今回は第4章の(4)で、3項目があります。
[ 「戦前と似ている」と危機感も ] ( NHKの説明 )
「 『拝謁記 』 には、昭和天皇が、東西冷戦や朝鮮戦争の勃発を背景に、国内でも共産主義が勢いを増していく状況を、戦争に突き進んでいった時代と重ね合わせて、危機感を募らせる様子が記されています。」
◦ 大学生を青年将校と重ね合わせる
◦ 「私は実に心配しているのだが・・」
◦ 「国会の有様はどういう事だろうね。」
【 大学生を青年将校と重ね合わせる 】
〈 昭和25年7月10日の拝謁時のお言葉 〉
陛下
・共産党の大学生に 動機の純眞なるものがあるとの議論に、非常に危ないと感じる。
・永田鉄山問題でも動機うんぬんを口実に、刑には処しても甚しく軽きに失し、 また他の場合には、動機のよきを口実に不問に附した事もあり、かゝる風が、遂に大平洋戦争を起す事となった事ゆえ、 青年将校と大学生との差だけであって危険は同じ事だ。
ウィロビー准将に支援された首相に押され長官になった田島氏は、いわば左翼の仲間です。ご存知ない陛下が、詩に語られているお姿がお気の毒になってきます。
共産主義者も国粋主義者も、過激なものは危険を含んでいますので、陛下のお言葉にはうなづけるものがあります。しかし田島氏に語られるのは、壁に向かって話されるようなもので、お気持ちが通じないだけでなく、メモを残され、このように批判の材料にされます。
【 「私は実に心配しているのだが・・」 】
〈 昭和26年12月9日の拝謁時のお言葉 〉
陛下
・いわゆる反米思想が、一般にある程度あるはやむを得ぬも、それに乗じて、共産のものが共産主義の為に、美名を、平和とか戦争反対とか言って色々やるのは困ったものだ。
・これは丁度、戦前に軍閥者が忠君愛国というような、当時にあっては、ちょっと文句のいへぬ事を看板にして、戦争へと駆り立てたとの同じであって、誠に困った事だ。
〈 昭和27年4月18日の拝謁時のお言葉 〉・・・ サンフランシスコ平和条約が発効
陛下
・私は実に心配しているのだが、 戦争前の状況というか、大正末期か、昭和の始めへかけての社会の有様と、最近は非常に似ていると思う。
・国会は矢張り、その頃と実際少しも変りなく、国家社会より党の事を考えたような様子でその言論や行動を行い、政府側の答弁も、責任逃れのような事ばかりで、嘆かわしい有様はさっき言った頃と少しも違いがない。
・あの頃は、血気にはやる青年将校をこれらの事情が刺戟して、段々騒ぎを大きくしたが、今はこれがソ連の手にのせられて、共産的になるか、又は反動として右翼的の戦前と同じ様なものが出現するか、世相は誠に私には憂慮すべきもので、その前徴は歴々あらわれていると思う。
・蟻の穴から堤が切れるとか、塵もつもれば山といふ諺がある。
・今私は、その徴候を充分認める。これは、過去の過ちを再びせぬとは限らぬ、徴候だ。
・まだ徴候の内に手を打たなければ、重病になっては名医も及ばぬ。今の内に警告して何とかすれば、どうかなると思うが、時機を失しては、駄目だ。
戦前の軍が、「軍があるから日本がある」と本末転倒していた事実を踏まえ、陛下は労働組合の間違いを指摘されています。「組合のための日本」でなく、「日本があっての組合」だという適切なご指摘です。
熱情に駆られ、共産党に利用されている学生たちへの危惧と、党利党略を優先し、国政を忘れた政党など、そのまま現在につながる陛下の警鐘でした。
押し返すいつもの強弁がなく、メモも残されていませんが、お気持ち語られても、聞く側の田島氏は、柳に吹く風のごとしです。虚しく壁に語られている、陛下のお姿が見えるようです。
NHKのこの報道について、自民党の議員諸氏からなんの意見も聞きません。安倍総理を責める気はありませんが、「報道の自由」とはこのようなものなのでしょうか。
内閣改造後の総理に、「ねこ庭」からせめて下記2点の実行を期待したいものです。
1. 国会議員の二重国籍禁止法の制定
国の安全保障の観点から、国会議員は日本人のみとする。二重国籍の議員には帰化を促し、従わない者は国外退去とする。
2. NHK役員の二重国籍禁止法の制定
国の安全保障の観点から、NHK役員は日本人のみとする。二重国籍の役員には帰化を促し、従わない者は免職とする。
NHKの見直し作業は、国籍条項から始めないとダメです。