中北組合のごみ処理施設(青葉苑)は中城村にありますが、噂によると、中城村の村長(組合の副管理者)は北中城村の村長(組合の管理者)と比べると、かなり気が短い方(たんちゃー)だと聞いています。
その中城村の村長は実質的には6月末で任期を満了します。
したがって、中城村の村長としては遅くとも5月中には協議会を設立(覚書を締結)して浦添市との「広域処理の推進」を確定した形で任期を満了したいと考えていると思われます。
これは、あくまでも憶測ですが、村長は平成26年3月にごみ処理計画を改正して溶融炉を休止した責任者の1人であり、村内に中北組合のごみ処理施設(青葉苑)があることを考えると、任期を満了する前に責任者としてのケジメをつけておきたいと考えるのは極めて普通の考え方だと思います。
なぜなら、都道府県や市町村の首長は、任期満了のときが4年間の施策に対する真価を問われるときだからです。
ということで、下の画像をご覧下さい。
これは、平成26年3月に中北組合(中城村・北中城村)が改正したごみ処理計画と国の財政的援助との関係を整理した資料です。
原寸大の資料(画像をクリック)
中北組合は防衛省の補助金を利用してごみ処理施設(青葉苑)を整備しています。そして、溶融炉(設備)の経過年数が防衛省の処分制限期間(10年)を経過したと判断した時点(平成26年3月)で、「運転経費が高い」という溶融炉を所有している全ての市町村の常識とも言える理由で、平成35年度までの10年間休止(実質的には廃止)して焼却灰の民間委託処分を行うごみ処理計画に改正しています。
この施策によって、とりあえず補助金(設備に対する補助金)の返還を回避して、当面の経費の削減を実現していますが、溶融炉の休止に当って代替措置を講じずに焼却灰の民間委託処分を行うことによって、ごみ処理施設の整備(長寿命化、更新、新設等)に当って国の補助金を利用する権利を放棄している形になっています。
しかも、溶融炉を廃止せずに休止(所有)していることによって、地方財政法第8条の規定(所有財産の所有目的に応じた効率的な運用に関する規定)に抵触している状態になっています。
その中北組合(中城村・北中城村)は浦添市との広域処理を推進するために平成28年度に協議会を設立することを表明しています。しかし、広域処理は国の補助金を利用することが前提になるので、中北組合としては一旦手放した補助金を利用する権利を取り戻さなければならないことになります。そして、協議会を設立する前に休止している溶融炉に対する施策を決定しなければならないことになります。
ここで、下の画像をご覧下さい。これは、中北組合の溶融炉の運用計画を整理した資料です。
一番上はオーソドックスな運用計画で浦添市もこの運用計画を採用しています。
原寸大の資料(画像をクリック)
上の画像の上から2番目の休止している部分(地方財政法第8条に抵触している部分)が現在の中北組合の運用計画ですが、この段階では、中北組合は国の補助金を利用する権利を放棄しているので、ごみ処理施設の更新に当って国の補助金を利用する場合は、溶融炉を再稼動して長寿命化することによって改めて補助金を利用する権利を確保することになります。ただし、中北組合の溶融炉については、この計画はギャンブルに近い計画(広域処理を前提にした場合は浦添市の財政に累を及ぼすような施策)になると考えています。
したがって、溶融炉を休止したまま再稼動(長寿命化)を行わない場合は、結果的に上から3番目の運用計画を選択することになります。
いずれにしても、上の画像の休止と廃止の部分(焼却灰の委託処分を行っている部分)は、市町村が自ら国の補助金を利用する権利を放棄していることになるので、国としては財政的援助を与えることはできないことになります。
そして、上の画像の一番下が、このブログの管理者が浦添市との広域処理を成功させるための唯一の選択肢と考えている運用計画です。
ちなみに、下の画像にあるように、国の補助金を利用する権利を放棄している中北組合が浦添市の補助金に相当する予算も含めて自主財源により広域施設を整備する場合は、溶融炉を廃止するための代替措置になりますが、これでは何のための広域処理か分からなくなってしまいます。
仮に、真ん中の広域処理に対して国が財政的援助を与えた場合はどうなるか?
国の補助金を利用する権利を放棄している市町村に対して国が財政的援助を与えたことになり、「運転経費が高い」溶融炉を所有している市町村の多くが、処分制限期間を経過した時点で長寿命化を行わずに廃止する(焼却灰の委託処分を行う)ことを検討するようになると考えます。
原寸大の資料(画像をクリック)
このように、中北組合にとっては(浦添市にとっても)、上の2つの選択肢は除外しなければならないことになります。
▼
ということで、下の画像をご覧下さい。
原寸大の資料(画像をクリック)
中城村の村長が平成26年3月にごみ処理計画を改正したときには、浦添市との広域処理は想定していませんでした。なぜなら、改正したごみ処理計画は広域処理については検討課題から除外しているからです。
しかし、平成28年度の施政方針において浦添市との広域処理を推進するための協議会を設立することを表明しています。
そうなると、協議会を設立するタイムリミットは5月下旬になると考えます。
ところが、村長は村長の判断で溶融炉を休止しているために、このまま広域処理を推進すると結果的に2つの法令に抵触している事務処理を行っていることになってしまいます。
それを是正するのが事前協議における事務処理ということになります。
したがって、中北組合と1市2村の職員は、協議会を設立する前に、この問題を解決しておかなければならないことになります。
(注)中城村の村長が平成26年度と同様に広域処理を検討課題から除外(協議会の設立を中止)して中北組合による単独処理を継続して行くという施政方針を表明して任期を満了するということであれば、溶融炉を廃止(所有財産から除外)することで法令違反(地方財政法第8条及び第2条第1項違反)を是正することができます。その場合、ごみ処理施設(青葉苑)の整備(長寿命化、更新、新設等)に当って、国の補助金を利用することができないことになりますが、そのことは平成26年3月の段階で議会と住民が同意していることなので、村長としては、とりあえず責任を果たして任期を満了することができると考えます。
いずれにしても、中城村の村長は溶融炉を休止したままでは法令違反(地方財政法第8条違反)を是正しないまま任期を満了することになるので、そのことは本意ではないと考えます。
このため、職員はどのような形であっても5月の下旬までには溶融炉の廃止を決定しなければならないと考えます。
ちなみに、下の画像は、中城村の村長が協議会の設立を中止して、溶融炉の廃止を決定(法令違反を是正)してから任期を満了した場合のフローになります。
原寸大の資料(画像をクリック)
このように、協議会の設立を中止して休止している溶融炉を廃止することにすれば、村長が自ら法令違反を是正した形で任期を満了することができます。
ただし、その結果は前の記事の最後にアップした下の画像(右側)のような悲惨な状況になります。
原寸大の資料(画像をクリック)
▼
最後に、下の画像をご覧下さい。
これは、中城村の村長が、現状のまま協議会を設立しても広域処理を推進することができると考えていることを想定して作成した資料です。
原寸大の資料(画像をクリック)
このブログの管理者は、おそらく中城村の村長は、現状のままでも法令に抵触していないと考えているように思います。なぜなら、市町村の首長というのは、このような細かい法令の規定のことまでは、十分に認識していないからです。
仮に、このことを中城村の村長が十分に認識していれば、平成26年3月にごみ処理計画を改正した段階で、溶融炉は廃止(所有財産から除外)していたはずです。
ちなみに、地方財政法第8条に「処分制限期間を経過している所有財産については適用を除外する」という特例等はありません。なぜなら、市町村が所有している財産には、補助金だけでなく自主財源(住民から徴収した貴重な税金等)も投入されているからです。つまり、地方財政法第8条の規定は「市町村は税金を無駄遣いしては(所有している財産を遊ばせていては)いけません」という規定なのです。
このため、廃止または譲渡をしなければ、市町村が所有している全ての財産に対して地方財政法第8条の規定が適用されることになります。
したがって、首長の補助機関である職員が率先して法令違反を是正しなければ、協議会を設立することができなくなる(設立しても地方自治法第2条第16項及び第17項の規定により無効になる)ので、このような結果(村長の任期満了前に広域処理は白紙撤回)になってしまいます。
くどいようですが、その結果は下の画像の右側のようになります。
原寸大の資料(画像をクリック)
ということで、今月と来月における事前協議の結果が、広域処理の成功(左側)と失敗(右側)を決めることになると考えます。
広域処理の成功を祈ります。