違法戒厳令も逮捕指示も否定…
口裏合わせた内乱のナンバーワンとナンバーツー
弾劾裁判の審判廷で顔を合わせた内乱のナンバーワンとナンバーツーは、「12・3非常戒厳は失敗した戒厳ではない」、「違法ではない」と口をそろえた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とキム・ヨンヒョン前国防部長官は違憲な布告令について、「まともに検討しなかった」と責任を希釈し、「国会議員を引きずり出せ」や「政治家と法曹人を逮捕しろ」という違憲的な指示は全て「部下たち」が間違って理解したためだと主張した。
23日、憲法裁判所の大審判定で開かれた尹大統領弾劾裁判の4回目の弁論には、内乱罪で拘束起訴されたキム前長官が証人として出席した。尹大統領側の申請で弾劾裁判で行われた初の証人尋問だった。
尹大統領側とキム前長官は示し合わせたような質問と答弁を行い、12・3非常戒厳の正当性を強弁した。暴力事態はなく、違法な指示もなかったという内容だった。キム前長官は「国会議員を国会から引きずり出せ」「法曹人と政治家を逮捕しろ」「中央選挙管理委員会サーバーを奪取しろ」など違法な指示を尹大統領が下したのかという尹大統領代理人団の質問に「いいえ」「不可能なことです」という答弁を繰り返した。尹大統領代理人が「尹大統領が国民の安全が最優先であり、絶対に流血事態が発生してはならず、軍を最小限に投入するよう指示したというが、間違いないか」と尋ねると、キム前長官は「その通りです」と答えた。
また、キム前長官は「大統領は巨大野党が国民の暮らしと民生には全く関心がなく、党代表を逮捕から守ること・弾劾・特検の3つにだけ没頭していることについて、非常に懸念し、残念に思っていた」、「これは国民を略奪する危機だ。大統領として黙過できないと血を吐く心情で非常戒厳を決心した」とし、尹大統領の非常戒厳宣言を「国のための決断」だと擁護した。
「国会で議員を引きずり出せ」という指示や「法曹人・政治家の逮捕指示」もすべて否定した。当時、直接指示を受けた複数の軍司令官の証言があったことに触れ、国会側の代理人が「(軍人たちが)嘘をついたのか」と尋ねると、キム前長官は「さあ、私も理解できない」と答えた。尹大統領と同様に、自分の部下に責任を転嫁したのだ。
12・3非常戒厳については、二人とも戒厳は失敗しなかったと強弁した。キム前長官は「(国家非常事態に対する)警鐘を国民に十分に鳴らした」とし、尹大統領は「訴追人(国会)は失敗した戒厳だと主張しているが、失敗した戒厳ではない」、「早く終わると思っていたが、予想よりもう少し早く終わった」と述べた。
憲法裁は同日、キム前長官に対する捜査機関の尋問調書を証拠として採択した。尹大統領側では同日、最大野党「共に民主党」の反対で各種予算案が国会で可決せず、民主党が監査院長など国務委員を弾劾訴追した状況を立証する資料を証拠として提出し、裁判所はこれを証拠として採択した。この日の裁判は4時間22分かかり、次の弁論は来月4日に開かれる。
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