西日本豪雨により被災された皆さまへ、 心からお見舞いを申し上げます。
今年、我が家の車庫に初めてツバメが巣を作りました。車庫を建ててから24年、毎年春になるとツバメが中に入り、「巣を作りたい」と、飛び回っていましたが、
防犯上シャッターを開け放しにするのは難しいため、巣作りをさせてあげることは出来ませんでした。
しかし今年は、以前よりもさらに頻繁に入って来るようになり、追い返すのは可哀想だし、折角我が家の車庫を気に入ってくたのならばと、こちらも腹を決めて、
巣立ちのときまでシャッターを開けたままにして見守ることにしました。 春から夏にかけて3ヶ月近くの間、ツバメ(も人も)出入りできる状態になり、過去
には近所の車庫で盗難が発生したこともあるので、遠くからでも侵入者が分かる強力なビームライトと録画が出来る監視カメラを設置しました。幸い現在までの
ところ防犯カメラがに映っていたのは私の姿だけです。
☆ 巣は、車庫の壁にあり、その直下にはフンを受けるための板を取り付けてありますが、この板が後日ツバメたちを救ってくれることになります。
以下、5月からの記録です
5月14日
巣を作り始めた。2羽とも背中が少し白い(白化現象は、最近多くの個体でみられるらしい)
5月16日
ワラを器用に折り曲げて土を付けて巣作り。
5月18日
巣がほぼ完成 (5月19日午前~21日夕方まで、旅行のため不在)
5月21日 夕方
旅行から帰宅すると、何と巣が壊れていた。帰宅したときには2羽とも姿は無く、夕暮れ時になると別の2羽が車庫に入ってきた。
20時半過ぎ、巣を作っていたペアが戻ってきた。夜は電灯の電線に留まって休んでいた。巣を修復する気配は無さそう。
5月26日
別の2羽が、巣の修復を始めた。
5月27日 夕方
最初の2羽が来ていたけれど、飛び去って行った。この日以来あのペアが訪れることは無かった。この場所を諦めてしまったらしい。
巣には26日から巣を修復しているペアが既に居た。
5月28日
巣の修復はほぼ終わっていた。
6月4日~5日
朝・夜共に、2羽とも居ない。(昼間は不明)
6月7日
1羽が、巣にしっかりと座っている。ツバメを刺激しないために巣の中は確認していないので卵の有無は不明。
夜は1羽が、車庫天井の電線のループに体を突っ込んで休んでいる。弾丸のようで面白い。以降夜はかならず1羽がこのスタイルで過ごしている。
(この電線は、車庫の真上にある天体観測機器収納庫への電源ケーブルです)
6月23日
巣から微かに「ピピッ。。」という音が聞こえた!
6月24日
卵の殻が床に落ちていた。
6月28日
ヒナに餌をあげる親鳥。ヒナの数は不明。なんと親鳥の向こうで、今まさに卵を産もうとしているメスらしい姿が見えた。
巣から小さなベルのような「チリ、チリ、チリ....」という可愛い鳴き声が聞こえる。そっと覗いてみると4羽(或いは5羽)いた。
ヒナたち、目はまだ開いていない。でも光の明暗は感じることが出来ている。
6月29日
関東甲信梅雨明け。観測史上最も早いらしい。
7月3日
5羽の子が顔を出している。
7月6日
巣が落ちている!、とのメールが自宅から届いた。巣はフンを受けるための板で止まり、床への落下は免れたらしいが、ヒナの状態は
不明とのこと。放っては置けず、早退して帰宅。
巣は、崩れた状態で板の上にあり、ヒナたちは傾いて狭くなったワラの上に重なるようにして必死に乗っていた。4羽が確認できたが
重なっているので正確な数が良く分からない。触ることは、ヒナたちにとって未知の大きなストレスになるので避けた。
巣もろとも落下することが無いように、出来るだけ板の奥の方へ巣ごとそっと移動してあげた。
この板が無かったら、巣は真っ逆さまに床に落ちていた。 巣は、引っ掛かりの少ないコンクリートの壁にあり、ツバメが運んでくっつ
けた土との接着は十分ではなく、ヒナの体重の増加に耐えられず落ちたのではないかと思う。
親鳥が餌を運んで来ていたので、一安心。 だが。。
どういうわけか、車庫の床に何度も降り立ち何かを気にしている。今までこのような行動をしたことは一度もない。時には私の足元の
すぐ傍にさえ降りて来た。最初理由が分からなかったが、もしやと思い、床のあちこちを見て回ると、なんとヒナが1羽、除雪機の
キャタピラの近くに隠れてじっとしているのを見つけた。落ちていたのだ!
