沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

広域処理における1市2村のごみ処理計画を考える(まとめ)※追加資料(既存施設と新施設)その2

2016-04-07 10:58:44 | ごみ処理計画

浦添市と中北組合(中城村・北中城村)との広域処理については、平成27年度において浦添市に新施設を整備することが決定しています。

普通、広域処理については、この新施設をどこに整備するかということが簡単には決まらないため、協議会を設立する前に「白紙撤回」になるケースが多々あります。

しかし、1市2村の場合は、既に新施設を整備する場所が決定しています。

ということで、下の画像をご覧下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

昨年、浦添市が広域処理に関する事前協議の概要をマスメディアに公表したときに、中城村と北中城村は「選択肢の1つ」というコメントを出していました。

しかし、中城村の村長は平成28年度の施政方針において、平成28年度中に1市2村の首長が協議会を設立して広域組合が整備する新施設に対する施設規模や処理方式、経費負担等に関する本格的な協議を始めるとしています。

したがって、仮に、中城村と北中城村が浦添市と同様の施設(既存施設)を整備していて長寿命化を行っていれば、上の資料の①から④までは平成27年度における事前協議において既に決定していたことなので、平成28年度においては事前協議は行わずに、いきなり協議会を設立することができたことになります。

では、1市2村の職員は平成28年度における事前協議において、どのような事務処理を行うことになるのか?

下の画像をご覧下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、平成28年度において1市2村の職員が事前協議において行う事務処理は、⑤の事務処理、つまり溶融炉を廃止するための代替措置に関する具体的な方法を決める事務処理だけになると考えます。

最後に下の画像をご覧下さい。これは、代替措置と地方財政法の規定(第2条第1項)との関係を整理した資料です。

 原寸大の資料(画像をクリック)

中北組合の溶融炉が国内で稼動している事例や長寿命化が行われている事例のある溶融炉であれば浦添市の財政に累を及ぼすような施策にはならないと考えます。

また、中城村と北中城村から排出される焼却灰が塩分濃度の高い流動床炉の焼却灰(飛灰)でなければ技術的には外部委託も可能かも知れません。しかし、外部委託については浦添市の市民に対する「担保」にはならない(浦添市の財政に累を及ぼすような施策を行うことになる)と考えています。

したがって、代替措置については中城村と北中城村の自主施策として行わなければならないと考えます。

なお、その自主施策については琉球大学の技術的援助を受ければ、比較的簡単に実施できると考えています。

広域処理の成功を祈ります。


広域処理における1市2村のごみ処理計画を考える(まとめ)※追加資料(既存施設と新施設)その1

2016-04-07 10:58:25 | ごみ処理計画

複数の市町村が広域処理を行う場合、広域組合を設立すると既存のごみ処理施設を広域組合に無償譲渡するのが一般的な施策になります。

そして、広域組合を設立する場合は廃棄物処理法の規定(第6条第4項)に従って、関係市町村が策定しているごみ処理計画の調和を保つようにしなければなりません。

ということで、下の画像をご覧下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

1市2村が広域組合を設立すると、新たに広域組合のごみ処理計画を策定することになりますが、1市2村のごみ処理計画と広域組合のごみ処理計画の調和を保つことを無視して、既存のごみ処理施設の運用を行っていると、1市2村は廃棄物処理法の規定(第6条第4項)や基本方針に適合しないごみ処理を行っていることになるので、自主財源により新施設を整備しなければならないことになります。

しかも、溶融炉を休止している中城村と北中城村は地方財政法の規定(第8条)にも適合しないごみ処理を行っているので、広域処理は「白紙撤回」ということになります。

次に、下の画像をご覧下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

これは、中城村と北中城村が浦添市と同じ形式の焼却炉と溶融炉を整備しているという前提で既存施設と新施設の関係を整理した資料です。

中城村と北中城村は「運転経費が高い」という理由で平成26年度から溶融炉を休止していますが、その理由は溶融炉を整備している全ての市町村(浦添市を含む)に共通する理由です。

したがって、国が溶融炉を休止している中城村と北中城村に対して財政的援助を行った場合は溶融炉を整備している多くの市町村が同様の施策を行う(休止する)ことになると考えます。

いずれにしても、溶融炉を所有したまま休止していることは市町村(広域組合を含む)が所有している財産を所有の目的に応じて最も効率的に運用していることにはならないので、当然のこととして再稼動することになります。

しかし、中城村と北中城村の場合はこの施策(再稼動)を行うことはできません。その理由は何度も書いてきたので省略します。

次に、下の画像をご覧下さい。

 原寸大の資料(画像をクリック)

このように、1市2村が広域組合を設立する場合は、その前に2村の既存施設のうち溶融炉を廃止しておく必要があります。しかも、広域組合において焼却灰の民間委託処分を行うことはできないので、最終処分ゼロを継続するための代替措置を講じてから廃止しなければならないことになります。

その2に続く