ゴッドハンド信仰、がこの世には蔓延っているようで、私はそれがとても嫌。
凄腕DRがオペすれば、それで後は何事もなく治る、なんてのは幻想です。
私の父は、整形外科の世界でそれこそゴッドハンドと崇められ、順天堂の整形を背負ってする手術とかして来た凄腕DRでした。
その父が、私に厳命したことが、手術したらその患者さんの予後に物凄く注意をしろ、と言うことでした。
必ず翌日に状態を見に行って、経過を注意深く診なければならない、と教えられました。
偶然ですが、お師匠様も私に同じことをお教え下さいました。
だから、私は自分がした手術の患者さんは、基本的には翌日、どうしても仕方がない場合には一番早く来れる日、で診察させていただくようにしています。
そして、必要に応じて、適時メインテナンスの処置を行います。
そう言うことをしているから分かることですが、やはり即時荷重インプラント、歯周再生手術、下顎の親知らずの抜歯とかしていると、適時メインテナンスの処置をすることで、危険回避すること、未然の事故を防ぐことが出来ている、と強く感じています。
私の手術が治りが良い、トラブルの起こる確率が物凄く低く、業界の常識超えて上手く行くのはそのお蔭だ、と明言出来ます。
それを、患者さんが理解出来ないで、非協力的で手術したら次は2週間以上とかの方が問題を起こします。
これは物凄く重要な、我が業界の新たな正しい概念だ、と私は信じています。
なのに、海外始め国内でもインプラントしているかなりの方々が、手術したら次に患者さんに来院していただくのは2週間後、と言うのが業界の常識になっています。
その理由は、手術したら翌日翌々日腫れたり痛んだりするのは当たり前で、そう言う患者さんが辛い時期にDRと会ったら、感情的にこじれる状態に陥る、それを防止するには、炎症が去って大丈夫になっている時期に来て貰うのが良い、と言うことなのです。
病院外科の世界なら、入院させて管理下に置きますから、トラブルの発生はかなり防げるでしょう。
しかし、歯科口腔外科の世界では、入院させない、日帰り手術が一般的ですから、術後管理が患者さんの責任になってしまいます。
失礼ですが、患者さんは所詮素人さんなので、ちゃんとしようと思っていてもなかなかちゃんと出来ないモノです。
病院外科の世界、医療側の完全看護下にいた父ですら、入院してる患者さんの様子を翌日とかに診に行って自分のした手術の予後を診て来たそうです。
なのに、我々の業界では、患者さんに会うと困ったことになるから次には2週間後。
ハッキリ言って、そこまで、私は自分の手術に自信がありません。
だって、患者さんは素人さんで分かんないんですから。
良かれと思って、患者さんがすることでとんでもないことに到った経験談は、語り尽くせない位沢山あります。
代表例は、下顎親知らずの抜歯して、食物が入るのが良くないと思って綿棒で歯を抜いた穴の中を毎日掃除してた、と言う患者さんがいました。
結果、骨髄炎になってしまって、全身麻酔下で病気になった方の顎の臼歯部の全抜歯、と言う悲劇を経験しています。
こんな悲劇は、医療側が直ぐに診て指導して置けば防げること、です。
この患者さんの場合には、私が抜いている患者さんではないですが、やはり来院数が少な過ぎなんです。
なので、私はドクターXでもないし、ブラックジャックでもないし、父ほどの凄腕でもないので、出来る限り翌日とか定期的に来ていただき、患者さんに正しい知識をお教えしご協力を仰ぐ、としています。
特に即時荷重インプラントを為さる先生方には、翌日のメインテナンス、特に咬合調整を精密にしていただきたい、です。
総義歯と同じ考え方で、翌日の調整こそ最も大事、お師匠様の教えです。
麻酔が切れて、顎の感覚が戻って、その時に精密に調整すること、が凄く重要です。
だからこそ、患者さんと安心して手術翌日に会える為の、痛がらせない腫らせない低侵襲手術、が鍵を握るんです。
余談ですが、手術の2週間後、なんて凄い自信家だなー、とある意味尊敬しちゃいます、私。
再び生意気ですが、私ほどの手術出来る者でも、超怖がりですし用心深いんです。
PS:All-on-4全脱落、顎骨喪失、とか言う悲劇がもう絶対に起こらないような業界にしないといけない、と思います。