AI(人工知能)と高性能のコンピューターの組み合わせはすごいですよね。
将棋のソフトはその一例ですが、AIは人間の能力をはるかに超えています。
将来、人間の記憶や思考がどんどん機械に代わっていくでしょう。
これに関して、ビジネスコンサルタントの細谷功さんが、いろいろと面白いことを言っています。
彼は、ロジック(論理)の分野では、AIには敵わないが、アナロジー(類推)の分野ではまだまだ人間が有利だといいます。
では、アナロジーとは何でしょうか?
簡単にいうと、「関係性」や「構造」を抽象化して共通点を探すことです。
何のこっちゃ、分かりません、って感じですよね。この定義じゃあね。
もっと簡単にいうと、パターンを見つけることです。
では、さっそく問題を出していきましょう。かなり難問です。
1 新聞と百科事典の共通点は?
ヒント 昔と今の移り変わり
2 コピー機とエレベーターの共通点は?
ヒント ビジネスモデルです。エレベーター機器は安い
3 タクシーと土産物屋の共通点は?
ヒント お客さんの特徴です。
1についてです。
紙から電子にだんだんと代わっていきます。また、有料から無料になりつつあります。
新聞はインターネット記事で無料化し、百科事典もWikipediaで無料化しています。
2についてです。
両者とも、本体は低価格に抑えられている。しかし、その後の消費品やメンテナンスで収益を上げるビジネスモデルです。
例えば、ジレット社のひげ剃りは、本体は安いですが替刃が高い。これと同じです。
3についてです。
両者の共通点は、一回きりのお客さんが圧倒的に多いことです。
一度乗ったタクシーにもう一度乗ったり、一度行った観光地の土産屋にもう一度行くことは、ほとんどありません。偶然を除いては。
抽象化というと、ややこしくなりますが、けっこう皆さんやってますよ。
たとえばですね。付き合った彼氏が、服の露出度が高いとか、ハシの使い方がなっていないとか、味噌汁の味が濃いとか、いろいろ言うタイプで、うんざりして別れたとしますよね。
そのとき、「細かいことにうるさい男」とは付き合わないと決めたとします。
これが抽象化です。「細かいことにうるさい男」これを基準に、次の男を選ぶわけです。
関係性とか構造を真似る点で、アナロジーは、パクリに近いです。
しかし、パクリとは、決定的に違います。
パクリは具体的な部分について、真似します。
たとえば、ドラえもんのキャラクターに似せて、同じようなキャラクターを売り出すようなことです。
アナロジーは、物事を抽象化して、その関係性や構造を真似ます。
だから、パクリではありません。
この思考は、ニュータイプのビジネスモデルを発見するのに役立つでしょう。
たとえば、ウーバーです。
最初は、白タクでしたよね。
「白タク」を抽象化して考えると、使っていない自家用車を有効活用することです。
ウーバーイーツは、アプリで誰でも配達員になれますね。
この心は、遊んでいる人材を有効活用することです。
共通点は、遊休資産を有効活用することですね。
このように、抽象化して共通点を見つけ、それを新しいビジネスに変えているわけです。
たしかに、このようなことは、AIには難しいですね。