「憲裁をたたき潰そう」
広場政治に陥った韓国保守与党…強まる「中道離脱」の恐れ
非首都圏議員「大統領選後が心配…さらに極右化したら終わりだ」
「広場政治」の泥沼にはまった与党「国民の力」は、党の内外から「このまま行けば共倒れになる」と警告されているにもかかわらず、方針を定め切れていない。一部議員が「憲法裁判所をたたき潰そう」と「憲政秩序破壊」を扇動しているにもかかわらず、指導部は強硬支持層の顔色ばかりをうかがい、制裁をためらっている。早期大統領選挙が避けられない現実として迫りつつある中、党内では中道層の離脱と大統領選挙敗北後の「保守暗黒期」到来に対する恐れも広がっている。「極右化の後遺症」が長きにわたって保守の足を引っ張るだろうという不安だ。
首都圏の選挙区選出のある議員は3日、ハンギョレの電話取材に対し、「支持層ばかりを見て進み過ぎだ。早期大統領選が行われれば、それでも民主党と『対決しがいのある』雰囲気を作らなければならないのに、逆行している」と述べた。非首都圏のある初当選議員もハンギョレに、「大統領選挙後の方が問題だ。敗北すればさらに守勢に追い込まれ、そうなればなるほどさらに強硬、極右、闘争モードになっていくはず。そうなったらすべて終わりだ」と語った。「保守共倒れ」と「危機の長期化」に対する危機感だ。このような雰囲気は、親ハン・ドンフン系のキム・ジョンヒョク元最高委員のSBSラジオのインタビューにも表れていた。同氏は、近ごろの所属議員たちの相次ぐ極右的姿勢について、「（言行の）強さをみると、我が党が受け入れられる水準ではない。後に感情が落ち着いてから振り返った時に、その発言や行動に対して責任を取れるのか。取れないと思う」と述べた。
しかし指導部は、依然として「極右切り」を恐れている。前日にクォン・ソンドン院内代表が「（集会に）行くか行かないかは（議員）各自が判断して決めることにした」と発言したのに続き、この日、パク・スミン院内報道担当も「議員個々人の発言は統一され得ない。気をつけるべき部分は気をつけようと努力はするものの、発言は統一され得ない」と曖昧な態度を取った。三一節の弾劾反対集会で憲法裁と中央選挙管理委員会に言及しつつ、「すべてをたたき壊さなければならない。たたき潰そう」と発言したソ・チョンホ議員を、野党「共に民主党」が国会倫理委員会に提訴すると表明した直後の発言だ。パク院内報道担当は、ソ議員に対する党レベルの警告や懲戒を行うかについて、「今後議論してみなければならないのではないかと思う」と述べた。
このような党指導部の反応について、嶺南（ヨンナム＝慶尚道）圏のある重鎮議員は、「支持層のことも中道層も考えなければならない指導部としては、たいへん苦悩していることだろう」と話した。キム元最高委員は「（下手に強硬支持層と距離を置こうとすると）反発が強すぎるだろうから、今の雰囲気で指導部が（ソ議員に）警告することは特にないだろう」と述べた。
問題は、このところの多くの世論調査で明らかになっているように、党の極右化で中道層の離脱が固定化しつつあることだ。リアルメーターがエネルギー経済新聞の委託を受けて先月26～28日に全国の1506人の有権者に対して実施した無線自動応答（ARS）調査（信頼区間95％、標本誤差±2.5ポイント）でも、中道層の60.6％が「政権交代」を、33.6％が「政権延長」を望むと答えている。直前の調査と比べて「政権交代」は4.1ポイント上昇、「政権延長」は4.7ポイント下落している。韓国ギャラップが先月25～27日に1千人の有権者に対して実施した電話面接調査（信頼区間95％、標本誤差±3.1ポイント）でも、中道層の70％が弾劾に賛成し、62％が政権交代を望んでいる。
訳D.K
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