『ローラ・フェイとの最後の会話』ハヤカワ・ポケット・ミステリ/2011/10/7
“The Last Talk with Lola Faye”
トマス・H・クック(著)、村松潔(翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
講演のためにセントルイスを訪れた歴史学者ルーク。しかし、会場には、再会するとは夢にも思わ
なかった人物が待ち受けていた。その名はローラ・フェイ・ギルロイ。20年前、遠い故郷でルーク
の家族に起きた悲劇のきっかけとなった女性だ。なぜいま会いに来たのか?ルークは疑念を抱きつつ
も、彼女とホテルのラウンジで話すことにした。だが、酒のグラス越しに交わされた会話は、ルーク
の現在を揺り動かし、過去さえも覆していく・・・。 謎めいたローラ・フェイの言葉が導く驚愕の
真実とは?
巨匠の新たなる代表作。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
この作品は何の情報も無いまま手に取った作品です。
トマス・H・クックは多分大昔に読んだ記憶があるのですが、何時もの通り霧の彼方ですので、殆ど
初読みの感じです。
読み始めた途端のめり込みました。
夜ベッドで読みながら 途中でページを繰る手が止められず ついつい夜更かし。
登場人物は少なく、
主に歴史学者のルーク(マーティン・ルーカス”ルーク”・ペイジとローラ・フェイ・ギルロイの2人
の会話が中心となっています。
冴えない歴史学者のルークはセントルイスで開いた講演会には聴講者もまばら。
そんな時、1人の中年女性が目に留まる。
姿かたちはすっかり変わっていたが、ルークは直ぐに20年前に故郷の田舎町で知っていたローラ・
フェイ・ギルロイである事に気付く。
何故この日この場所で彼の講演会がある事を知っているのか。そして、何故彼女が今ルークを訪ね
て来るのか。
ルークは不審を抱きながら ホテルのラウンジで話をすることになり、彼女に請われるままに20年
前に故郷グレンヴィルでの出来事を思い出し、語りながら封印していた思い出が蘇ってくる。
思い出と会話の中に登場するのは、流行らない雑貨店を営み 母や自分の事を顧みない粗野な父親
ダグ、ルークに深い愛情を注ぎ その才能を認める優しい母親エリー。
ダグと浮気をしていると感じ 嫉妬に狂った挙句ダグを猟銃で殺害したローラ・フェイの夫。
その夫も遺書を残し猟銃自殺。
父の死後体調を崩し間もなく亡くなってしまった母親。
そんな会話の中で、ローラ・フェイが ルークに係わる全ての状況に加え、現在は離婚している妻
の名前、彼女の仕事、住んでいる場所等を含め まるでストーカーの様にあらゆることを知って
いる事に驚くルーク。
20年前の故郷では殆ど自分と直接の交流がなかったローラ・フェイが何故長い間自分に興味を
持ち、その後を追い続けるのか.
淡々と会話をするローラ・フェイの意図が読めず 告発の為なのか、隠された真実を暴きたいの
か怯えながらものの 心の中にしまい込んでいた自分の過去と向き合っていくルーク。
淡々と続く2人の会話が緊張感を与え、普通のミステリとは全く異なる流れに目が離せず まるで
魔術の様な流れを持つ不思議なミステリです。
そして、重い軛から解き放され 心が柔らかくなる様な大きな安らぎを感じさせられる、そして深い
感動と余韻を与えるラストシーン。
兎に角、不思議なテイストでありながら、とても良い作品に出会ったと感じさせられ、クックの他作
品も再読してみたいと思わせられました。
“The Last Talk with Lola Faye”
トマス・H・クック(著)、村松潔(翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
講演のためにセントルイスを訪れた歴史学者ルーク。しかし、会場には、再会するとは夢にも思わ
なかった人物が待ち受けていた。その名はローラ・フェイ・ギルロイ。20年前、遠い故郷でルーク
の家族に起きた悲劇のきっかけとなった女性だ。なぜいま会いに来たのか?ルークは疑念を抱きつつ
も、彼女とホテルのラウンジで話すことにした。だが、酒のグラス越しに交わされた会話は、ルーク
の現在を揺り動かし、過去さえも覆していく・・・。 謎めいたローラ・フェイの言葉が導く驚愕の
真実とは?
巨匠の新たなる代表作。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
この作品は何の情報も無いまま手に取った作品です。
トマス・H・クックは多分大昔に読んだ記憶があるのですが、何時もの通り霧の彼方ですので、殆ど
初読みの感じです。
読み始めた途端のめり込みました。
夜ベッドで読みながら 途中でページを繰る手が止められず ついつい夜更かし。
登場人物は少なく、
主に歴史学者のルーク(マーティン・ルーカス”ルーク”・ペイジとローラ・フェイ・ギルロイの2人
の会話が中心となっています。
冴えない歴史学者のルークはセントルイスで開いた講演会には聴講者もまばら。
そんな時、1人の中年女性が目に留まる。
姿かたちはすっかり変わっていたが、ルークは直ぐに20年前に故郷の田舎町で知っていたローラ・
フェイ・ギルロイである事に気付く。
何故この日この場所で彼の講演会がある事を知っているのか。そして、何故彼女が今ルークを訪ね
て来るのか。
ルークは不審を抱きながら ホテルのラウンジで話をすることになり、彼女に請われるままに20年
前に故郷グレンヴィルでの出来事を思い出し、語りながら封印していた思い出が蘇ってくる。
思い出と会話の中に登場するのは、流行らない雑貨店を営み 母や自分の事を顧みない粗野な父親
ダグ、ルークに深い愛情を注ぎ その才能を認める優しい母親エリー。
ダグと浮気をしていると感じ 嫉妬に狂った挙句ダグを猟銃で殺害したローラ・フェイの夫。
その夫も遺書を残し猟銃自殺。
父の死後体調を崩し間もなく亡くなってしまった母親。
そんな会話の中で、ローラ・フェイが ルークに係わる全ての状況に加え、現在は離婚している妻
の名前、彼女の仕事、住んでいる場所等を含め まるでストーカーの様にあらゆることを知って
いる事に驚くルーク。
20年前の故郷では殆ど自分と直接の交流がなかったローラ・フェイが何故長い間自分に興味を
持ち、その後を追い続けるのか.
淡々と会話をするローラ・フェイの意図が読めず 告発の為なのか、隠された真実を暴きたいの
か怯えながらものの 心の中にしまい込んでいた自分の過去と向き合っていくルーク。
淡々と続く2人の会話が緊張感を与え、普通のミステリとは全く異なる流れに目が離せず まるで
魔術の様な流れを持つ不思議なミステリです。
そして、重い軛から解き放され 心が柔らかくなる様な大きな安らぎを感じさせられる、そして深い
感動と余韻を与えるラストシーン。
兎に角、不思議なテイストでありながら、とても良い作品に出会ったと感じさせられ、クックの他作
品も再読してみたいと思わせられました。