山口県周防大島物語

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青大将の今昔

2022年07月22日 06時52分42秒 | 周防大島今昔物語
ひと昔まえの加山雄三の「若大将シリーズ」に出てくる青大将の話ではありません。


今は昔、蛇の一種の青大将が大島ではどこでもウロウロしていましたね。
田圃では蛙をとるために沢山泳いでました。

石垣では日向ぼっこをし、人が近づくと巣穴の石垣の奥に隠れます。

人の住んでる家には一匹や二匹はいました。
屋根からぶら下がったり、仏壇の下や押し入れまで寝床にしていました。

ただ昔の人は女性は「ぎや~」と叫んで大騒ぎをしていましたが、男の殆どを
無視するか、つまんで外に放り出す程度でした。

1Mから1.5M程度の蛇は気持ち悪いですが、青大将は毒はありませんので怖い
ことはありません。

当時は家にはネズミがどの家にも多くいてそのネズミを狙って青大将がきます。
また屋根の軒先には瓦の隙間にスズメが巣を作ります。そのスズメが産んだ卵を
狙って青大将がどうして登るのか分かりませんが屋根の上まで来ます。
呑み込んだ卵は腹の中では消化しませんので、屋根の上から自らの身を投げ出して
地面の落ちて卵を割ってから何食わぬ顔をして去っていきます。

ネズミは害虫です、スズメも米を食べるし、瓦屋根の下の赤土を掘出して巣を作るので
困り物です。

よって昔はネズミとスズメをやっつける青大将は人間にとっては益のあるものだった
のです。

現在は台所では食料の保管庫や冷蔵庫の普及によりネズミはめっきり少なくなりました
米も昔ほどありがたい食料とは思われなくなりましたのでスズメにも寛容になりました。

そのスズメも少なくなりました。

昔はどの家でも寝ていると、屋根裏をネズミが走りまわっていましたね。
そこで、急にネズミの動きがピタと止まることがあります。

そこにズル、ズルと蛇の徘徊が始まり、数分後のネズミが「キ~」と断末魔の叫びを
あげます。青大将に呑み込まれた瞬間です。

その後、青大将は重くなった身体をズル~ズル~と引きづりながら去っていきます。

そして畳の上の人間は安心して眠りにつきます。

つれづれなるままに・・・


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