浦添市の予定では、平成29年度から30年度にかけて、広域組合を設立するための「地域計画」を策定するスケジュールになっています。
これは、浦添市の既存施設(建物を含む)の老朽化を想定したスケジュールと思われますが、この場合、一般的には平成29年度に協議会において「地域計画」の原案を作成して、平成30年度に国や県と協議を行うことになります。
そこで、今日は、平成30年度における国との協議がどのような協議になるか協議会が作成した「原案」に沿ってシミュレーションしてみることにします。
まず、下の画像をご覧下さい。
これは、協議会において中北組合が既存施設に対して何の措置も講じない前提で「地域計画」の原案を作成した場合のシミュレーションです。
この場合は、中北組合のごみ処理計画が完全にNGになるため、浦添市もNGになってしまいます。
ただし、浦添市は広域処理を「白紙撤回」して単独更新に変更すれば、国の補助金を利用して新たなごみ処理施設の整備を行うことができます。
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次に、下の画像をご覧下さい。
これは、上のシミュレーションにおいて、地方財政法に関する法令違反を是正して、焼却炉の長寿命化を行うことにした場合のシミュレーションです。
原寸大の資料(画像をクリック)
このように、中北組合が溶融炉を廃止すればとりあえず法令違反の状況は是正できます。しかし、焼却灰の民間委託処分を中止しない場合は国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を行うことができないのでNGになります。
なお、浦添市にとっては、そもそも地域計画において中北組合の焼却炉の長寿命化を行う理由がない(広域処理のスケジュールが遅れるだけ)なので、この場合も広域処理を「白紙撤回」して単独更新に変更することになると考えます。
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次に、下の画像をご覧下さい。
これは、中北組合が、①平成29年度に代替措置を講じて溶融炉を廃止して、②平成30年度において国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を実施している場合のシミュレーションです。
原寸大の資料(画像をクリック)
こうすれば、1市2村のごみ処理計画の調和を確保することができます。そして、浦添市が予定しているスケジュールにも合う計画になるので、広域処理を「白紙撤回」する理由はなくなります。
ただし、この場合は、①平成28年度において代替措置に対する具体的な方法を決定して、②平成29年度において中北組合が焼却炉の長寿命化に関する「実施計画」と「地域計画」を策定する必要があります。
なお、中北組合が代替措置を講じる年度と焼却炉の長寿命化を行う年度を先送りした場合は、浦添市が予定しているスケジュールに合わない計画になるので、広域処理は「白紙撤回」になると考えます。
ということで、中北組合が広域処理を成功させるためには、①の方法を早急に決定するために、中北組合の自主的な判断で積極的に事務処理を進める必要があると考えます。
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最後に、下の画像をご覧下さい。
これは、中北組合が平成26年3月にごみ処理計画を改正するときに広域処理を検討課題として抽出していた場合(上)と、現在の状況(下)におけるスケジュールを整理した資料です。
中北組合が広域処理を検討課題として抽出していた場合(上)は、①平成26年度において溶融炉を廃止するための代替措置に対する方法を決定して、②平成27年度に代替措置を講じて溶融炉を廃止して、③平成28年度(14年目)に国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を実施するスケジュールを組みことができました。
しかし、中北組合にとっては、平成28年度がスタートになります。このため、スケジュールはかなりハードになりますが、まだなんとか間に合う状況になっています。
ただし、これ以上、溶融炉の休止を決定した中城村と北中城村の村長がスケジュールを先送りすると、焼却炉の長寿命化や浦添市との広域処理を含めて、中北組合におけるあらゆる施策がタイムオーバーになってしまいます。
原寸大の資料(スケジュール)
上の資料で重要なのは、①代替措置を講じて溶融炉を廃止する計画を決定して着手していなければ、②国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を行うための「地域計画」を策定することができなくなるということです。
また、③代替措置を講じて溶融炉を廃止して、④焼却炉の長寿命化に着手していなければ、⑤広域処理に関する「地域計画」の策定に当って国と協議を行うことができなくなるということです。
いずれにしても、上の資料のグレーの部分は、中北組合が自主的に事務処理を行う施策になるので、平成28年度は中北組合にとって正念場になると考えます。
広域処理の成功を祈ります。