年末になると、ベートーベンの交響曲第九番が、よく演奏されています。
理由はよくわかりません。
すごく昔に、大晦日だったかな、渋谷のオーチャードホールに第九を聴きに行ったことがあります。
第九が素晴らしい音楽なのは言うまでもありません。
しかし、年の瀬にふさわしい音楽なのかよくわかりません。
僕は、年の瀬にふさわしい音楽は、
ピアノソナタ8番の第二楽章なのではないかと思っています。
一年の終わりって、少しだけ物悲しい感じがしませんか?
この物悲しさって、何なのだろうかと考えます。
僕は愛着だと思っています。
愛着とは、慣れ親しんだこの年に心を引かれ、離れがたく感じる心です。
ある種の愛のようなものですね。
だから、物悲しさを感じるあなたは、愛する心を持っているわけです。
愛するものを失い、そして、また何かが生まれる。
そうしてグルグルと僕たちの人生は回っていくのです。
何かが終わり、何かが始まる。
今年一年を、懐かしみながら、また、新しい年を迎えましょう。
では、よいお年を。