慶北体育会でもキム・ジスを指導してきたキム・ジョンフン柔道代表チームコーチは、「まだ若いため若干の浮き沈みはあるが、絶好調の時は五輪金メダリストにも勝つなど、予測がつかないダークホース」だと述べた

2021-07-11 10:24:57 | 韓国文化

日本で生まれ育った柔道韓国代表キム・ジス、

国籍を超えた和合のメダルを夢見る

登録:2021-07-09 06:41 修正:2021-07-09 17:26
 
[インタビュー] 柔道五輪代表チームのキム・ジス選手 
在日韓国人の女子柔道選手としては初の韓国代表 
柔道選手だった父親の影響で高校時代から頭角現す 
「胸の上の太極旗見て父が涙を流した 
日本の友達と五輪で頑張ろうと励まし合った」
 
 
             キム・ジス選手=国際柔道連盟提供//ハンギョレ新聞社

 東京五輪の柔道競技が行われる日本武道館は、日本の柔道の聖地だ。1964東京五輪で初めて五輪の正式種目に採択された柔道競技のために建てられたここは、五輪柔道の歴史で欠かせない場所でもある。日本武道館で太極マークをつけて金メダルを獲得するのを夢見る選手がいる。在日コリアン3世のキム・ジス(21、慶北体育会)だ。 鎭川(チンチョン)選手村で汗を流しているキム・ジスとインタビューを行った。

■韓国人だから、太極マークをつけた

 キム・ジスは兵庫県で生まれた在日コリアン3世だ。柔道選手だった父親のキム・ドクジェさんの影響で、小学校1年生の時に柔道を始めた。やはり血は争えないのだろうか。キム・ジスは高校1年生の時から学校代表として全国大会で優勝を果たすなど、頭角を現わした。

 日本高校柔道のスターに浮上したキム・ジスは卒業後、韓国に渡り、慶北体育会に入団した。住所地も父親と祖父の故郷である慶尚北道尚州(キョンサンブクド・サンジュ)に移した。「父も母も韓国人で、(自分も)日本で生まれ育ったがずっと『キム・ジス』という名前を使ってきた韓国人」なので、国を代表して五輪に出場するなら、太極マークをつけるのは「当然の決定」だった。

 
 
       韓服を着たキム・ジス=インスタグラムよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 実は、昨年までキム・ジスの五輪出場は難しかった。しかし、新型コロナで大会が延期されてから、練習に打ち込める時間ができた。その間、2021アジアオセアニア柔道選手権大会で2位に上がるなど、柔道の主要大会でメダルを取り始めた。世界ランキングは57キロ級19位まで上がった。実力が急成長したキム・ジスはついに東京五輪の韓国代表に選ばれた。太極旗を胸につけた彼女を見て、父親は涙を流した。在日コリアンの女子柔道選手としては初めての代表入りだった。

■韓流のシンボルでもある武道館で「キム・ジス・フィーバー」を

 キム・ジスにとって今回の五輪は特別な意味がある。「生まれ育った日本で開かれる五輪に韓国代表として出場するから」だ。「必ずメダルを取りたい」という決意に満ちている。「韓国と日本で私のために頑張ってくれた方々に恩返ししたい」という思いもある。高校2年生の時、体重で苦しんでいた彼女を励ましてくれた日本の仲間たちと、選手村に慣れるまで協力を惜しまなかった韓国の仲間たちに恩返しをしたいと思っている。いまや日本の代表的なスポーツスターになった高校の友達、阿部詩(52キロ級、世界ランキング3位)とは今年5月にロシアで会い、「2人ともオリンピックで頑張ろう」と励まし合った。

 キム・ジスは現在、鎭川選手村で最後の調整に励んでいる。キム・ジスは「柔道の練習だけの日本と違い、韓国は体力訓練も一緒にするため大変だ」としながらも「コロナ禍で疲れた国民のためにも、オリンピックで良い成績を出したい」と語った。

