憲法的価値”再確認 
民主党でも関連法案の通過を約束
 
文在寅大統領が12日、大統領府の常春斎で今年40周年をむかえる5・18民主化運動の意味と歴史的課題について「光州文化放送(MBC)」のインタビューに応じている。この局の特別企画「文在寅大統領の5・18」は、17日午前に放映された=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 5・18光州(クァンジュ)民主化運動40周年を翌日に控えた17日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が当時の光州抗争の真相究明を繰り返し強調した。文大統領はこの日放映された光州文化放送(MBC)の特別企画「文在寅大統領の5・18」に出演して「いまだに発砲命令者が誰であったか、発砲に対する法的最終責任がどこにあるのかが明らかになっていない」として「遺体も見つからない集団虐殺の犠牲者、その方々を探し出し、またヘリコプター射撃まですることになった経緯のみならず、その後に大々的に行われた真実を隠し歪曲した工作の実状まで、すべて糾明されなければならない」と明らかにした。

 5・18民主化運動の真相究明は、文大統領が就任初年度の2017年5・18から今年まで一度も欠かさず毎年強調してきた問題だ。「ヘリコプター射撃も含む発砲の真相と責任」(2017年)、「当時強行された性的暴行の真相調査」(2018年)、「虐殺の責任者、遺体の遺棄と性的暴行問題」(2019年)など文大統領は一貫して「1980年5月の光州」の真実を明らかにしなければならないと声を高めてきた。

 文大統領が真相究明を強調してきた過去3年間は、緩慢ではあったが少しずつ進展はあった。5・18ヘリコプター射撃と関連して国防部調査委員会が稼動し、昨年12月には5・18真相究明調査委員会がスタートした。最近調査を始めた委員会は、発砲の責任などを明らかにするために最長3年間活動する予定だ。文大統領は「真実究明の目的は、責任者を明らかにして法的処罰をしようという次元ではなく、和解し統合の道を進むために必要なこと」だとし、「真相調査委の活動に多くの期待をかけており、政府も積極的に後押しするつもり」と話した。

 文大統領はこの日のインタビューでも、5・18民主化運動の「憲法的価値」を再確認した。文大統領は大統領候補時期の2017年3月、光州5・18民主広場で「5・18民主化運動の精神を憲法前文に記録する」と約束したのに続き、毎年現場で5・18記念演説をするたびにこの内容を決して外さなかった。文大統領は今回も「5・18民主化運動と6月抗争の理念は、私たちが指向し継承しなければならない一つの民主理念として、憲法に入れてこそ私たちの民主化運動の歴史が正しく表現されるだろう」と強調した。文大統領が2018年3月に発議し、国会議決定足数未達で失敗に終わった改憲案の前文には、釜馬(プマ)民主抗争、5・18民主化運動、6・10抗争が含まれている。文大統領は「今後いつかまた改憲が議論されるならば、憲法前文でその趣旨を必ずよみがえらせなければならない」と話した。

 ただし、未来統合党が改憲阻止ライン以上の議席を持っているので、文大統領の“約束”が第21代国会で実現されるためには超党派的合意が必要だ。これについて民主党は、5・18歴史わい曲処罰法などの関連法案通過に速度を上げる予定だ。光州・全羅南道地域の当選者18人はこの日、報道資料を通じて5・18真相調査委の役割と権限の拡大、憲政秩序破壊事犯に対する国立墓地への埋葬禁止、民主化運動有功者の名誉回復および実質的補償など「5・18歴史を正す8法」の通過を誓った。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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今年の記念式は史上初めて「抗争」の中心地だった旧全羅南道庁前で開かれ、むしろより意味深い。

2020-05-18 09:48:53 | 韓国を知ろう

[社説]「5・18精神」、

さらに大きく深い民主主義に昇華するには

登録:2020-05-18 06:17 修正:2020-05-18 08:19
 
40周年を迎えた「韓国民主主義の礎」 
真相究明・責任者処罰などが解決してこそ 
「連帯・統合」の未来に進むことができる
 
18日に40周年5・18民主化運動記念式が開かれる光州市の旧全羅南道庁前の5・18民主広場/聯合ニュース

 18日は5・18光州(クァンジュ)民主化運動40周年になる日だ。2017年の記念式で、心焦がす「父への想い」を読み上げ国民の涙を誘ったキム・ソヒョンさんをはじめ、1980年に生まれた人々がいつのまにか不惑を迎えた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機のために記念行事は通常の年より簡素に行われるが、今年の記念式は史上初めて「抗争」の中心地だった旧全羅南道庁前で開かれ、むしろより意味深い。

