この患者さんの右上顎のインプラントは17年以上前にさせていただいたモノです。
その噛み合わせの下顎の歯はブリッジでした。
そして今回、残念ながら神経のない歯が割れて駄目になってしまって、又久しぶりにインプラント、となりました。
患者さんは、言われました。
前の時には、インプラントした後、そこの所が歯が暫く入らなくて大変だったよね、と。
で、私は今回はチャンと最初から歯が入るように治させていただくように頑張ります、とお約束してさせていただきました。
しかし、割れてしまった小臼歯の所は、病巣も大きく、骨の状態を悪かったので、即時植立だけで即時荷重修復は避けました。
そうなってしまったので、大臼歯部のインプラントで何とかして差し上げるしかなくなりました。
でも心配は無用で、大臼歯部のインプラントは植立時の力の掛かり方であるトルク値も80N以上と言う、非常に高い数値が得られ、又固定度を調べるペリオテスト値でも-4と言う素晴らしいデータでしたので、無事に即時荷重修復できました。
大臼歯に歯冠作れましたので、そのまま一繋ぎにして小臼歯の方にも伸ばして歯冠を作りました。
これで、見た目上歯がないのは分かりません。
逆にこうすることで、歯茎の治りを良くするように誘導もすることができるんです。
大臼歯部が上手く行って、万々歳でした。
ついでと言っては何ですが、この方の下顎の内側には、凄い骨隆起があったので、それも綺麗に除去させていただきました。
1回の麻酔で、治せるところ、ことは全部して差し上げないと、患者さんは可哀想ですから。
当院では、常に本当はこうして欲しいんではないかな?と言うことを先んじるような治療を心掛けています。
即時荷重インプラントを2000年から手掛けて来たのも、そう言う考えからです。
これからも、建前論ではなく、本音でどうするのが良いのか?と真摯に考えながら、臨床に励みたい、と思います。