親は当然のようにこの子に気づいていた。私が見つけたのと同時に親が再び床に下り、それを見ていたこの子が親鳥のところまで駆けて
いったが、この2羽ではそれ以上はどうにもならない。
巣に戻すために、ヒナに怪我をさせないようにそっと捕まえようとしたが、物凄い勢いで羽をバタバタさせ、「ギャーッ!」という声を
上げて必死に抵抗して狭いところに逃げようとした。 怪我をさせては取り返しがつかないので、柔らかい布を持ってきてそっと掛けて
みたら大人しくなったので、そのまま包んで巣に連れて行き、他の子の上にそっと乗せたら(巣が崩れていてもう1羽入れる余裕が無い
ので)、落ち着いたらしく、先ほどまでの緊迫した雰囲気は消えて、穏やかにしてくれた。
一番上の子が、床に落ちていたヒナ
気付いて本当に良かった。車がちょうど出ていた最中だったのも幸いだった。見つけずにいたらどうなっていたことか。。
7月8日
助けたヒナには、人の匂いが付いているし、他の子も含めてあの壊れた巣でどうしているのか気がかりなので、親鳥がいないときを見計
らってそっと覗いてみると、 なんと巣の形が少し整い、ヒナたちがきちんと整列してこちらを見ていたのでびっくり、
あのあばら家状態の巣を上手に使っている! さすが。
そうこうしている内に、親鳥が帰ってきたが、私の姿を見慣れているのか巣を覗き込んでいてもたいして気にはしていない様子だった。
(勿論そう見えるだけかもしれないので、細心の注意は必要)
ヒナにはまだ産毛が残っているが、羽も立派になり、もうツバメの風格が出てきている。でも可愛い目はヒナそのもの。
7月10日
巣立ちが始まった。夜の時点で1羽が親とともに電灯の電線に。もう1羽が天井のループ電線に。
7月11日 朝
巣には、3羽が残っていた。今にも飛び出しそうな雰囲気の子が2羽。
親鳥が車庫に入ってきて、盛んに鳴いている。巣立ちを促しているようだ。
7月12日 朝
巣には1羽もいない。すべて巣立った。
7月12日、7月13日 夜
車庫に戻ってきている子ツバメは、5羽の内の4羽、残りの1羽は不明。 巣立った瞬間から、厳しい生存競争の真っ只中にいる子たち、
人間は、軒先を貸してあげることくらいしかできない。 どうか1羽でも多く大人になり、無事遠い南国まで帰れますように。
7月14日 朝
近くの電線に留まり、毛づくろいをするツバメたち。 近所でも巣立ちがあったらしく、10羽以上が我が家の周りを元気に飛び回っている。
8月4日
巣立ちから早3週間、もうそろそろ来ないかなと思っていたら、昼間、3羽車庫の中に居た。その内の2羽(写真)は、割と頻繁に来ているようだ。
毛がフサフサしている方(子ツバメ)は、私が危険な存在ではないと認識しているようで、それこそ手が届きそうな真下まで行っても全く気にせず、
休んでいる。ループ電線に留まっている方(子ツバメでは無さそうだが親かどうかは不明)が飛びだして外で誘うように鳴くと、一緒に飛んで行く。
外は連日の猛暑。お盆過ぎまでゆっくりしていったら、と声を掛けたくなる。