つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

最近読んだ本・・・

2008-06-20 | 私事ですが
 私の趣味は、旅、スイミング、お絵かきと読書。読書といえば高尚だが、なんてことはない推理小説である。昔から推理小説が好きで、それも松本清張のような社会派推理小説、とくに長編で読み応えのあるものが好きだ。新刊書は高いので、文庫本しか買わない。大体毎月3冊くらい買うのだが、夜寝る前に少しずつ読むのが習慣になっているので、1ヶ月に3冊あれば足りる。
 若い頃は推理小説を読み始めると寝られなくなって夜更かししたものだが、最近は読んでいると眠くなるから、催眠剤の代わりというわけだ。だから、次の晩に続きを読むと、前夜読んだところの記憶があいまいで、また前に戻って読み返すという具合でなかなか前に進まない。

 昔は、西村京太郎、森村誠一、斉藤栄、宮部みゆきなどの作品を読んでいたが、最近は横山秀夫、今野敏、乃南アサ、雫井脩介、天童荒太などの作品が好きである。
 本屋へ行くと文庫本のコーナーへ行き、まず分厚い本を探す。そして作者の経歴を見て、次にカバーの裏面のあらすじを読む。それから最初のページをざっと読む。これは以前に読んだのに忘れていることがあって、読んでいくうちに「あれっ、これ読んだわ」と気づくことがあり、二度も同じ本を買ったことが悔しくてならなくなるからだ。
 推理小説は犯人がわかっているから読み返しはおもしろくない。だから、読んだ本はまとめて古書買取店へ持って行くのだが、1冊50円くらいにしかならない。700円前後の、一度しか読んでない新品同様の本でもそんなものだ。

 最近読んだ本でおもしろかったのは警察小説の、今野敏著「隠蔽捜査」。連続殺人事件の犯人は現職警官、それを隠蔽しようとする警察庁・警視庁キャリアの主導権争い、圧力、責任問題など、警察組織内を赤裸々に描いた作品でなかなかおもしろかった。これは昨年3月にテレビドラマにもなった。警察庁のキャリア官僚・竜崎伸也に陣内孝則、警視庁刑事部長・伊丹俊太郎に柳葉敏郎というキャストだったが、ドラマのあらすじはサイトをどうぞ。
 この「隠蔽捜査」の第二弾とも言われる「果断」(新潮社)で、今野敏氏が山本周五郎賞と日本推理作家協会賞のダブル受賞を受けたという記事をみつけた。今野敏氏は1978年デビューで作家歴30年の、まだ52歳という若さである。180センチの長身に、がっしりした体格、「空手道今野塾」の塾長を務めているという。
 「果断」が文庫本になるのは2、3年先だろうが、それまで楽しみに待とう。

 もう1冊、横山秀夫著「震度0(ゼロ)」である。阪神淡路大震災の朝、警務課長が失踪。調査を始めた県警警察本部、警察庁キャリア組と準キャリアと地元ノンキャリア、キャリア同士とノンキャリア同士の対立。さらに警務・警備・刑事・生活安全・交通の各部署の部下たちがセクションを越えて、腹の探りあい、地位をめぐる駆け引きなどを展開する。
 警務課長失踪が世間に知られる前に解決したいキャリアたちは、おのれの保身のためには阪神淡路大震災のことなど眼中にない。一刻一刻、拡大してゆく大震災の被害状況と事件の展開を絡めながら、幹部とその妻たちの様子をそれぞれ時間追って構成している。1人の準キャリアを除いては阪神淡路大震災にまったく興味を示さないキャリアたち、小説とはいえ、警察組織内部が本当にこのようなものだったら最悪だ。だが最近の官僚組織の劣悪さをみれば警察機構とて、案外こんなものかもしれないと思ったりもした。
 この本には「あとがき」とか、「解説」とかいうものが一切ない。どういう意味合いを持つのか、「あとがき」のないのも珍しい。
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8 コメント

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Unknown (はなはな)
2008-06-20 09:25:08
こんにちは!
趣味を尋ねられると、読書が真っ先にあげられたのは過去の話で、めっきり本を読まなくなって数年。
ブログ内でも、読書通の方々は文章がお上手で、感心してます。
反省を兼ねて、復活させねばと思ってるところですが、文庫本どころか、できる限り(お目当ての本があれば)図書館から借りてる次第です(苦笑)。

私は推理小説は、ほとんど読まないので、どの作家さんがお勧めなのか、皆目検討付かなかったので、記事が参考になりましたよ!