 過去40年の韓国現代史はすべて5・18民主化運動の上に立てられた。私たちの社会の大切な民主的価値は40年前の光州市民の抵抗と犠牲に根付いている。「2016年のろうそく革命」が一人の犠牲もなく憲法の手続きにより堕落した最高権力者を引き下すことができたことも、5・18の偉大な犠牲と深く関連している。1987年の「6月民主抗争」もまた5・18の延長線上にある。依然として5・18の価値を蔑視し、あげくには市民軍の多数が北朝鮮特殊軍だったと歪曲する者たちの厚顔無恥な言動さえ、実際には5・18で芽生えた民主主義を精一杯享受しているのだ。

 しかし彼らの妄言は、1995年に「民主化運動」に規定され1997年に「国家記念日」に指定された5・18が、いまも未完の状態であることを苛酷に思い起こさせる。真相究明と責任者処罰は緊急の課題だ。「失踪者」として残っている犠牲者が多数であり、遺体の発掘事業もこれといった進展を見られずにいる。全日ビルにある多くの銃弾跡や目撃者の証言が出ているにもかかわらず、ヘリ射撃は司法的に確定されなかった。虐殺の最終責任者である全斗換(チョン・ドゥファン)は、白々しい言い逃れと居直りの嘘で犠牲者を侮辱している。ハンギョレは17日、全斗換が当時、保安司令部の最側近を通じて光州の状況を指揮したことを示唆する重要な文書を公開した。全斗換はこれ以上引き延ばさず、光州の英霊と国民に謝罪しなければならない。

 真相究明と責任者処罰の意味は、過去をただして現在の妄言を規制することに留まらない。5・18は、特定地域の抵抗を越えた無惨な国家暴力に対抗した弱者の「連帯」だった。 5・18の未来志向的な価値もまた、連帯から見出すことができる。5・18が分裂策動勢力の口実にならないのはもちろん、私たちの社会の連帯と統合の「本筋」となるよう跳躍するには、誰も否定できない事実関係の確定が先決条件だ。「5・18真相究明調査委員会」が紆余曲折の末、今月12日に活動を始めた。時代的な責務が実に重い。私たちの未来を開いていくという使命感で活動してほしい。

 COVID-19危機で私たちの社会は前例のない質的跳躍を求められている。その方向は、40年前の血の抵抗を継承して昇華する「より大きく深い民主主義」でなければならない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が17日、「憲法を改正するならば前文に『5・18精神』を入れなければならない」という意向を再度明らかにしたのも、そのような流れで時期適切だったと思われる。これに先立ち、未来統合党のチュ・ホヨン院内代表は、党の一部の5・18蔑視発言について謝罪した。謝罪が口先だけの言葉で終わらないようにするには、第21代国会で「5・18歴史歪曲処罰法」を制定し、憲法に「5・18精神」を入れることを超党派的に協力しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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防疫当局は、クラブ関連の感染者が居酒屋やカラオケボックス、塾などで感染を広げた事例が相次いでおり、今週末が感染拡大のヤマ場になるものと見ている。

2020-05-18 07:11:12 | 韓国・コロナ対策

梨泰院のクラブ発の感染拡大、週末がヤマ場…

「3・4次感染阻止に総力」

登録:2020-05-16 06:42 修正:2020-05-16 07:44
 
新規感染者のうち接触者がクラブ訪問者を上回る見通し 
梨泰院のクラブに端を発する感染者のうち60代以上も5人 
韓国政府、密閉した大衆利用施設の利用自粛を要請
 
ソウル拘置所の刑務官が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けた今月15日午後、ソウル瑞草区のソウル中央地方裁判所で防疫会社の従業員らが防疫作業を行っている。同刑務官は裁判所に出入りしなかったが、裁判所はソウル地方裁判所の全法廷を閉鎖した=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 梨泰院(イテウォン)のクラブに端を発する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の2次、3次感染が本格化し、14日以降はクラブを直接訪れた人よりも接触者に分類された新規感染者の方が多くなる傾向と見られる。防疫当局は、クラブ関連の感染者が居酒屋やカラオケボックス、塾などで感染を広げた事例が相次いでおり、今週末が感染拡大のヤマ場になるものと見ている。感染の懸念で見送られた国家公務員5級採用試験も、今週末(16日)に全国32の試験場で行われる。

