一事が万事という言葉がある。
人の基本的発想というのは、いろんな所で現れる。
私は、マスクなんてほとんどしたことがない。マスクなんてしなくても風邪なんてひかないから。金がもったいない。
まぁ、花粉症の人は仕方が無いかもしれないけれどね。
だから、一般論として話をすすめる。
こういうことを言うと、周りの人を敵に回しそうだが、マスクをしている人ほど体が弱そうである。
多分、ウイルスをシャットアウトして体を守ろうとしているのだと思う。
だが、ウイルスが体に入り込むのを阻止するのは不可能である。だから、マスクをするより普段から免疫機能を高めておくほうが合理的である。
シャットアウトするのではなく、入れといて中で戦うのである。
大昔は、マスクなんてなかったから、この考え方が本来の方法であると思う。
という話をして、ココからが本題。
ちょっと、面白いブログを読んだ。Gumroadとpaypalについての記事だ。
Gumroadは、ネット上で自分のつくったコンテンツを売り込むためのサイトである。
PayPalは少額決済のサイトである。
このブログには、このような面白いものが何故日本に生まれないのか、ということが書かれている。
日本には、楽勝でこんなコンテンツを作れる技術があるのに、である。
ちょっと、引用してみよう。
実は私も類似のサービスを数年前に思いついて、起業できるか考えたことがあるので、この疑問には答えられます。
答:やってみようとすればわかる。(苦笑)
いや、規制のせいです。ほんとそんだけ。
以下、起業家の視点で、この手のサービスがどう規制に阻まれてしまうかを書きます。正確なところは法律家に聞いて下さい。関連する法律はこんな感じ:
- 出資法(1954年)
- 銀行法(1981年)(施行令、施行規則)
- プリペイドカード法(1989年)(施行令、施行規則)
- 犯収法(2007年)(施行令、施行規則)
- 資金決済法(2009年)(施行令、資金移動業者に関する内閣府令)
ちなみにプリカ法が資金決済法に変わりました(プリカ法は2009年に廃止)。あと外為法とかも関係してくるけど面倒すぎてやってられん。
日本経済の歴史はまったく詳しくないけど、これ同じことを繰り返してるんじゃないかなと思うのです。日本で規制されている間に Gumroad あるいは類似のサービスが海外で大きくなり、日本と世界を席巻する。「Gumroad」を「PayPal 」に置き換えてもそうだし、きっと「クレジットカード」もそうじゃないのかな。
日本のこれらに関する法体系は、基本的にすべてを禁止(出資法と銀行法)しているので、サービスが政府や立法者に明らかになってから特別に許すようになってます。イノベーションは政府や立法者が分からないところにこそ起こる。だから出資法と銀行法が現在のままである限り、日本において決済のイノベーションは原理的に起きないと思う。起きるとすれば、脱法行為か、海外から来るかのどちらか。
日本において、銀行(両替商)や為替が、出資法や銀行法の前に成立しているのだって、そういうことでしょう。
規制は必ず利用者の保護を目的に導入されます。それはサービスへの要求を高めることです。だから規制は必ず新規参入を阻害し、規制導入前に始めた業者の既得権益を確立する。これがいつものパターンなんじゃないかな。
つまり、日本は既得権益を守るために、法規制をがんじがらめにして、保護を強めている。それゆえ、新しいイノベーションが生まれづらい。
そして、外国でイノベーションが生まれ、ブームになって、立法者がそれを認知するようになってから、その方法を立法で認めるということだ。
この方法は、マスクをしてウイルスをシャットアウトして中に入り込まれたらすぐ風邪をひくというものに近い。
マスクなんか外してしまって、中で戦う方法のほうが強くなると思うのだけれど、そう思うのは私だけだろうか。