2017年仕事始めでした。
facebookでこの写真が上がって来ていて、久しぶりにシェアしてアップしました。
と同時に、自著なのですが、読み返してみて、自分が書いたとはと感心するような内容のものに、何だか過去の自分に諭されているような気分になりました。
この本は2007年から始まった歯科医療の連載8回分を、不足しているなと思われる所を加筆して、2009年当時の最新情報を出来る限り載せる形で出版してモノでした。
なので、書き始めの時には2006年、もう10年以上も前、解説に使わせていただいている症例なんかもその時に成果、結果として出せるモノを出来るだけ入れると意図していたので、古いモノで2000年、新しいモノでも2005年じゃないかと言う、本当にあの時代に良くやって来たな、という記録そのものの内容でした。
幸いにして、私は恩師に恵まれていて、添島先生、ラム先生等々の導きで、預言を外すことなく時代が漸くこの書物の内容に追い付いて来たな、と言う感じを受けました。
本当に真摯に即時荷重インプラント治療、低侵襲外科手術、早期治癒に取り組んでいたな、と一所懸命、必死だったな、と読み返しながら感じました。
でも、その必死さ直向きさに、患者さんの為に成功させよう、チャンと治して差し上げよう、と念じて治療し続けていたんだ、と思い返させられました。
あの頃、10年以上前、私は逆風そのものに立ち向かって、患者さんの為、自分を信じて頼って来てくれた方の為、本当に純粋に一所懸命だったんだ、とピュアさ、澄んだ気持ちで臨床に取り組んでいたんだな、と思い出させて貰いました。
変なもんです、昔の自分に叱られてしまってる感じで。
2017年現在では、即時荷重インプラントはまるで出来るのが当たり前、とまでは言わないまでも、そこかしこでたかだか2年3年程度の結果しかなくて宣伝し捲ったり、24時間で全部終われる、とまで豪語する輩まで現れたり、2000年当時たった1人で業界全体に立ち向かって頑張って来た私から見て、実に苦々しい気持ちにさせられる状況があります。
そのせいにしてはいけないのでしょうが、私自身は即時荷重インプラント治療からやや気持ちが覚めてしまっていると言いますか、それ位で来ても別に大したことないのにエラク宣伝するなー、と言う感じがして距離を置きたい、と感じるこの頃でした。
しかし、今日偶々facebookがこの写真を思い出させてくれるアップをしてくれ、久しぶりに自著なのに手に取ってページを捲って見て、ああっと思わされ、濁っていた気持ちが晴れて来るのが分かりました。
他人がどうであろうと、自分は自分であれば良い。
逆風だった時には、応援してくれる方は添島先生以外に本当にいなかった。
でも、患者さんはインプラントで直ぐに綺麗に歯を入れてくれる先生がいる、と必死で探し求めて来られる方ばかりで、そう言う気持ちに報いることだけを考え、無心に世の中の動向云々ではなく臨床を重ねていた。
あの頃の自分が、今の自分から見ると眩しい位に感じたんです。
即時荷重出来ること、インプラント植立直後に綺麗に歯を入れて差し上げられることを達成しよう、と本当に一所懸命だった。
即時荷重出来ることがルーチンに成って来た時に、自信満々で訪れた2003年ラム先生のクリニック。
そこで見せられた、本当に凄い低侵襲手術と即時植立即時荷重インプラント治療。
劇的に手術術式が変革し、全く切り開く手術をしなくなった。でも即時荷重インプラントは進化して行った。
そして、受かった2004年のPRDポスタープレゼン。
低侵襲手術の効果の凄さに自分でも圧倒され、これが必ず未来になると確信し、邁進して、必死で日本人向けに改良・改善を考案し続けてた。
続けて受かった2007年のPRDポスタープレゼン。日本人で2回連続受かったのは私だけ、と言う栄誉まで獲得出来た。
その影響で歯科医療連載もさせて貰えるようになり、世界水準の即時荷重インプラント治療をほぼ世界と同時並行で伝えるようになれた。
そして、自著の出版。
偉かったぞ、自分、と本当に思いました。
有り難いことに、拙著は10年以上前のデータ―ベースで書かれているにもかかわらず、その内容、預言していること、指し示している真理、は全く揺るぎ無く正鵠を射ていました。
が、今では何も知らない若いDR達は、何だ当たり前のこと書いているだけじゃん、と受け取られてしまうかも知れません。
それでも、分かる人には分かると信じて、歴史に1ページを刻む書籍として、私は自著を誇りに思うことが出来ます。
預言書として、ぶれることなく書き綴って良かった。
この書籍とその歴史がある限り、私が即時荷重インプラント治療の本邦のパイオニアであることは証明されています。
あの時の純粋な気持ち、本当に即時荷重インプラント治療は良いモノ、と信じ、患者さんの為にこれを完成させなければ、と信じ切って邁進した日々。
黄金の日々、と言って間違いないでしょう。
今では、私にとって即時荷重インプラント治療は、自分がしている歯周再生治療、咬合再構成治療、顎堤再建治療の有効な手段、として活用されるまでになっています。
ここまでのレベルでの即時荷重インプラント治療を駆使しているDRは、世界を見渡しても早々いない、と私は知っています。
新しい即時荷重インプラント治療の水平線、即時荷重が最終目的ではなく、それを手段・方法として用いて、歯周再生治療、咬合再構成治療、顎堤再建治療をやって退ける。
その治療方法の確立、普及に努める。
あの頃の真摯な自分、第一歩を刻んだ自分の姿を思い出されられ、真摯な気持ちを取戻し、周囲の喧騒に惑わされず我が道を極めて行かなければ、未来の人々の為に貢献しなければ、と気持ちを新たに持たせて貰えました。
あの頃の自分、純粋だった、邁進していた自分に戻り、直向きに臨床に携わる。
2017年リスタート。
頑張ろう!