 東京五輪でキム・ジスはどのような活躍をみせるだろうか。韓国柔道代表チームのペ・サンイル監督は、「固め技と足技は韓国選手より安定しており、弱点を上手く補えば、東京五輪を超え、2024年パリ五輪まで可能性がある選手だ」と語った。慶北体育会でもキム・ジスを指導してきたキム・ジョンフン柔道代表チームコーチは、「まだ若いため若干の浮き沈みはあるが、絶好調の時は五輪金メダリストにも勝つなど、予測がつかないダークホース」だと述べた

 柔道の聖地日本武道館は、韓国の蚕室(チャムシル)総合運動場に似たところがある。1964年の五輪のため体育施設として建てられたが、今では大規模な公演が行われる文化の中心でもある。特に2000年代に入って、武道館での公演が韓流スターの証とされるほどだった。そこには音楽で国境を越え、一つになった人たちがいた。キム・ジスが日本武道館で柔道を通じて皆が一つになる「五輪精神」を見せることができるだろうか。キム・ジスの輝く目は、すでに東京に向かっている。

イ・ジュンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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原告弁護団は同日、コメントを発表し、指定管理者が執行停止決定に従って開催を認め、妨害行為の排除のための協議を進めることを希望しました。

2021-07-10 10:22:52 | 維新の会の説明はうそが多い

「表現の不自由展かんさい」

会場利用認める決定

大阪地裁

 「表現の不自由展かんさい」の会場に予定されていた大阪府立施設の利用承認が取り消された問題で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は9日、会場の利用を認めることを決定しました。実行委員会が、施設指定管理者の決定を不服として提訴し、処分の執行停止を申し立てていました。

 展示会は「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の出品作品を集め、16日から3日間、大阪市中央区の大阪府立労働センター(「エル・おおさか」)で開催が予定されています。

 指定管理者は、抗議活動を挙げ、「管理上多大な支障が生じる」などとして利用承認を取り消しました。大阪府の吉村洋文知事もこれを支持しました。

 決定では、本件催し物は、教養の向上および福祉の増進に資するというセンターの設置目的に反せず、「憲法上の表現の自由等の一環として、その保障が及ぶべきものといえる」と指摘。抗議活動についても警察による適切な警備などによって防止・回避することができないような重大な事態が発生する具体的な危険性があるとまではいえないとしています。

 原告弁護団は同日、コメントを発表し、指定管理者が執行停止決定に従って開催を認め、妨害行為の排除のための協議を進めることを希望しました。

 吉村知事は同日夕、記者団に「(催しの)中身に踏み込むつもりはない」としながらも「施設の管理者に裁量権はあると思う」などとし、あくまで会場使用承認取り消しを支持し、「高裁に判断を求めていきたい」と述べました。

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全羅北道全州市(チョンジュシ)が7日、日帝強占期(日本の植民地時代)の農村収奪の歴史を取り上げた本を発刊し、後百済と朝鮮時代の文化遺産の学術調査に乗り出すなど、地域の歴史・文化の復元に力を入れる

2021-07-09 08:59:56 | 韓国を知ろう

日本の植民地時代の農村収奪、記録に残す

登録:2021-07-08 05:55 修正:2021-07-08 08:33

 

全州市と国立完州文化財研究所、協約を締結
 
 
キム・スンス全州市長(右)とユン・ジェウン国立完州文化財研究所長が今月6日、全州市長室で文化遺産の学術調査を研究・活用するための業務協約を締結した=全州市提供//ハンギョレ新聞社

 全羅北道全州市(チョンジュシ)が7日、日帝強占期(日本の植民地時代)の農村収奪の歴史を取り上げた本を発刊し、後百済と朝鮮時代の文化遺産の学術調査に乗り出すなど、地域の歴史・文化の復元に力を入れることにしたと発表した。

 全州を含む全羅北道は他の地域に比べ、日本の経済的収奪が激しかった穀倉地帯だったが、体系的な研究が行われず、後代の歴史教育のための資料と場所が急速に消えていっている。そのため、全州市と国立完州(ワンジュ)文化財研究所は6日、全州地域の文化遺産の学術調査研究と活用のための業務協約を結んだ。

