ゆっくり目を閉じて、世界が灰色になってしまったことを想像してみましょう。
色彩感覚を失い、すべてが灰色に見えます。
目を閉じながら、そのことを考えてみます。
花の美しさを感じることはできません。
色彩豊かな洋服も、あなたにはわかりません。
数十秒、その悲惨さを、意識してから、
ゆっくりと目を開けてください。
目の前に何が見えますか?
今の時期ですから、淡いピンクの秋桜かもしれませんね。
僕は机の前のノートの鮮やかな青色が目に飛び込んできました。
灰色の世界に身を置いたことで、
あたりまえのように見ていた色彩の美しさを、
あらためて感じることができたのではないでしょうか。
このような悪い出来事の想像を、
「ネガティブ・ビジュアリゼーション」といいます。
僕は、人に対してやさしい気持ちになりたいとき、
「この人は明日死ぬから、もう二度と会えない」と思うようにしています。
だからこそ、今、会っているこの一瞬を大切にしようと思います。
僕はネガティブな性格ではありませんが、ネガティブなことは想像します。
この違いはわかりますか?
何かがあることは、当たり前ではありません。
無くなったこと、そもそも無いことを想像してみてください。
あることの喜びを感じることでしょう。
今日はそんな話でした。