つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

子どもの安全を守るのはだれ?・・・

2008-09-25 | やりきれません
 福岡県と千葉県で、相次いで幼い子どもが殺害された。特に福岡県の、犯人が母親だったという事実がなんとも腹立たしくて、テレビに映し出される少年の愛らしい顔を見ていると痛ましくてならない。
 私はこの事件の第一報が報じられたとき、何の根拠もないのだが、“もしや母親が…”と、一瞬そう思ったことが忘れられない。でも、葬儀で親族に抱えられ憔悴しきった母親を見ていると、とてもあんな隠蔽工作までした犯人だとは思えなかったし、思いたくもなかった。
 が、やはり…。犯行の動機が明らかになっているが、どんな事情があろうとも幼いわが子の言葉にカッとなって首を絞めるなんて…。そして、衝動的だったといいながら数々の隠蔽工作をし、悲劇の母親を演じ続けるなど、鬼畜に等しい非道な所業が理解できない。

 また、千葉県の5歳の女児の殺害状況には薄ら寒さを覚える。丸裸にして雨の降るコンクリートの階段に置き去りにするなんて、人間のやることではない。12時ごろには病院にいたことが確認されているというが、それから発見されるまでのわずか30分足らずの間に、殺して衣服を剥いで300メートル離れた場所に捨てに行く。それも日中の、人の出入りの多い病院の近くである。なんと大胆な犯人であろうか。
 自分の祖父の経営する病院といえば我が家も同然であろう。そこも安全な場所でないとしたら恐ろしいことである。

 もう今の日本には、子どもが安心して遊べるところはどこにもないのかと情けなくなってくる。わが家の道路一つ隔てたはす向かいに小学校があり、窓から校舎がよく見える。毎朝始業のチャイムが聞こえ、年長の子どもが校内放送をする声が聞こえる。下校時になると町内のお年寄りやボランティアたちが通学路のあちこちに立って、子ども達を見守っている。それはそれで安心ではあるが、子ども達は道草ひとつできないのがかわいそうでもある。
 最近は家に帰った子ども達が友達同士外で遊んでいる姿を見かけることも少なくなった。親が働いている子ども達は近くにある学童保育所に行き、夕方までそこで過ごすのである。時折、通りすがりに窓越しに中をのぞくと、あふれんばかりの子どもの数で、せま苦しいところで机の前に並んで座っているのが見える。小さな銀行の支店跡の建物なので狭くて遊ぶ場所などはない。これでは子どもらしい時間を過ごすこともできずかわいそうだなあと思うのだが、子どもの安全を考えれば仕方ないことかもしれない。

 私たちが子どもの頃は、授業が終っても学校に居残って先生の手伝いをしたり、今のように学校から早く帰れと追い立てられることはなかった。友達と道草しながら帰るので家につくのは何時になるやら決まっていない。それでも親は心配などしなかったように思う。また、学校から帰ると約束したわけでもないのに三々五々集まって、いろんな遊びをして日の暮れるのも忘れるほどだった。
 昔は町内の大人みんなで子ども達を見守ってくれていたように思う。しかし、昨今の個人情報保護法の施行で、町内会長といえども町内の住人のことが何も分からないという有様である。これでは向こう三軒両隣の人間関係が希薄になり、他人の子どもを見守るという意識などなくなるのも当然であろう。
 また昔のように子どもが安心してのびのびと遊べるような平和な社会をつくることは、政治を司る人たちの責務でもある。
コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 選挙目当てのエサはいらない... | トップ | ちょっとショック! »

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感です (はなはな)
2008-09-25 15:26:25
こんにちは。
この様な尋常でない犯罪をするのは、精神状態+脳機能の異常もある様ですね。私自身、思うところがあり、今・養老 猛さんの「バカの壁」を読んでるのですが、参考になってます。

結局・人間は、人との温かい繋がり・心の触れ合いなくして、正常には生きていけないのでしょうね。
幼少期から、そこが希薄な社会で過ごす人間が増えていくのは、堪ったものではないですね。

自ら人の輪に交わっていく積極性も必要だと思いますし、早急な対策は必須だと思います。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2008-09-25 17:57:13
♠はなはなさま
わが町でも小学1年の女児が自宅の玄関口で殺され、4年目が来たのに未だに犯人がつかまらないという事件がおきました。

子どもを平気で殺すという神経がどうにも理解できません。
今テレビで千葉県の女児の母親の手記が紹介されています。祖父母はいても母と子の2人暮らしだったそうで、その悲しみは想像できません。

次々とおかしな犯罪が起きるのも社会環境に原因があると思います。
子どもを持つ親の不安はいかばかりか、もっと地域の人の輪を広げて子ども達を守らなければなりませんね。
返信する
さよならです ()
2008-09-26 06:07:50
 レディーさんへ

 ガンが再発しましたので、地元の病院へ29日に入院します。

 もう二度とブログは書けないでしょう。レディーさんには、お世話になりました。どうかお元気でお過ごし下さい。   亮
返信する
地域力 (ハトポッポ)
2008-09-28 22:39:08
地域力です。
向う三軒両隣はもちろん、学校、スーパー、いろんなところで関わりを持つべきです。
最近は共働きもあってなかなか機会がないという話も聞こえますが、めぐり巡って自分の子供、そして地域のためになると思ってできるだけ助けあいたいもの。
さすれば、例えば「オハヨー!」と声掛けたとき、
「誰?このオッチャン!」
と言われショックを受けることも無くなります...
返信する
Unknown (オールドレディー)
2008-09-29 08:41:46
♠ハトポッポさま
おっしゃるとおり「地域力」です。でも、最近は町内でもお付き合いをしているのは年配者がほとんどで、若い世代になると面倒な町内の付き合いは敬遠されがちではないかと思います。

わが市では「あいさつ運動」を励行している学校がたくさんあります。通りすがりに「こんにちは」と声をかけられるとびっくりしますが、気持ちいいですね。
これも田舎ならではのことで、都会でもできるのでしょうかね。

どこの子どもでも可愛いって思う気持ちが大切なのですね。
返信する

コメントを投稿

やりきれません」カテゴリの最新記事