つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

普天間基地移設問題、3月中に政府案?・・・

2010-03-06 | うんざりしてます
 4日の報道に「鳩山首相は普天間基地移設問題について3月中に政府案を決定することを明らかにした」とあった。しかし、翌日には「私は政府案とは言っていない。政府の考え方だ」と述べたという。政府案と政府の考え方とはどう違うのかよく分からないが、月内に具体的な移設先を絞り込むとは限らない考えと見られるという。
 また、鳩山総理は、辺野古沖に移設する現行案に関しては、「辺野古(への移設)の断念を米国側に打診したことは無い」と強調したという。が、4日の報道では、現行移設計画履行を断念する方針を米側に伝達し、同時にキャンプ・シュワブ陸上部に加え、米軍ホワイトビーチ(同県うるま市)から沖合の津堅島の間を埋め立てる案についても本格的な検討に着手したとあった。一体、どれが本当のことか。総理の発言訂正はいつものことながら、こう軽々しく発言されては国民は戸惑うばかり、国民への情報発信は正確かつ慎重に願いたいものである。

 ここにきて、キャンプ・シュワブ陸上部案と米軍ホワイトビーチ(同県うるま市)から沖合の津堅島の間を埋め立てる案が浮上しているが、これらはいずれも過去に前政権が提示し、米側に拒否された案だという。「大山鳴動して鼠一匹」のたとえではないが、あれだけ豪語しておきながら、前政権が提示し拒否されたものしか出せないというのは情けない限りである。これは、与党の施策には何でもかんでも反対し、批判する野党の習性から、元々何の策もないまま選挙目当てに「国外・県外移設」を唱えたに過ぎなかったということだろう。
 この陸上部案は現行案と比べ、住宅地に滑走路が近づき、騒音や事故の危険性が高まることから住民はもちろん、沖縄県知事、名護市長なども反対の意思を表明している。しかし、この陸上部案の最大の利点は、米軍施設内にあるため、反対派の妨害に悩まされずに工事を進められる。また、地元自治体の権限も及ばず、海を埋め立てないで済むことから県知事などの許認可も不要だとかで、移設工事を強行するにはもってこいの場所だろう。が、既存の米軍基地内への移設なら住民の反対も少なかろうと考えるのは余りにも楽観的である。だいたい、過去の経緯からしても今さら米側がすんなり了承するとは考えにくい。

 名護市辺野古地区が移設先として浮上したのは13年余りも前のことである。それが、今日に至ってなお一層混迷の度を深めていることに、辺野古のある古老は「自公政権がもっと本腰を入れて事に当たっていれば、もっと早い段階で解決していたであろう」と、テレビで語っていたが、至極もっともなことである。13年余りも延ばしに延ばした前政権の無責任さもさることながら、確たる策もないのに「県外・国外移設」を声高に叫び、住民の気持ちをもてあそんだ現連立政権には騙されたという気を抱いても無理はない。
 みんなが納得するような移設先が見つかるはずもないことは、沖縄県民も最初から分かっていただろう。が、鳩山総理があれだけ強く明言したからには、「あるいは…」という希望を持ったとしても不思議ではない。オバマ大統領が昨年11月に来日したとき、「時間がたてば、より解決が困難になる」と指摘したというが、5月中にはと悠長に構えていたツケが回ってきたようである。
 米側は現行案を主張しているという。が、それでもなお、鳩山総理は「ベターでなくベストを探す」という。しかし、政府案を決定しても、それから沖縄住民の了解を得、米国側との交渉・合意に至るにはもう時間がないということくらい素人の私にでも十分に分かる。沖縄県知事は「政府から何の説明もない」と怒りをあらわにしていたが、もうそろそろきちんとした移設案が出てもいい頃だろう。

 3日、朝日新聞に、普天間基地移設をめぐり、現行合意の交渉に米政府代表としてかかわったローレス元米国防副次官のインタビュー記事が掲載されていた。要点のみ抜粋すると、『キャンプ・シュワブ陸上案は不十分として退けたうえ、鳩山政権が現行合意以外の選択をした場合には、米国は海兵隊の撤退を考える可能性もあると指摘。また、それ以外の代替案もすべて検討済みで、実施可能なものはあり得ないとし、鳩山政権が現行合意である辺野古案以外の案を提示してきた場合には、「(海兵隊は)普天間に居残るしかない」という。しかし、普天間は日米両政府がすでに返還を約束しているうえ、安全や騒音の問題も深刻であることから、「継続使用となっても長続きはしない。最終的に海兵隊は撤退しなければならなくなる」と語ったという。
 もし撤退となると、沖縄にとどまらず他地域の基地にも影響が及ぶ可能性を指摘、結果として、日米同盟の抑止力を損なうだけでなく「アジア太平洋地域全体の米軍の兵力配備・構成も大きく変更する契機となる」可能性にも言及した。』というのである。

 あと2ヶ月余、このまま先延ばして、結局、辺野古へということになれば鳩山政権はどうなるか、お分かりかな? 
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2 コメント

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基地の移設 (おくだっち)
2010-03-07 07:43:20
自民党時代に、米と行き先ありきの約束をし、国内調整をしていたとしか考えられません。
与野党逆転して、民主以外の各党がうろたえたような反対を唱えるのもそのためではないでしょうか。
何れにしても、今は八方塞がりの状態。解決するには、米が妥協するようなお土産が必要でしょうね。
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Unknown (オールドレディー)
2010-03-07 09:44:11
♠おくだっちさま
鳩山総理は事あるごとに沖縄の住民の思いをいいますが、外交のこととなると住民の思いを優先しては政治はできないと思います。結局、きれいごとでしかなかったのです。
マニフェストにしても期待を抱かせながら、どれも中途半端です。借金を増やすくらいなら中止することも止むを得ませんが、この普天間問題は景気も世界情勢も関係なく、いいわけの理由に何をあげるのでしょうか。
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