3号機 燃料の大部分落下か NHK
東京電力福島第一原子力発電所の事故の検証で、3号機では、これまでの推定より早く燃料が溶け出し、大部分が、原子炉から格納容器に溶け落ちたとする、新たな解析結果がまとまりました。
専門家は、今後の燃料の取り出しがより難しくなるおそれもあると指摘しています。
3年前の原発事故をめぐり、東京電力は、未解明の問題の検証を続けていて、6日、一部の検証結果を公表しました。
このうち3号機では、バッテリーで動いていた、HPCIと呼ばれる緊急用の原子炉の冷却装置を、事故の2日後の3月13日の未明に、運転員が手動で停止し、ポンプによる注水に切り替えようとしましたが、うまくいかず、原子炉の冷却の遅れにつながったと、政府の事故調査・検証委員会で指摘されました。
これについて東京電力が、原子炉の圧力などのデータを分析したところ、HPCIは、手動で停止するより前の3月12日午後8時ごろには、機能を失ったとみられ、解析の結果、これまでの推定より5時間あまり早い、3月13日の午前5時半ごろから燃料が溶け始めて、翌14日の午前7時ごろには、原子炉の底を突き破り、大部分が格納容器にまで溶け落ちた可能性があるとわかったということです。
これまで3号機で格納容器に溶け落ちた燃料は、一部と考えられていました。
これについて、原子炉の解析に詳しい、エネルギー総合工学研究所原子力工学センターの、内藤正則部長は、「原子炉の下には、円筒状のコンクリート製の部分があり、突き破って出てきた燃料がこの筒に収まっていればその中で回収すればよいが、
溶け落ちた量が多く、筒の隙間から格納容器の広い範囲に出ているとすれば、取り出す手順や方法が複雑になるおそれがあり、廃炉作業への影響は大きいと思う」と話しています。
また、今回東京電力は、消防車を使った注水が行われた2号機の原子炉内で、燃料と水が反応して、水素とともに大量の熱が発生し、メルトダウンに拍車をかけたという新たな解析結果をまとめました。
東京電力は、原子炉の水位が下がって、燃料がむき出しになるような深刻な事態になった場合、迅速に十分な注水ができなければ、かえってメルトダウンを進めてしまうことを示しているとしています。
08月06日 20時12分
東京電力福島第一原子力発電所の事故の検証で、3号機では、これまでの推定より早く燃料が溶け出し、大部分が、原子炉から格納容器に溶け落ちたとする、新たな解析結果がまとまりました。
専門家は、今後の燃料の取り出しがより難しくなるおそれもあると指摘しています。
3年前の原発事故をめぐり、東京電力は、未解明の問題の検証を続けていて、6日、一部の検証結果を公表しました。
このうち3号機では、バッテリーで動いていた、HPCIと呼ばれる緊急用の原子炉の冷却装置を、事故の2日後の3月13日の未明に、運転員が手動で停止し、ポンプによる注水に切り替えようとしましたが、うまくいかず、原子炉の冷却の遅れにつながったと、政府の事故調査・検証委員会で指摘されました。
これについて東京電力が、原子炉の圧力などのデータを分析したところ、HPCIは、手動で停止するより前の3月12日午後8時ごろには、機能を失ったとみられ、解析の結果、これまでの推定より5時間あまり早い、3月13日の午前5時半ごろから燃料が溶け始めて、翌14日の午前7時ごろには、原子炉の底を突き破り、大部分が格納容器にまで溶け落ちた可能性があるとわかったということです。
これまで3号機で格納容器に溶け落ちた燃料は、一部と考えられていました。
これについて、原子炉の解析に詳しい、エネルギー総合工学研究所原子力工学センターの、内藤正則部長は、「原子炉の下には、円筒状のコンクリート製の部分があり、突き破って出てきた燃料がこの筒に収まっていればその中で回収すればよいが、
溶け落ちた量が多く、筒の隙間から格納容器の広い範囲に出ているとすれば、取り出す手順や方法が複雑になるおそれがあり、廃炉作業への影響は大きいと思う」と話しています。
また、今回東京電力は、消防車を使った注水が行われた2号機の原子炉内で、燃料と水が反応して、水素とともに大量の熱が発生し、メルトダウンに拍車をかけたという新たな解析結果をまとめました。
東京電力は、原子炉の水位が下がって、燃料がむき出しになるような深刻な事態になった場合、迅速に十分な注水ができなければ、かえってメルトダウンを進めてしまうことを示しているとしています。
08月06日 20時12分