つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

選挙目当てのエサはいらない!・・・

2008-09-23 | どう思いますか
 先日テレビで、舛添厚生大臣が「後期高齢者医療制度を抜本的に見直す」と発言、それには麻生さんも同意した発言をしている。しかし、見直すのはいいが、タダではすまないのである。
 見直すべき問題点に、75歳という年齢の線引き、年金天引きの強制、世代間の対立の助長、などを挙げている。しかし、たしか天引きは申請すれば口座振込みが選択できることになったはずである。また昨日、「年齢区分に変更なし」と厚生省幹部が言ったとか。舛添大臣の発言は根幹から見直すかのように聞こえたのだが、どうもそうではないらしい。
 制度が実施されてから5ヶ月、日本人はおとなしいからすぐにあきらめて、今ではそれほど不平不満の声は聞こえなくなっている。それなのに、なぜ今ごろ寝た子を起こすようなことを言うのか? このタイミングはどうみても選挙目当てのエサとしか思えない。
 この制度の施行までにどれだけの税金が使われたかしれない。ましてや民主党がいうように旧制度に戻すとなれば、無駄に使われた上にまた多額の税金が使われるのである。今の日本にそれほどの余裕があるのだろうか。
 どんな制度でも国民の全てが納得して受け入れるなんてことはありえない。医療制度を維持するため、若い世代の負担を軽減するために本当に必要な制度ならばやらなくてはならないし、それには多少の犠牲もやむを得ないだろう。その犠牲が高齢者であるというのは気の毒ではあるが、高齢者を一括りにするのもどうかと思う。高齢者の中には裕福な人が多いのも事実で、私の周りにも高齢者はたくさんいるが、その人たちがこの制度に対して不満を口にするのを聞いたことはない。本当に暮らしてゆけない低所得者にだけ優遇措置を適用し、裕福な高齢者には応分の負担をお願いするというのは仕方のないことだと思う。
 大体、この制度は小泉内閣時代に強行採決されたものである。施行されるまでには2年間の猶予があったのだが、その間に野党は見直しを要求することもできたはずだが、何もしなかった。それなのに、いざ施行されて高齢者の不満が高まると、それに乗じて与党を攻撃し廃止を唱える、結局はそれも野党の選挙対策なのである。
 政府もおかしい。いくら民主主義で国民の声を無視できないとしても、やれ見直しだ調整だのと、オタオタするから信頼されなくなるのである。ましてや国民の支持率が低いから、うまく事が運ばないからといって、トップが政権を放り出すなどは国民をより不安に陥れるだけである。
 小泉さんがいい例ではないか。民営化には多くの不安材料があり、国民みんなが諸手を挙げて大賛成というわけではなかった。だが、小泉さんの信念を貫く確固たる態度、あの自信たっぷりの物言いに国民は洗脳され、衆院選で与党が圧勝、郵政民営化は大手を振って施行されたのである。
 小泉さんのカリスマ性に、言い方は悪いが、いつの間にか国民はうまい具合に丸め込まれ、信じ込まされてしまったのである。だが、いつの場合も国民は、「俺についてこい」というぐらいの強いリーダーシップを、また、いざというときには腹を切るぐらいの気骨を持った責任感のあるトップを求めているのである。少々強引なやり方でも、国民は「あの船頭に任せておけばまあ大丈夫だろう」、そういう船頭のあやつる日本丸に乗りたいのである。

 茶番劇は終った。麻生さんの新総裁は最初から決まっていたようなもので、別に驚くこともない。次の関心事は近いうちに行われるであろう総選挙だ。この選挙であるいは日本の行く末が変わるかもしれない。となれば、国民も1票の重みを感じないわけにはゆくまい。もし政権交代ともなれば、麻生さんは歴代の中で一番短命な総理大臣となるかもしれない。誰がなっても同じようなものであるが、国民という客を置いて船頭が先に船を下りるようなことだけはもうごめんである。
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4 コメント

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Unknown (うらら)
2008-09-23 14:06:54
政府の「財源がない」の一言で増税やら今まで考えもしなかった新しい制度の出現
官僚は仕事をしたくなく与党も、今の制度を維持していたいばっかりだと私は考えます
高齢化になったら、価値観や発想の展開で
今までの政策の方向を速やかに変えればいい
私どもはこれ以上の負担はハッキリ言ってしたくない
国の無策な政策の犠牲にはなりたくはありません
他国の事情に左右される経済国なんて何時かは破滅に向かい、気が付けば、何一つ自給自足が出来ない国になっていたりして
核等持てない国ですから一回り小さな国になっては?鎖国をする訳では無いのですから
そんなに世界に遅れる事が重大な問題なのか?
他国に迷惑をかける事無く慎ましやかに(笑)
国の権威は政治家だけのもの
私は国の権威より小さくても心が豊な方がいい
少しかっこよすぎるかな

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Unknown (オールドレディー)
2008-09-23 18:29:35
♠うららさま
費用も掛からず簡単に変更できるのならいくらでも見直していい。だが、タダでできるものはないのです。

官僚も政治家も自分の懐が痛まぬからいくらでも無駄金を使います。
初めから見直しなどしなくてもいい制度をじっくり時間をかけて作ればいいのですよね。

民主党が無駄をなくして財源を作るといいますが、今まで長い間誰にもできなかったのに、政権交代したらできるのかという疑問がわきせんか。

でも、ここらで少しでも変わらなくては、このままでいいはずはありません。
次の総選挙はいい加減な候補者を選ぶのは止めなくては…。








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所詮は自分のためです ()
2008-09-24 13:42:13
 レディーさん、

 今朝テレビで「憲政の神」と言われた尾崎行雄のことが報じられました。尾崎氏の話によると、政治も所詮は企業と同じで、自分のために動くとの事です。

 国のため、民衆のため、などは所詮は名目で中味は自分のために動いていると言うのです。尾崎行雄は私の郷土である三重県の政治家ですが、選挙運動なと何もしなくても、何時も上位で選出された代議士でした。

 「空らごと、たわごと、誠あることなしに...」昔、親鸞上人の言ったように、この世の中に真実はないのかも知れません。

 そのうちに地球に大変動が起こり、カタストロフィーが起こるかも知れませんね。そうなると人類は再び「ノアの箱船」の歴史の再現です。
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Unknown (オールドレディー)
2008-09-24 13:55:50
♠亮さま
昔は政治に無関心でした。いい意味で無関心でいられたのです。それは今のようないいかげんな政治家は少なかったから、任せておいても大丈夫という気があったのだと思います。

今の政治家は志に燃えてという人はいません。たとえいても、世襲議員ばかりの政界では育つことは難しいのだと思います。

総選挙で国民の真意がどう出るか、民主党にも自民党にも一長一短あり、迷います。

愛読紙の連載小説「親鸞」を毎朝楽しみに読んでいます。
まだ幼少の忠範時代ですが、この頃から並みの子供ではなかったようですね。
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