田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

一升瓶の底から〈水琴窟〉の音色が聞こえて来た。 麻屋与志夫

2015-01-02 10:42:08 | ブログ
1月2日 金曜日
一升瓶の底から〈水琴窟〉の音色が聞こえて来た。

●たまたまである。

まったく、偶然のことだった。

これから三が日は連続飲酒をする覚悟を決めた。

豪放磊落な発言である。

むかしは、新宿のゴールデン街で一夜で角ビンを空けたこともある酒豪だ。

レッキルザボトル(いっぽん空けようぜ)

などと掛け声かけて、飲み出したものだった。

あの頃の酒飲み仲間はもうみんなあちらにいってしまった。

生き残ったわたしは――いまではお酒一合と決めている。

トホホ。

●しかし、毎日一合では体に悪いだろう。

それを三日もつづけたらと……。

いったん徳利に満たした、

〈菊水ふなぐち一番しぼり生原酒冬季限定〉を、

徳利の口と一升瓶の口をキスさせてゴセキに減らすことにした。

――このお酒はお冷やで飲んだら、

へたげなワインよりはるかに美味しいですよ。

でもこちらはGGだ。

熱カンで飲んでいますが――。

●むかしの飲み仲間の顔や、

むかしはいくらでも飲めたのにな、

と思い出に耽りながら未練たらたら、お酒タラタラ……と、

瓶に戻していたら、

あらあらあら、

妙なる幽寂の音色がひびいてくるではありませんか。

●これは、姉が嫁にいった野口家できいた水琴窟の音色だ。

あの幽玄の音をいまでも耳がおぼえていた。

●一升瓶の底からひびいてくるかすかな音色に耳を傾けていると、

「正一、あまりお酒飲み過ぎないでね」

という亡き姉の声が聞こえて来た。

あもわず、涙腺がゆるんでしまった。

●でも、そこは酒に意地汚い男だ。

この音は毎晩聞くだけの価値はあるぞ。

一升瓶の底から水琴窟の音をきくナンザァ、ここに風流極まれり。

などと勿体つけていますが、

どうなることでしょうか。

毎晩はむりですよね。

ドクターストップならぬ女房ストップがかかることでしょう。

●瓶の中にはあまりお酒があるとこの音は聴けません。

two finger(s)くらいがいいようです。





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