 国立完州文化財研究所は同日、全州歴史博物館と別途の業務協約を交わし、日帝強占期の全羅北道の農村資料の学術研究に着手することにした。国立完州文化財研究所は、全州歴史博物館が所蔵している日帝強占期の日本人農場資料約40点をもとに関連データベースを構築し、年末までに日帝強占期の農村収奪資料を集めた図録を刊行する予定だ。

 昨年、井邑市禾湖里(チョンウプシ・ファホリ)にあった日帝強占期当時の熊本農場を中心に研究に着手したのに続き、全州まで事業対象を拡大するというのが同研究所の構想だ。国立完州文化財研究所は、全羅北道地域における伽耶文化圏の調査・研究、古朝鮮鉄器文化の導入と拡散、初期の馬韓・後百済関連の調査・研究などを目的に2019年10月に設立された。

 全州市は日帝強占期だけでなく、後百済の王都、全州府城の歴史復元事業、近代文化財保存管理・研究事業などにおいても国立完州文化財研究所と相互協力体系を構築し、中長期の研究計画を樹立して活用方法を模索していくことにした。キム・スンス全州市長は「今回の研究は、日帝強占期の歴史の現場を確認し、歴史を正しく建て直すためのものだ。 後百済や朝鮮時代などの姿も復元して歴史教育の資料として活用する」と述べた。

パク・イムグン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「今回、文大統領の来日が実現すれば約1年7カ月ぶり、菅首相就任後、初めて(首脳会談が)行われる見通し」だと報道した。

2021-07-08 09:59:29 | 韓国を知ろう

日本メディア「文大統領、訪日を打診」…両国政府は否定

登録:2021-07-07 08:50 修正:2021-07-07 09:15
 
産経新聞「文大統領、東京五輪で訪日の意向伝えた」 
「菅首相、就任以降初の日韓首脳会談行う意向」 
大統領府「決まったことはない」、日本政府「通報はなかった」
 
文在寅大統領が昨年9月、大統領府で日本の菅義偉首相と電話会談を行う姿。文大統領と菅首相はまだ対面による首脳会談を行ったことがない=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 今月23日に開幕する東京五輪を機に、韓国政府が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪日の意向を日本側に伝えていたという日本のマスコミの報道が出た。

 産経新聞は匿名の日本政府関係者の話として「文氏訪日が実現すれば、菅義偉首相は昨年9月の就任以降、初の対面による日韓首脳会談を行う意向」だと報じた。

 同じフジ・産経グループ傘下のフジテレビも同日、文大統領が東京五輪の開会式に合わせて日本を訪れる意向であると報じた。同放送は「対面での日韓首脳会談は元徴用工をめぐる問題などが進展せず、2019年12月以来行われていない」とし、「今回、文大統領の来日が実現すれば約1年7カ月ぶり、菅首相就任後、初めて(首脳会談が)行われる見通し」だと報道した。

 これに対し、大統領府関係者は同日、「日本メディアの推測に基づいた報道についてはコメントしない」とし、「(東京五輪開会式への出席について)決まったことは何もない」と述べた。

 加藤勝信官房長官は同日午前の定例記者会見で「従前から申し上げたように各国首脳の五輪開会式および五輪への出席については、国際オリンピック委員会(IOC)と各国のオリンピック委員会の間で調整が行われていると承知している」とし、「韓国においても同様の調整が行われていると承知しているが、現時点で、わが国(日本)について、例えば、(文在寅)大統領が訪日するといった通報があるわけではない」と述べた。

 文大統領と菅首相は先月、英国で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で初めて顔を合わせたが、両国首脳会談は別途に開かれなかった。文大統領は先月14日、ツイッターに「菅首相との初対面は韓日関係で新たなスタートとなる大切な時間だったが、会談につながらなかったことを残念に思う」という書き込みを残した。一方、菅首相は「(文大統領が)同じ会議場にいたので挨拶に来ていただいて、私も失礼のないよう挨拶した」と述べるにとどめた。

チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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2019年8~10月に開かれた国際美術展「あいちトリエンナーレ」の企画展示「表現の不自由展・その後」の企画展展示作品の一部が再展示されたのだ。

2021-07-07 10:08:24 | 歴史に照らして整合性を!

