フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

世界を揺るがす 5  世界の事象を固定化する言葉

2013年02月04日 17時55分53秒 | 社会・政治・思想哲学

 言葉もしくは言葉的なものは、人間だけが使うものではない。
 
 例えば、飼い犬は呼びかければ、こっちに来る。犬は明らかに自分の名前を理解している。
 
 また、鹿も危険を察知したとき、ピーっと鳴いて、仲間にその危険を知らせる。それだって、言葉といえば言葉である。
 
 言葉はコミュニケーションのツールである。
 
 コミュニケーションは動物でも行う。だから、動物であっても言葉を使う。
 
 ただ、人間と動物の大きな違いは、問う能力にあるとされる。
 
 ボノボやチンパンジーのような人間に近い動物は、調教師とかなり複雑なコニュニケーションをとる。そして、それらの動物は調教師の求める複雑な要求に答えることができる。
 しかし、そんな知能の高い彼らでも、自ら調教師に対して問いを発することはできない。
 
 これに対し、人間の子供はかなり早い段階で、親に対し問いを発することができる。

 問いは、なぜ?という因果関係を求める作業である。
 
 言い換えれば、この結果が起こった原因は何なのか?ということを求める知的作業である。
 
 この知的なコニュニケーションをとるためには、因果の流れを理解できていなければならない。
 そして、因果の流れを理解できるためには、時間の流れが分からなければならない。
 時間の流れは、過去の一点から今につながる流れを理解することである。だから、過去のことを覚えていなければならない。 

 過去の記憶は、脳の働きである。そして、その過去を固定化するために、言葉が利用される。
 それ故、言葉は、本来固定化できない世界の事象を固定化する働きを有する。

コメント
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