韓国捜査当局、
尹大統領の携帯電話の通話内訳を確保…「内乱の夜」明らかになるか
12・3内乱事態を捜査中の共助捜査本部(共助本)は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の携帯電話の通話の内訳を確保した。尹大統領による今月3日夜の非常戒厳宣布、国会の戒厳解除決議の妨害などの内乱を示す状況が、通話内訳によってさらに鮮明になるかが注目される。
警察と高位公職者犯罪捜査処(公捜処)による内乱捜査協議体である共助本は22日、裁判所から通信令状を取り、尹大統領の通話内訳を確保して分析中であることを明かした。共助本が分析中の通話内訳は、盗聴防止機能付き電話ではなく尹大統領個人の携帯電話のもの。公捜処の関係者は22日、「事件前後の(通信令状)を受け取った」と説明した。12・3非常戒厳が宣布された時点の前後に尹大統領が個人の携帯電話で誰と通話したのかを確認できる。
尹大統領が非常戒厳を宣布した3日夜と4日未明、国会に投入された兵士を指揮していた軍の指揮官たちは、尹大統領と複数回にわたって通話したと証言している。クァク・チョングン特殊戦司令官は、尹大統領に「議決定足数がまだ満たされていないようだ。早く扉を壊して中にいる人員を引きずり出せ」と言われたと述べており、イ・ジヌ首都防衛司令官は検察による取り調べで「戒厳解除決議が迫ると、尹大統領が電話してきて『なぜ引きずり出せないのか』と声を荒げて腹を立てた」と供述したという。ヨ・インヒョン国軍防諜司令官も、尹大統領から電話がかかって来て「国会の状況はどうか」と言われたという。大半の通話は盗聴防止機能付き電話で行われたが、焦った尹大統領が個人の携帯電話を使って重要任務についていた人物に内乱実行のための指示を追加していた可能性も排除できない。非常戒厳の宣布前後の尹大統領の通話内訳は、国憲紊乱(びんらん)などの内乱を裏付ける証拠になりうる。共助本はこれをもとに、「首謀者」である尹大統領を頂点とした内乱の共謀関係などを追跡する計画だ。
一方、検察特別捜査本部(本部長:パク・セヒョン高等検察庁長)が、非常戒厳の宣布後に政治家の逮捕や中央選挙管理委員会の侵奪などを企画・実行した国軍情報司令部に出向き、出張調査をおこなっていたことが分かった。検察は19~20日に京畿道安養市(アニャンシ)にある情報司に出向き、非常戒厳における情報司の実務陣に、誰からどのような指示を受けたのかについて聴取したという。警察庁国家捜査本部特別捜査団(特捜団)は最近、チェ・サンモク副首相兼企画財政部長官を参考人として取り調べた際、非常戒厳当日にチェ副首相が尹大統領から渡された1枚の指示文書の原本の提出を受けた。チェ副首相は17日に国会で、「戒厳を前提とした措置事項のようなものだと感じた」と証言している。