1年8カ月ぶりに日本市民と再会果たした「少女像」

登録:2021-07-07 06:36 修正:2021-07-07 07:07
 
名古屋で11日まで展示予定 
座って少女像に目線を合わせる観客も 
右翼の攻撃で東京と大阪での展示は実現せず
 
 
今月6日、日本愛知県名古屋市の公共展示場「市民ギャラリー栄」に展示された「平和の少女像」=名古屋/聯合ニュース

 2019年、日本最大の国際美術展「あいちトリエンナーレ2019」で、右翼の抗議により展示が一時中止された「平和の少女像」が1年8カ月ぶりに日本で再展示された。

 6日、愛知県名古屋市の公共施設である「市民ギャラリー栄」で開幕した「私たちの『表現の不自由展・その後』」に、日本軍「慰安婦」被害者をモチーフに製作された「平和の少女像」(以下少女像)が展示されたと、共同通信などの日本のマスコミが報道した。

 「名古屋テレビ」の放送には、同日の観覧客の中には少女像の前に座って少女像と目線を合わせる人も見られる。展示された少女像は駐韓日本大使館前にある少女像と同じ形の作品で、少女が座っている姿だ。主催側は混雑を避けるため、1時間に50人ずつだけ入場させていると同放送は報じた。少女像のほかに写真作家アン・セホン氏の「重重-中国に残された朝鮮人日本軍『慰安婦』女性たち」、裕仁天皇の姿が映されたコラージュ作品を燃やす場面を撮影した大浦信行氏の「遠近を抱えてPart2」が展示されている。2019年8~10月に開かれた国際美術展「あいちトリエンナーレ」の企画展示「表現の不自由展・その後」の企画展展示作品の一部が再展示されたのだ。

 日本における少女像の展示は、2019年の「あいちトリエンナーレ」以来、1年8カ月ぶり。2019年の展示の時も、多くの日本市民が少女像の隣に置かれた椅子に座ったりして少女像と目線を合わせる姿を見ることができた。「表現の不自由展・その後」には少女像だけでなく、天皇を素材にした作品など、日本社会の代表的なタブーに正面から向き合う作品が多かった。右翼の抗議と脅迫で「表現の不自由展・その後」企画展全体が3日で中止されたが、あいちトリエンナーレ閉幕3日前に再開された。あいちトリエンナーレ閉幕後も少女像の展示が進められたが、右翼の抗議と攻撃で実現しなかった。

 先月、東京で少女像を含む「表現の不自由展」展示会が開かれる予定だったが、展示場側は右翼の攻撃のため、場所提供に難色を示した。大阪でも右翼の攻撃後、安全上の理由で展示が許可されなかった。

 今回の名古屋展示は11日まで開かれる。「名古屋テレビ」によると、展示場の「市民ギャラリー栄」側が「安全が確保されるのであれば開催する」という立場を示したという。ただし、右翼はこれまで組織的な抗議または脅迫で安全上の懸念を作り、展示を延期・取り消しまたは中止させた前歴がある。今回の名古屋展示にも右翼が集まって抗議したという。また、9日から11日までは今回の展示に反対する内容の展示会が同じフロアで開かれる予定だ。この展示は公然とヘイトスピーチを行なう代表的な差別団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長が関係する団体が申し込んだものだと、朝日新聞が報道した。

 「表現の不自由展」実行委員会は1日、名古屋で展示を行うと知らせるメッセージを発表した。当時、メッセージで右翼の攻撃があったが、展示を応援する日本市民も多かったと書いた。また「今必要なのは芸術家も観客も展示企画者も知恵を集め、力を合わせて不当な攻撃を許さないこと」だとし、「名古屋展の成功を心から祈り、連帯していきたい」と強調した。

チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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