沖縄の地に赴任を命ぜられ、降り立った1986年10月の初めだった。
空港近くの基地の金網や路傍にたくさん咲いていた。秋も半ばなのに、まだ朝顔が咲いているという驚きと花の素朴な感じが印象的だった。
この花の名は知らないが土地の人は「ひるがお」という。
年中咲いているので珍しくもないが、よく観ると清楚でかわいい。
この季節が特に美しく見えるのは気の所為かな?
梅雨の中休みが1週間ほどあった。今日までだと言う晴れ模様。
明日からは雲と傘マークが途切れることなく予報に出ていた。
先日のテレビ報道では、沖縄のダムの水位が下がっていると心配していた。
県民の命の水、ダムはすべて北部にある。いわゆるヤンバル(山原)地方にある。
テレビを観ながら友人が、
「南部に降らなくて北部に降ればいいのにねえ」
と誰かが云ったそうな。
「何よ、水を使っているのは南部でしょう。そんなところの人のために、私たちだけが難儀しなければいけないのよ!」
と怒りあらわにして抗議をしたそうだ。
なるほどねと納得する。
県民の大半は恩納村以南のうるま市、沖縄市、宜野湾市、浦添市、那覇市、豊見城市、糸満市の本島中南部に住んでいるのだ。
沖縄に着任した頃、
「台風が沖縄に近づいているのに、NHKもどのテレビも放送さへもしない」
と憤慨するウチナンチューをよく目にした。
そういえばそうだと、言われて初めて気付いたものだ。
「台風が沖縄に上陸してもちょっと触れるだけ。ところが、台風が本土に向かうかもしれないと予報が出ると、大きなニュースとして取り上げ、大騒ぎする」
これは差別だと言うのである。特に、NHKでもローカルニュースで取り上げるだけ。そのNHKが本土に近づくとなると大騒ぎする。ニュースの時間毎に何日も前か大きく取り上げる。
「これじゃ怒るわ」と一緒になってNHKの理不尽さを批判したものだ。
それから2,3年後、東北の福島県に仕事で1年ほど通っていたときの話である。
仕事を終え、仲間たちと一杯やっているとき、話題が「台風報道」の話になった。
沖縄県民の憤慨をを代弁した。
「いやあ、NHKはとぼけてるよ」
と普段おとなしい仙台生まれのS君が気色ばんで叫んだ。
「だよなあ」
S君曰く、
「先日、台風が東京で吹き荒れていて、その後、仙台に向かった。
そうしたら、NHKは”台風は無事通過しました”って云っているんだ。仙台は暴風圏内で吹き荒れているんだよ。みんな怒ったよ」
沖縄の人たちにこのことを例に挙げてよく話をする。
沖縄への差別ではなく、中央にいる連中の地方蔑視だと。
ナイチヤーが云っている事がすべて日本の常識ではないことも話題にする。
地方により、風習も違えば言葉も違う。
「沖縄ではこんなにするのか。それはおかしいよ」
というヤマトンチュー(本土の人間)が多い。己の知識や経験が日本の常識だと思っている。その場に自分が居合わせれば、
「あなたはどこの方?どこからみえたの?}
と訊くことから始める。
「それはあなの地方のことでしょう。わたしの地方ではこうですよ」
と。
自分もよく失敗するが、訪ねた先への配慮をするのがマナーだ。
「沖縄ではそういう風にやるのか。私の地方ではーーーー」
とひと言付け加えれば、いたずらにウチナンチューの誤解を招く事はない。聞いていても心地良いものだ。
というわたしも、よくミスってしまう。
空港近くの基地の金網や路傍にたくさん咲いていた。秋も半ばなのに、まだ朝顔が咲いているという驚きと花の素朴な感じが印象的だった。
この花の名は知らないが土地の人は「ひるがお」という。
年中咲いているので珍しくもないが、よく観ると清楚でかわいい。
この季節が特に美しく見えるのは気の所為かな?
梅雨の中休みが1週間ほどあった。今日までだと言う晴れ模様。
明日からは雲と傘マークが途切れることなく予報に出ていた。
先日のテレビ報道では、沖縄のダムの水位が下がっていると心配していた。
県民の命の水、ダムはすべて北部にある。いわゆるヤンバル(山原)地方にある。
テレビを観ながら友人が、
「南部に降らなくて北部に降ればいいのにねえ」
と誰かが云ったそうな。
「何よ、水を使っているのは南部でしょう。そんなところの人のために、私たちだけが難儀しなければいけないのよ!」
と怒りあらわにして抗議をしたそうだ。
なるほどねと納得する。
県民の大半は恩納村以南のうるま市、沖縄市、宜野湾市、浦添市、那覇市、豊見城市、糸満市の本島中南部に住んでいるのだ。
沖縄に着任した頃、
「台風が沖縄に近づいているのに、NHKもどのテレビも放送さへもしない」
と憤慨するウチナンチューをよく目にした。
そういえばそうだと、言われて初めて気付いたものだ。
「台風が沖縄に上陸してもちょっと触れるだけ。ところが、台風が本土に向かうかもしれないと予報が出ると、大きなニュースとして取り上げ、大騒ぎする」
これは差別だと言うのである。特に、NHKでもローカルニュースで取り上げるだけ。そのNHKが本土に近づくとなると大騒ぎする。ニュースの時間毎に何日も前か大きく取り上げる。
「これじゃ怒るわ」と一緒になってNHKの理不尽さを批判したものだ。
それから2,3年後、東北の福島県に仕事で1年ほど通っていたときの話である。
仕事を終え、仲間たちと一杯やっているとき、話題が「台風報道」の話になった。
沖縄県民の憤慨をを代弁した。
「いやあ、NHKはとぼけてるよ」
と普段おとなしい仙台生まれのS君が気色ばんで叫んだ。
「だよなあ」
S君曰く、
「先日、台風が東京で吹き荒れていて、その後、仙台に向かった。
そうしたら、NHKは”台風は無事通過しました”って云っているんだ。仙台は暴風圏内で吹き荒れているんだよ。みんな怒ったよ」
沖縄の人たちにこのことを例に挙げてよく話をする。
沖縄への差別ではなく、中央にいる連中の地方蔑視だと。
ナイチヤーが云っている事がすべて日本の常識ではないことも話題にする。
地方により、風習も違えば言葉も違う。
「沖縄ではこんなにするのか。それはおかしいよ」
というヤマトンチュー(本土の人間)が多い。己の知識や経験が日本の常識だと思っている。その場に自分が居合わせれば、
「あなたはどこの方?どこからみえたの?}
と訊くことから始める。
「それはあなの地方のことでしょう。わたしの地方ではこうですよ」
と。
自分もよく失敗するが、訪ねた先への配慮をするのがマナーだ。
「沖縄ではそういう風にやるのか。私の地方ではーーーー」
とひと言付け加えれば、いたずらにウチナンチューの誤解を招く事はない。聞いていても心地良いものだ。
というわたしも、よくミスってしまう。