3月7日 木曜日
メイキングオブ「白比丘尼」
前作「白比丘尼」を書くにあたっての、手の内を紹介したい。
日本の読者はとくに年配の方は小説は実際に作者が経験したこととおもいこむ。
これは日本独自の私小説の影響なのだ。
作者がわたしという一人称で小説を書くと、そっくりまるごと作者の自画像だとおもいこまれてしまう。
さて白比丘尼について。卒塔婆で秘密基地をつくる話。全くの創作です。友だちが卒塔婆でソリを作り山の斜面で滑っていました。それだけが貴重な過去の記憶です。山の中を寺男に追いかけられたことは。フィクションです。山奥の家で妻となる少女に会う。これは柳田国男の「遠野物語」にでてくる「迷い家」、マヨイガを参考にしました。
平成からブームのファンタジー、幻想による小説をわたしはすきだ。
いままでにも「浜辺の少女」―カクヨムに載っています、のような、ムンクの浜辺の少女は吸血鬼で栃木県の大谷出身だというわたしなりの幻想小説、転生ものを書いています。
これからもながく生きられたら浜辺の少女のような、さらに恋愛を前面に押しだし、主軸とした作品を書きたいとねがっています。
ホリゴタツで、歩行もままならず毎日家の中ですごしている翁にとってはたのしい題材だとおもいませんか。
現実の経験をいかに創作として書いていくか。
わたしは口腔外科で抜歯を十本もすることになりました。
痛い歯を一本抜くのかとおもっていました。
ぜんぶ抜いて総入れ歯にしなさい、ということなのだろう。
これは、たいへんだ。
四月の初めに五日間も入院する。たいへんなことになった。
もういくらも生きられないとおもっていたのに。
百歳越えを神に願わなければならないだろう。
だって、経費がいくらかかるかわからない。
元をとるためには傑作、百とせになっても恋愛小説を書かなければならないなんてね。
神様も粋な計らいをしてくれるものだ。
診察を待つ間。
病院の待合室で妻が隣のわたしと同じ九十歳だという老婆にいわれていた。
「どうみたって、娘さんにみえますよ。奥さんケ。わたしとそんなにひらいていない歳だなんて信じられない」
これはもう白比丘尼どころではない。
太陽の直射をあびつづけなければ、永遠に生きつづけるという吸血姫の小説を書かなければ。
全部、歯を抜いたら犬歯だけはニョッキりと伸びるメカ仕掛けの総入れ歯。
吸血鬼の牙にしてもらおうかしら。という妄想でシメマス。
注 『八百比丘尼堂』については、検索してください。実際に栃木の真名子に存在しています。
麻屋与志夫の小説は下記のカクヨムのサイトで読むことができます。どうぞご訪問ください。
ブログで未完の作品は、カクヨムサイトで完成しています。
カクヨムサイトはこちら
●角川のbookwalkerーにも作品が載っています。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
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メイキングオブ「白比丘尼」
前作「白比丘尼」を書くにあたっての、手の内を紹介したい。
日本の読者はとくに年配の方は小説は実際に作者が経験したこととおもいこむ。
これは日本独自の私小説の影響なのだ。
作者がわたしという一人称で小説を書くと、そっくりまるごと作者の自画像だとおもいこまれてしまう。
さて白比丘尼について。卒塔婆で秘密基地をつくる話。全くの創作です。友だちが卒塔婆でソリを作り山の斜面で滑っていました。それだけが貴重な過去の記憶です。山の中を寺男に追いかけられたことは。フィクションです。山奥の家で妻となる少女に会う。これは柳田国男の「遠野物語」にでてくる「迷い家」、マヨイガを参考にしました。
平成からブームのファンタジー、幻想による小説をわたしはすきだ。
いままでにも「浜辺の少女」―カクヨムに載っています、のような、ムンクの浜辺の少女は吸血鬼で栃木県の大谷出身だというわたしなりの幻想小説、転生ものを書いています。
これからもながく生きられたら浜辺の少女のような、さらに恋愛を前面に押しだし、主軸とした作品を書きたいとねがっています。
ホリゴタツで、歩行もままならず毎日家の中ですごしている翁にとってはたのしい題材だとおもいませんか。
現実の経験をいかに創作として書いていくか。
わたしは口腔外科で抜歯を十本もすることになりました。
痛い歯を一本抜くのかとおもっていました。
ぜんぶ抜いて総入れ歯にしなさい、ということなのだろう。
これは、たいへんだ。
四月の初めに五日間も入院する。たいへんなことになった。
もういくらも生きられないとおもっていたのに。
百歳越えを神に願わなければならないだろう。
だって、経費がいくらかかるかわからない。
元をとるためには傑作、百とせになっても恋愛小説を書かなければならないなんてね。
神様も粋な計らいをしてくれるものだ。
診察を待つ間。
病院の待合室で妻が隣のわたしと同じ九十歳だという老婆にいわれていた。
「どうみたって、娘さんにみえますよ。奥さんケ。わたしとそんなにひらいていない歳だなんて信じられない」
これはもう白比丘尼どころではない。
太陽の直射をあびつづけなければ、永遠に生きつづけるという吸血姫の小説を書かなければ。
全部、歯を抜いたら犬歯だけはニョッキりと伸びるメカ仕掛けの総入れ歯。
吸血鬼の牙にしてもらおうかしら。という妄想でシメマス。
注 『八百比丘尼堂』については、検索してください。実際に栃木の真名子に存在しています。
麻屋与志夫の小説は下記のカクヨムのサイトで読むことができます。どうぞご訪問ください。
ブログで未完の作品は、カクヨムサイトで完成しています。
カクヨムサイトはこちら
●角川のbookwalkerーにも作品が載っています。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
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そうおっしゃるのですね。わたしも歯の状態がわるい。だから、先生のお気持ちがよくわかります。でもね、そこまでする必要があるのでしょうか。
いつも野菜をいただく、壬生に住む八十五歳になる、わが義父の妹の旦那さんは、数年前、獨協医科大付属病院で歯を数本抜きました。なぜなら虫歯がひどいと誤嚥性肺炎になりやすいからです。