わが購読紙に、五木寛之さんの『新・地図のない旅』というエッセイが、毎週水曜日に連載されている。先日、その記事の冒頭に「寝押し」という昔なつかしい言葉を見つけた。この言葉にピンとくるのは、おそらく私と同年代で、やった記憶のある人も多かろう。私もよく試みたもので、当時のことはよく覚えている。
高校生のころ、家にはまだアイロンがなかった。制服のスカートのひだを整えたり、スラックスに折り目をつけたいときなど、アイロン代わりに敷布団の下に敷いて寝た。それが「寝押し」である。
しわ伸ばしや折り目付けが寝ている間にできるのは楽チンだが、寝相が悪いと敷布団がずれたりして、折り目と違うところにしわができて大変なことになる。それとスカートのひだはきれいになっても、畳の目がくっきりとついてしまって困ったこともある。
今ではクリーニング屋に持ってゆけば、スカートのプリーツやスラックスの折り目はきれいにつけてくれる。しかも、何回洗濯してもその折り目は取れないから有難い。
話は変わるが、昔は“ズボン”と呼んでいたものが“スラックス”に、そして昨今は“パンツ”とか“ボトム”とか言うらしい。だが、“ボトム”はいいとしても“パンツ”は、私の年代では下着のパンツを想像してどうも言い難い。で、古臭いと笑われても“スラックス”で通すことにしている。
その“スラックス”だが、冬用が4本、夏用が3本あるが、どれも買ってから何年も経つ。最近、背が縮んだのだろう、丈が長くて足元がもたつくので裾上げをすることにした。糸をほどいて上げ幅を待ち針で止める。それをアイロンで型付けてから、同色糸でまつり縫いをする。
しかし、昨今はそんな面倒なことをしなくても、100均に行くと裾上げテープなるものがあって簡単にできるらしい。テープが見える「片面テープタイプ」と、テープが見えない「両面テープタイプ」があり、「片面テープ」はスラックスの裾を折り返し、布と布をテープで貼り付けてスチームアイロンで抑える。また「両面テープ」は折り返した布とスラックスの内側の布の間にテープを入れて、生地を貼り付けるというものだ。
私は「片面テープ」を買ってやってみたが、意外と簡単にできた。が、アイロンで抑える前に待ち針で止めておかないとずれたらはがしにくいから要注意だ。
糸を通すのが難しくなって針仕事がおっくうな年寄りにこんなグッズは助かる。が、横着したらそれなりのリスク発生は当然か。衣替えのためその“スラックス”を洗濯したら、どれもテープが剝げてしまって元の木阿弥だ。結局、針と糸を取り出し、再度裾上げをすることに…。「楽あれば苦あり」、ちょっと違うかな?
母や妹が器用に縫い針を操り、足踏みミシンで細々仕上げた作品を使うのがsirousagiの役目
それでも「寝押し」は自分の手で丁寧にやりましたね。
なんと懐かしい一瞬にして中学時代が!
高校生になるといやいやながら
あて布敷いてアイロンがけ、さすがにこれは自分でかけましたがね。
若いころはレース編みや毛糸の編み物をしたりするのは好きでしたが、ミシンで物と作ることはしたことがありません。
我が家は貧乏だったので扇風機もアイロンもありませんでした。中学校は制服ではなかったので、「寝押し」は高校生になってからですね。やはりおしゃれが気になる年頃だったのでしょう。
でも公立なので制服は、今流で言えば「ダサい!」の一言ですね。現在はどう変わっているかは知りませんけど…。
小学生のような短い丈のスカート。
昔のブラウスやスラックスをリホームするのが今の楽しみ。着る予定もないのですが・・
最後はエプロンになったり、エコ袋にしたり
でも100均店に行けばがっくり!
どうなんでしょうか、今の学生が寝押しするというのは聞いたことがありませんね。最初からプリーツがとれないようにしてあるのかも?
裁縫がお得意のようで羨ましいです。うちの母は裁縫とか編み物が苦手でしたので子どもにもやらせませんでした。suri-ribaさんはお母様がお手本ではないですか。女の子には家庭教育は大事だと思いますね。