 チョン・ウンギョン中央防疫対策本部(防対本)本部長は15日、「(梨泰院のクラブを中心とした)追加感染拡大事例によると、居酒屋やカラオケ、塾など密閉された室内大衆利用施設で飲食したり歌うなど、密接に接触する環境だった」とし、「今週末は感染が増幅される施設の訪問を避け、宗教施設や塾なども非対面利用を勧める」と述べた。さらに「クラブ訪問者5500人(5軒のクラブ基準)のうち約4000人は検査を受けたことが確認された」とし、「感染者の接触者把握が早急に行われなければ、大規模な感染拡大が起きる可能性もあり、3次・4次(感染)につながらないよう最善を尽くしている」と強調した。

 同日正午現在、梨泰院クラブ関連のCOVID-19感染者153人のうち、クラブ訪問者は90人で、家族や友人、同僚など接触者は63人だ。日別に見れば、2次、3次感染が主となる接触者の新規感染が増加している傾向が目立つ。11日までは、新規感染者のうちクラブ訪問者は21人、接触者が8人だった。ところが、13日にはクラブ訪問者と接触者がそれぞれ9人で同じになり、14日と15日には接触者の新規確認がそれぞれ15人と10人で、クラブを訪問した新規感染者(5人、7人)を上回った。初期はクラブに出入りした感染者が主流をなしていたものの、次第に家族や職場など地域社会のあちこちに広がっているということだ。

 これを受け、防疫当局は梨泰院を中心とした1次感染がピークに達したと見て、さらなる感染拡大防止に力を入れている。チョン・ウンギョン本部長は「3次感染と確認された事例は仁川(インチョン)の塾関連など4人程度とみている」とし、「4次感染を防ぐのが最大の目標」だと述べた。しかし、すでに4次感染と推定される事例が現れている。前日、ソウル拘置所の職員がCOVID-19陽性判定を受けたが、法務部が発表した発生経過によると、道峰区(トボング)のカラオケを訪れた友人と接触した後に感染したため、4次感染が疑われている。これに対し、チョン本部長は「(4次感染かどうかは)疫学調査を行ってから判断できる」と答えた。

 これと共に防疫当局は、高危険群が感染者と接触しないよう、つながりの輪を遮断することに力を入れる計画だ。梨泰院のクラブに端を発した感染者のうち、60歳以上の高齢者も5人出た。クラブを訪問した人の親などが含まれている。防疫当局は、高齢者や妊婦、慢性疾患を有する人などに密集施設の利用自粛を要請した。療養病院や精神病院、療養施設など高危険集団施設の管理方案も同日、新たに発表された。新規入院・入所者については、検査実施後に受け入れることで、施設内の感染源の流入を遮断するようにした。彼らに対しては、検査費の半分を健康保険で負担する。また、野外空間や透明遮断幕の設置空間などを活用した制限的な面会指針が近くまとめられる。19日に開かれる第4回生活防疫委員会で、学校などの冷房機器の使用基準や高危険群施設防疫指針などが議論される予定だ。

 統計庁とSKテレコムが同日公開した「COVID-19発生後の人口移動」の分析結果によると、連休期間だった今月2日の移動量は1年前の連休日に比べて83%だった。国内で感染者が発生して以来の土曜日の移動量のうち最も多い水準だ。ただし、梨泰院を中心とした感染発生後の9日は、前年に比べて約75%でやや減少した。

 一方、同日、韓国私立大学総長協議会の集計によると、全体193校の大学のうち、85.5%が1学期全体またはCOVID-19安定期まで対面授業を行わず、オンライン授業を進める予定であるという。5月11日に対面授業が始まる大学は高麗大学など9校だが、実技実習科目など非常に限られた範囲で始まる見通しだ。

チェ・ハヤン、チェ・ウォンヒョン、キム・ジョンピル、イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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