啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「キクザキイチゲ」

2011-04-10 08:18:40 | 山野草

私の好きな花で5本の指に入るひとつ。「キクザキイチゲ」がトキの島の里山ではあちこちで咲いていた。3年ほど前、島の山中で初めてこの花を見かけ感激した。同じ場所に今年も行ってみたが未だ残雪に覆われており、イチゲはもとよりユキワリソウもフデリンドウもこれからだった。細い谷川沿いで何の変哲もない県道沿いにキクザキイチゲの小群落を見つけ嬉しくなった。峠を越えるまでに数箇所で見かけた。

「キクザキイチゲ」はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。落葉樹林のやや湿った場所に早春に咲く。菊に似た花をつけるイチゲ=一華=一輪草という意味。花の色は白が多いが、薄い紫色まで同一食で変化が多い。西群馬の山では“アズマイチゲ”を見かける。花は形が良く似ているが、葉の形が丸みを帯びているので見分けが付く。

昨年、戸隠の自然園で紫色の個体を見つけたが、木道から離れており持参のカメラでは撮れなかった。7月に尾瀬で出会い撮影でき、当ブログに掲載し普段より多くの方に見ていただけ嬉しかった。どこかの山で、今年中にもう一、二度出会いたい。

NETでイチゲを調べたが「ヤフー百貨辞典」のキクザキイチゲの写真はあれでよいのでしょうか?私が間違っているのだと思います。ただ、花弁に見えるガクの部分が丸く見え、枚数も少なく見えます。イチリンソウに近く私には見えてしまうのですが・・。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ワサビ」の花

2011-04-09 13:26:49 | 山野草

トキの島に1週間帰省しており、久し振りの更新となる。シベリア側、大佐渡の山脈には未だ雪が白く残り、先週末までは寒い日が続いていたが、週半ばから春らしい陽気が続き、田や畑で農作業を急ぐ人が目立った。小佐渡でも高いところでは雪が残るが、里山では春の花が咲き始めていた。

実家のすぐ側に清水の湧き出ている場所がある。ここに「ワサビ」が自生していることは聞いていたが、興味を持ったことは一度もなかった。母に頼まれ採りに行く。指示は最近数が減っているので「株を残しながら採る」。現場に行ってみると、沢沿いにかなり多く自生していた。少々食べても絶滅の心配はなさそう。

アブラナ科の草で、ご存知の通りに日本独特の香辛料として重用され、寿司や刺身には欠くことができない存在。安曇野や伊豆の山中など清流沿いで栽培されているのが有名だが、山間の渓谷沿いや湿った清流沿いなど全国に自生しているようだ。

根(地下茎)の部分を擦り下ろして“ワサビ”として食べる。根の部分をそのまま販売しているのをたまに見かける。それに比べると、自生しているワサビの根は小さく細いし、ヒゲ?が出ている。それでもワサビの形をしている。実家では、根の部分を食べるのではなく、茎と葉の部分を食べていた。「天ぷらでもお浸しでもOK」だそう。2センチほどに小さく切り“手もみすると独特の辛味がでる”。酒のつまみに合っていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

阿修羅の像

2011-04-02 08:24:37 | 旅行

佐渡高校の甲子園出場は、心残りだった“奈良の仏像”に出会うチャンスを与えてくれた。興福寺の「阿修羅増」中宮寺の「如意輪観世音」にも会うことができた。念のため、写真はパンフレットから撮ったものと本堂から出た植え込みの外から撮ったものです。

興福寺には「東金堂」「五重塔」の建屋、薬師如来像や阿修羅像など多数の仏像がある。国宝館が建っており、数々の仏像を目の前で見ることができる。十二神将立像、阿修羅の像は深く心に刻まれた。

「阿修羅」は中学生の頃に人気だった週間漫画誌の「アシュラ」が一番印象に残っていたが、この仏像を間近で実際に見て想いが全く変わった。阿修羅は帝釈天と戦を続け負け続ける存在。その悲惨な状況を“修羅場”とさえ言う。漫画と同じイメージだ。

サンスクリット語で「ASU」は命。「RA]は与える(ウィキペディア)という意味がある。帝釈天以降、不遇な存在(?)だったようだが、本来は命を与える神様(私=?)。強い意思表示を示しているように見える正面の顔は、どこかにいそうな人に見える。3人が別の人だとは思わなかった。


五重の塔も東金堂も国宝。

法隆寺の隣(中?)にあるのが中宮寺。3月の旅行でガイドの”ミスガイド”で寄れなかったところ。カミさんの強力なプッシュで、一時間近くかけて路線バスで立ち寄った。聖徳太子の母の願いで立てられたというこの寺。変遷はあったが、創建の飛鳥時代から約1300年にわたり尼寺として存在するところはほかにないという。

本尊で国宝の如意輪観世音菩薩はスフインクス、モナリザと並び「世界の3つの微笑像」とされるという。指先を柔らかに頬に添え、折り曲げた右足を抱える姿を「東洋の考える像」とすることもあるようだ。本道から離れた構外から撮った写真でよく判らないのが残念。智いざなお仏像さまである。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「高岩」は怖い山だった

2011-04-01 08:49:29 | 低山歩き

久し振りの山行。高岩は今年初めての千メートル超の山(1084メートル)で、素人に近い私には“かなり厄介な岩場”があるところ。「雪が残っていたら止めよう」と決めて、軽井沢ICを降りた。

IC近くから見える厳しい山容に“この山登れるの”の不安。幸いに雪は見えない。西毛野外教育センター近くに車を止めスタート。いきなりの急登だが、予想以上に快調で、コルまではガイド本より10分以上早く付いた。登るにつれて、岩場が近付いたが、下で見上げるよりも何だかやさしそうに見えてきた。



この部分が、約20メートルでほぼ垂直の鎖場。写真中央の割れ目沿いに鎖が張ってあり、よじ登る。鎖場に行く手前のところが凍結しており、通れるかもしれないが、滑ったら止らない。怖い。一回は引き返そうと思った。通過した後、足が震えていた。鎖場も今までに経験のない大変な場所。怖いので鎖に頼るし、足元はつい岩溝の奥の方につける。体勢がオーバーハング気味になる。10メートルほど体をあちこちにぶつけながら上がると、立ち止まれるスペース。この上の鎖はさらに間違いなく垂直を越えている。もう、上を目指す他なかった。

岩場を過ぎると、頂上は目の前。ただ、北西面には雪が凍って張り付いており滑る。木の根や低木につかまりながらようやく山頂に付いた。360度の展望と、崖下の軽井沢IC方面など圧巻。ただ、山頂が狭いのに加え強風が吹き、ザックを入れた写真を採るのも怖い。雄岳まで恐る恐る足を伸ばし再び鎖場の下降。怖さは同じだが、登りよりもゆっくりと、体全体を使いながら落ち着いて下りることができた。

雌岳から展望台方面へのルートは、ノンビリ歩けると思っていたが、北面だけに雪が残り凍っており大変。殆ど踏み跡のない急坂もあり、かなりの手ごたえだった。ルートミスを除き、今までにない怖い経験をした。岩山は私には向かないようだ。


麓の集落から見上げた高岩。岩峰の裏側から鎖で登り、中央部のへこんだ場所へ。向かって左が頂上。右(北)が雄岳。写真左側が雌岳方面。展望台を経てコルから下りるコースにも20メートル程のロープが張られた難所があった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする