田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

血を吸う者/夕日の中の理沙子(2)  麻屋与志夫

2009-02-12 08:21:40 | Weblog
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奇跡が起きたのだ。

仏様が、孫太郎尊がわたしをたすけてくれたのだ。

(わたしてきには。

孫太郎尊の御本尊はカルラではないかとおもってきた)

虚空をとんでたすけに来てくれたのだ。

コウジとお礼まいりにいかなければ。

そのときご住職にきいてみよう。

栃木のタキオバアチャンにも会いたい。

「コウジ」

しつかりと手をにぎって理沙子はまた泣きだした。

コウジの顔にはほほえみがうかんでいる。

看護師の弓削さんは理沙子の肩に手をおいた。

「理沙子さん。よかったわね」

これで、理沙子は安心して受験できる。


第七章 夜のパトロール/翔太

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「コウジ君の意識がもどったそうですね」

翔太がいまは覚醒連の所長の織部とむきあっている。

「たぶん覚醒者になっているだろう。

さらにハンターに昇格する可能性がある人材だ。

高校ではピッチャーをしていた。

運動神経バッグンだからな」

「ふたりでパトロールできるといいな」

そういいのこして翔太はオリオン通りにむかった。

宵闇がせまっていた。

この時刻からVの活動が始まる。

Vはじぶんの正体をみることのできるものをまず生贄とする。

みられるとがきらいなのだ。

群衆の中にまぎれこむ。

それをみとがめられるのが。

それをみきわめられるのが。

きらいなのだ。

「吸血鬼がいる」

なんてさわがれては。

おちおち生きていけない。

生きていくために。

ゆっくりと時間をかけて。

ひとの精気をすってはいられない。

過激派はナイフをもってうろついている。

精気を吸うどころか。

いまだに――。

血をもとめているものもいるのだ。

今夜もなにか起きそうだ。

いやもう起きていた。

翔太のサイキックとしてのみみに。

女の悲鳴がきこえた。


  カルラ

       




one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。


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