田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

あなたは、なにに、浮き身をやつしていますか? 麻屋与志夫

2015-01-06 17:17:49 | ブログ
1月6日 火曜日

文筆詩歌等其の詮なき事なれば捨ベき道理なり。道元。

●カミサンが風邪を引いたまま年を越した。

こんなことは初めての経験なので身も痩せるおもいだ。

痩せるおもいというが、

ここで、わたしまで風邪でダウンしたら買い物にも行けない。

そこで、体力を維持して置くために、

ガムシャラに食べている。

あまり食べるので口が卑しいと。

カミサンには軽蔑されるは、

病で食欲の減退している彼女の前で披歴する健啖ぶりに、

わたし自身もあきれるやら、

てんやわんやの日々がつづいている。

●年賀状も書けなかった。

●小康を得た彼女が着もので外出したいといいだす。

気分が滅入っているのだろう。

●彼女は着もので正装。

わたしはカーゴ―パンツ。

チグハグでもうしわけない。

●道々、

彼女は丹精込めて育てている薔薇が、

枯れてしまったと嘆いている。

●かわいそうだが、

じぶんの体のほうが大切なのだからと慰める。

●いままで、

彼女が薔薇の育成のために費やしてきた、

膨大な時間をおもうと哀れですらある。

●ひとによって、

その趣くところはいろいろだ。

彼女から薔薇をとったら何が残るだろうか。

●例えば、

わたしから文学をとったら、

何が残るだろうか。

●道元のいう詮なきこと。

「つまらないこと」に浮き身を窶している、

わたしたち夫婦のことをおもってみた。


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少年や六十年後の春の如し 耕衣  麻屋与志夫

2015-01-06 09:08:51 | ブログ
1月6日 火曜日

●昨日はあたたかな日差しに誘われて散歩にでた。

●「恋空」で有名になった千手山公園の石の階段を登る。

だいぶ、縁が磨滅したな。

むかし、小学生のときは、このあたりは遊び場だった。

中津博君とよく遊んだ。

あのミカとヒロの名場面の観覧車を背にベンチに腰を下す。

静かだ。

誰もいない。

●街を鳥瞰する。

母校北小学校の木造校舎もよく知られている。

小泉今日子がCMの撮影で来た。

もうこうした木造校舎はめずらしいのだろうな。

なつかしいな。

昨日の淀工の丸谷先生が、

わたしが一年生のときの担任、

野原豊先生に似ていたので、

きゅうに母校を見たくなったのかもしれない。

ともかくなつかしい。

●いまのわたしをつくり上げてくれた、

恩師、友だち、この自然。

おもいだし、なつかしむとつい涙ぐんでしまう。

やはり歳だ。

若いときはこうした感情はバカにしていたのだが、

それほどいやなものではない。

年寄りの感傷もわるくはない。

これはひとつ、自伝でもかかないといけないな、

などと仕事のことを考えていた。

●街を見下ろしながら共に未来を語り合った、

青春を謳歌した友だちはもうひとりも残っていない。

小磯忠志君ともよくここにきた。

かれの人生の節目ふしめによくここにきて未来を語り合った。

やはり自伝は書くべきなのだろう。

●千手堂。

回廊の西側の庇に鬼の面がかかっていた。

堂の周りを息をつめて走り、

もとにもどってこられれば、

鬼の面が笑う。

そんなことを信じて、なんど挑戦したことだろう。

●後生車(天気輪)は健在だった。

石の上部を刳り抜き、輪がはまっている。

上にまわして願えば明日天気になる。

下は雨。

上に回したのに逆回転してしまうと、地獄におちるとか……。

輪は赤錆、軸は擦り減り、

いまにも輪が転げ落ちそうになっていた。

わたしはそっと輪をまわしてみた……。

錆色の臭いが手に着いた。

いつまでも臭っいてた。

●記憶の隅で少年のわたしがお堂の周りを走っている。

中津君と天気輪を回していた――。


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