ニュージーランド移住記録:みたび

移住は帰らなくてもいい終わりのない旅。人生そのものも旅。そして気づき始めたあの世への旅。旅と夢限定ブログ

サンシャインコースト・ブリスベン行:流刑植民地として

2017年04月11日 | オーストラリア:ブリスベン

ブリスベンで一番古いカフェ、シングル・インを出たあとは、



同じくブリスベン市庁舎(シティーホール)内の

ブリスベン博物館へ。
ブリスベンの来し方を知るには絶好の場所


ブリスベンは、1770年にオーストラリアに到達して英領化した
ジェームス・クックにより、モートンスベイ(Morton's Bay)と
名づけられたものの、後の誤植でモートンベイ(Moreton Bay)
となったそう。
(※日本語表記はどちらもモートンですが後者はモアトンでは?)


1788年にシドニーを中心とするニューサウスウェールズ州が、
イギリスの流刑植民地となり、総督はじめ役人と囚人が定住開始。


1822年にはシドニーから遠く離れた場所に、重犯者向けの
新たな流刑地の建設が計画され、モートンベイが候補に。


一方で1823年にシドニーで刑期を終えた元囚人が乗った舟が座礁し
元囚人はブリスベン沖のモートン島でアボリジニと暮らし始める。


その年、測量監督ジョン・オクスレイが元囚人の助けを得て
一帯を探索し、中央を貫く川をブリスベン川と命名。



ブリスベンとは当時のニューサウスウェールズ州総督だった
トーマス・ブリスベンの名を冠したもので、地名ともなる。

(※ブリスベン建設の祖ともいえますが1825年には帰任)


1824年には流刑植民地(Penal Colony)の建設が始まり

1825年にはその中心が今の市中心部に移されたそうです。


流刑植民地を造ったのは当然ながら囚人本人で、当初は29名。
ブリスベンは「柵のない檻」だったと言われています。

今も残る1828年に囚人たちが建設したウィッカムテラスの風車


風車はトウモロコシや小麦の製粉のために建設されたものの
ついぞ作動することなく、羽根は取り除かれ
風車を回すための踏み台は囚人への懲罰に利用されたそう
(※罰でも粉を挽くためでも、どっちであっても囚人は踏み台を
踏み続けるしかなかったんでしょうけれど)


そうそう、この銅像にまでなっている流刑囚以外で初めて入植した

ブリスベンのパイオニアとされるアンドリュー・ピートリーの
最初の仕事は風車を回すことだった


でも、一度も風車として使われなかったところをみると
建築士でもあったパイオニアでも直せなかったんですね


ブリスベンに送られた囚人は、流刑後シドニーで再犯を犯した者で
足かせをはめられ、日の出から日没まで重労働を強いられ
塩漬け肉と小麦だけを与えられていたそう。


そもそもジェームス・クックはアメリカに代わるべき広大な土地を
探しあてる命を帯びて航海に出て1770年にオーストラリアに到達、
1776年にはアメリカ独立が実現。


イギリスは新たな植民地建設を急いだものの、時は19世紀。
奴隷制の終焉で新たな労働力として、囚人を送り込みます。


この足かせに、囚人たちが19世紀の新奴隷だったことを実感。

労働力不足を補うには、殺人犯など重罪犯だけでは足りなくなり、
馬車の荷物を狙った強盗ぐらいでも送り込まれたそうです。


1825年以降17年間、足かせをされた2,400人以上の囚人により
道が築かれ、市は1842年に一般の入植者に開放されて、
(※ワイタンギ条約の2年後)
流刑植民地の歴史が幕を閉じました。


1843年:ブリスベン川のフェリーが運航開始
1864年:ブリスベン大火



1865年:ブリスベン川に跨る初の橋が完成
(※1867年には壊れてしまったそうですが

1866年頃のウィッカムテラス


1868年:ブリスベン・タウンホール完成



1890年:路面電車開通



1895年:洪水で流されたアルバード・ブリッジの再建



1900年頃:ローマストリート市場



1939年:ストーリー・ブリッジの建設



こうしたブリスベンの輝かしい発展の原点に

囚われの身とはいえ、奴隷同然に扱われた人々がいたことを
忘れまいと思いました。


ブリスベンで刑期を終えたジャッキー・ウィリアムズ

足かせの跡が生々しいです。


博物館から出たとたん、この明るさと繁栄。

史実の重みとの対比で一瞬クラっとしそうでした。


ブリスベン散策はまだまだ続きます



やったー
やっとこの段を書き終えました
歴女として、ブリスベン博物館での悲喜交々は残しておきたかった
ものの、史実を確認しながら書くのは時間がかかるので
延び延びになって4月に入ってしまいました


なんとか今月中に終えたい
・・・・と先月も言っていたような

コメント
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