田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

裂け目/吸血鬼ハンター美少女彩音

2008-08-14 09:35:59 | Weblog
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 あまりの環境の激変に彩音はパニクっている。

 親戚縁者。一門の者。みんなとそろっている。
 文美が『朽ち木』で神田を倒した黒川の河川敷にきていた。
 彩音が流した花束が流れていく。
 川面を流れていく花束。
 
 おばあゃんへのおもいがこめられている。
 おばあちゃんが朽ち木を舞いながら去っていく。
 おばあちゃんがほほえんでいる。
 お祖母ちゃん、さようなら。
 さようなら。
 
 わたし、この鹿沼を守るからね。
 吸血鬼が怖くて、みんな怯えている。
 わたしは負けないから。
 わたしは鹿沼の守護師。
 どんなことがあっても、鹿沼を吸血鬼から守りぬく。
 この美しい鹿沼を守ってみせる。
 わたしは、鹿沼の守護師。吸血鬼ハンター。
 
 吸血鬼を倒せる女。
 どなんことがあっても、鹿沼を吸血鬼の攻撃から守りぬく。
 この美しい鹿沼を守りぬいてみせる。
 文美祖母ちゃんの遺志をついで戦うから。
 いつまでも彩音のこと見守っていてね。
 
 涙がとまらない。
 
 お母さんとお父さんが帰ってきたのだって文美おばあちゃんがそうしてくれたのだ。
 おばあちゃんが両親を呼びよせてくれたのだ。
 
 黒川の流れに花束が揺れている。
 
 国産繊維の東工場から黒川に流れこむ川がある。
 その水門が開かれているので川面が渦をまいている。
 花束もその流れにのって渦巻いている。
 文美おばあちゃんが名残を惜しんでいる……。
 さらにさらに文音は悲しくなる。
「あっあれみて。彩音」
「なにが見えるのよ、慶子」
 幸橋の上の虚空で暗雲がうすれた。
 橋の上空に純平と澄江が手をつないでのぼっていく。
 洞窟からコウモリが現れた。
 彩音、慶子、麻屋をしつっこく追いまわしたコウモリの群れは純平と澄江に吸い こまれていく。

「あそこに、時の裂け目があるんだわ。異界との境界も」

「あの裂け目が閉じればすべて解決するの? もう、吸血鬼は入ってこられないの? だといいね。彩音」

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