第十八章 美智子の涙
8
攻め方が違う。
戦い方が根本的に違っていた。
クノイチ48というだけのことはある。
いいまでどこに潜んでいたのだろうか。
「サルトビの技の元といわれる日光黒髪流、確かにみてとったわ」
「ハズカシイヨ。コイツラには効かないんだもの」
48のメンバーは手の平サイズのボウガンをかまえている。
射る。
音がしない。
どこから。
矢がとぶのか。
わからない。
薄闇のなかでの使用には。
絶好の武器だ。
黒服は射倒される。
もだえる。
起き上がれない。
そのままジュと溶けだす。
「情けムヨウ。
わたしたちの仲間もおおぜい殺されている。
キリコ気合い入れて。
これは戦い。
殺し合いなの。
あそびじゃない。
ゲームじゃないのよ」
そうだ。
これは戦いだ。
一族の存亡がかかっている。
そして、正義のための――。
お互いの身のこなしかたから……認め合った。
あのB級グルメ大会で友情を培った百子がかけつけてくれた。
キリコは涙を必死でおさえた。
クノイチ48の捨て身の戦い。
ボウガンの威力はスサマジイ。
三節棍を自在にあやつっている。
白刃をかざして黒服の群れに斬りこんでいく。
まさしく戦いだ。
わたしたちも武器を使用するべきだ。
キリコはふところから金属鞭をとりだした。
形状記憶合金で特注した。
いままで使う気がしなかった。
生命の危機に追い込まれて。
ふんぎりがついた。
相手は鬼だ。
今風にいえば吸血鬼なのだ。
人の世を乱そうとしている。
人の生き血をすって。
平然としている鬼だ。
世の乱れを呼ぶ根源的な悪だ。
殺。
殺。
殺。
キリコは痛む足を労わりながら。
それでも――。
鞭をふるって
百子と背中合わせに鬼とむかいあった。
「すごいイケメン。彼氏なの……?」
「だといいんだけど」
隼人の戦う姿を遠目でみながら。
キリコは寂しく応えた。
黒服の群れが倒れた仲間を引きずって。
消えていく。
街は夜。
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攻め方が違う。
戦い方が根本的に違っていた。
クノイチ48というだけのことはある。
いいまでどこに潜んでいたのだろうか。
「サルトビの技の元といわれる日光黒髪流、確かにみてとったわ」
「ハズカシイヨ。コイツラには効かないんだもの」
48のメンバーは手の平サイズのボウガンをかまえている。
射る。
音がしない。
どこから。
矢がとぶのか。
わからない。
薄闇のなかでの使用には。
絶好の武器だ。
黒服は射倒される。
もだえる。
起き上がれない。
そのままジュと溶けだす。
「情けムヨウ。
わたしたちの仲間もおおぜい殺されている。
キリコ気合い入れて。
これは戦い。
殺し合いなの。
あそびじゃない。
ゲームじゃないのよ」
そうだ。
これは戦いだ。
一族の存亡がかかっている。
そして、正義のための――。
お互いの身のこなしかたから……認め合った。
あのB級グルメ大会で友情を培った百子がかけつけてくれた。
キリコは涙を必死でおさえた。
クノイチ48の捨て身の戦い。
ボウガンの威力はスサマジイ。
三節棍を自在にあやつっている。
白刃をかざして黒服の群れに斬りこんでいく。
まさしく戦いだ。
わたしたちも武器を使用するべきだ。
キリコはふところから金属鞭をとりだした。
形状記憶合金で特注した。
いままで使う気がしなかった。
生命の危機に追い込まれて。
ふんぎりがついた。
相手は鬼だ。
今風にいえば吸血鬼なのだ。
人の世を乱そうとしている。
人の生き血をすって。
平然としている鬼だ。
世の乱れを呼ぶ根源的な悪だ。
殺。
殺。
殺。
キリコは痛む足を労わりながら。
それでも――。
鞭をふるって
百子と背中合わせに鬼とむかいあった。
「すごいイケメン。彼氏なの……?」
「だといいんだけど」
隼人の戦う姿を遠目でみながら。
キリコは寂しく応えた。
黒服の群れが倒れた仲間を引きずって。
消えていく。
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