
つい数週間前まで、いくら探しても見つからなかったスミレが、今では至るところに咲いている。花は普通のスミレと見かけが変わらないが“葉が深くくびれた種類”があるのをご存知だろうか。
「エイザンスミレ」はスミレ科の多年草。比叡山で発見されたのか、その辺りに多いのかわからないが、比叡を冠した名である。このスミレを始めて見たのは西上州の小沢岳に登った時。尾根沿いの日当りの良い場所で蕾を持っていた。当時は興味も少なく“珍しい花”として写真は撮ったが、名前を調べても判らず、忘れていた。その後、西上州の山で友人に名前を教えてもらい、馴染みの野草となっている。
この個体は、藤岡市西部の日野地区。小梨峠に咲いていた。県道にクルマを止め、林道を40分ほど上がって行くが、途中に咲いているスミレは全て“葉に切れ込みが無いタイプ”。日当たりが良く南西方面に見通しが利く峠に着くと、この場所ではほとんどエイザンスミレだった。
写真では判りにくいが、葉が大きく3裂している。葉に切れ込みがあるスミレに“ヒゴスミレ”もある。こちらは、葉がさらに深く5裂すると紹介されていた。