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Unknown (オールドレディー)
2008-06-20 13:09:16
♠はなはなさま
「湖畔のアトリエ」という本はいかがでしたか?

私も昔は昼間でも本を読んでいましたが、今は眠り薬の代わりに夜しか読みません。
いつまでも頭の体操のつもりで、大した本は読みません。

若いときにはロマンチックな恋愛小説を読んだものですが、今ではもう色気は要りません。
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読む本 (ばーば)
2008-06-21 00:39:24
レディーさんの読むのは、ほとんど男性的な感じの本ですね。
横山秀夫は「半落ち」から読み始めました。 警察小説ってけっこう面白いです。私ももう少し心が元気になったら、今野敏の本にも挑戦してみたいと思います。

若い時は恋愛小説を読んで感動していましたが、今では恋愛小説はとっても苦手です。 
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Unknown (オールドレディー)
2008-06-21 09:29:47
♠ばーばさま
私も若いときは恋愛ものを読んでは、ヒロインになったような気になったりしていました。
今はだめですね。テレビドラマでも色気がなくなったのでしょうか、恋愛ものはだめですね。枯れてきたということでしょう。

刑事ものや政界をモデルにしたような社会派のものが好きです。
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警察小説 (北斗 裕二)
2008-06-21 12:43:59
レディーさん、皆さん、こんにちは
「警察小説」、興味深く読ませて頂きましたよ。
たまに本や文庫本を買いますが、途中までしか読んでないです
警察は毎年100人単位で警察官を募集しているので、いろいろ大変なんだと思います。
制服は凛々しく見えますが、仕事がキツイのですぐ辞めるようですね。
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Unknown (オールドレディー)
2008-06-21 14:57:28
♠北斗裕二さま
どこの世界でも醜い争いはありますが、それは上層部のこと、末端の人たちは林警部のような人もたくさんいます。

私の知っている人に普通の高校出で、こつこつと勉強して警視正に、警察署長を歴任し、最後は警察学校長で退任という、本当にまれな例もあります。

キャリアというのは不合理だと思います。若くして何の経験もないのに東大出というだけでもう将来が約束されています。

こつこつとたたき上げの老刑事がキャリアにあごで使われるなんて、小説にはよくありますね。


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本は図書館で (ヒキノ)
2008-06-21 15:02:38
昔は本屋さんで買いましたが、買わなくなりました。私の村に本屋さんが無いということもありますが、お金の節約かな。
図書館で借りるのが主体です。1回で20冊借りられます。いまは3つの図書館のカードを持っています。新刊などの検索はどの図書館もPCでできまから電話予約もできます。無い本はベツの図書館からとってくれます。
といってもぜんぜん買わないわけではありません。いまはamazonでの通販です。古書も新刊もあり新刊は1500円以上送料無料。古本は全部360円取られますが100円とかいうのもありますから新本よりは安く入ります。到着は翌日から数日ですから本屋さんの注文取り寄せより早いです。
横山秀雄の本は好きです。本に解説の無いのは一般的には新刊で小説で単行本という上製本の場合です。文庫本はたいがい解説があります。この本は早速借りてみます。
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Unknown (オールドレディー)
2008-06-21 19:14:49
♠ヒキノさま
どうも図書館の本はダメなのです。

無駄遣いでも本だけは買います。

横山秀夫の本はどれも好きです。
この本は最後の最後で思いがけない真実が…。
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